【週刊 電撃スパロボ No.017】『スパロボ』プロデューサー・寺田氏とコトブキヤ企画担当にS.R.D-Sについて聞いてみました!

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シルバーウィークも更新中! 今回の『週刊 電撃スパロボ!』は、ついに発売となる「S.R.D-S ダイゼンガー」に併せて、B.B.スタジオの寺田貴信プロデューサーとコトブキヤの企画担当・亀山直幸氏の対談を掲載! 最近話題のS.R.D-Sとは何なのか? 『スパロボ』にとってのデフォルメとは? ファン必見の内容について、じっくりと語っていただきました。

今週末開催の全日本模型ホビーショーに関連した情報もありますので、お見逃しなく!

 

■そもそもS.R.D-Sとは?

 

――まずは、S.R.D-Sがスタートした経緯から教えてください。

 

亀山: 2014年はS.R.G-S(※1)の10周年という節目の年でしたので、それを記念して新しいプロジェクトを始めたいな、というのが最初のきっかけですね。その中で、デフォルメスタイルで、アクション性を重視したシリーズを始めたいと思いまして、このS.R.D-Sを始めさせていただきました。
(※1:コトブキヤが、1/144、ノンスケールで展開中の『スーパーロボット大戦OG』シリーズのプラモデルシリーズ。)

 

▲亀山直幸氏。コトブキヤ所属。

▲亀山直幸氏。コトブキヤ所属。

 

――デフォルメスタイルのキットというと、御社ではすでに「D-Style」があるわけですが、あえてこのシリーズを「D-Style」としなかった理由とはなんでしょうか。

 

亀山: 『スパロボ』の機体を再現するにあたって、やはりもうひとつのシリーズであるS.R.G-Sにも負けないプレイバリューの商品にしたいという目標があったんですね。となるとD-styleシリーズの「可愛らしくデフォルメした手軽に作れるプラモデル」というコンセプトからはどうやっても離れてしまう。そこで、今回はD-styleの冠は外し、独自シリーズでの展開としました。

 

――寺田さんは、亀山さんから「デフォルメスタイルのプラモデルを作りたい」というお話があったとき、どう思いましたか?

 

寺田: ついに来たか、という感じでした。実は私、子供の頃にデフォルメスタイルのロボットの商品があまり出回っていなくて、リアル頭身の物をずっと追いかけてたんですよ。高校生から大学生の頃にデフォルメスタイルのロボットや商品が色々出て来たんですが、当時は子供向けの物だと思ってました。私より下の世代の人には大人気だとわかっていましたが、リアル頭身のトイの方を優先して買ってましたね。

……亀山さんはお幾つでしたっけ?

 

▲寺田貴信氏。株式会社B.B.スタジオ所属。『スーパーロボット大戦』シリーズのプロデューサーを務める。

▲寺田貴信氏。株式会社B.B.スタジオ所属。『スーパーロボット大戦』シリーズのプロデューサーを務める。

 

亀山: 35歳です。

 

―― 『SDガンダム』などが人気を博したころに小学生だった世代ですね。当時はデフォルメスタイルのメカが登場するアニメが結構多かったですよね。

 

寺田: 45歳の私の原点は『マジンガーZ』ですが、亀山さんの世代だとそれがデフォルメスタイルのロボットだという方がいらっしゃいますよね。最初に見たガンダムが『SDガンダム』だという風に。

 

―― もともと『スーパーロボット大戦』シリーズはデフォルメされたメカが出る作品が主流ですよね。

 

寺田: そうなんですが、様々な事情があってのことなんです。ただ、全長10メートルから100メートル以上まで、色々なサイズのロボットが入り乱れる戦闘シーンを描写するには、見た目のサイズをだいたい統一できるデフォルメスタイルの方が好都合でした。でも、ストーリーを考えたり、シナリオを書いている私の頭の中でロボットは常にリアル頭身であり、ビジネスの都合上、ゲームではデフォルメスタイルになっているという認識でした。戦闘シーン中のロボットカットインがリアル頭身なのは、垣間見せる真の姿……みたいな感じで。

 

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▲『第2次スーパーロボット大戦OG』よりサイバスターの戦闘シーン。

 

寺田: だから、オリジナルキャラクターやロボットのみが登場する『魔装機神(※2)』はリアル頭身でやりましたし、ゲームボーイアドバンス版『ORIGINAL GENERATION(OG)』も最初はそうしようと思っていたぐらいだったんです。

(※2:1996年に発売されたスーパーファミコン用ソフト『魔装機神 THE LORD OF ELEMENTAL』。『第2次スーパーロボット大戦』から登場した『スパロボ』オリジナルロボット「魔装機神サイバスター」と、その操者であるマサキ・アンドーが活躍する。)

 

▲『スーパーロボット大戦OGサーガ 魔装機神F COFFIN OF THE END』より、サイバスターの戦闘シーン。

▲こちらは『魔装機神F COFFIN OF THE END』より、サイバスターの戦闘シーン。

 

―― 寺田さんにとっては、デフォルメスタイルはあくまで仕事の上で必要なものだったわけですね。

 

寺田: そうですね。結局、『OG』は社内の意見を集め、メインのユーザー層はデフォルメスタイルの方が受け入れやすいのではないかということで、現状の形となりました。『OG』のアニメでは、ロボットが本来の姿であるリアル頭身で登場しているわけですが、亀山さんが「アルトアイゼン・リーゼ」の原型を持ってこられたときに「これこそが僕達が欲しかったもの、やりたかったことです!」とおっしゃたことが衝撃的でした。「何をいってるんだろう? リアル頭身の方が本来の姿なのに」とも思いましたね(笑)。もちろん、ゲームではデフォルメされたメカの戦闘シーンをこだわって作っていますし、デフォルメされた上での格好良さを追求しています。ただ、亀山さんの言葉で、デフォルメスタイルの『OG』が何故受け入れられたか、わかったような気がしました。

 

亀山: 『スーパーロボット大戦』シリーズのロボットって、リアルなスタイルの設定画がありつつ、戦闘シーンではデフォルメされていますよね。S.R.D-Sでは、あの戦闘シーンを再現したかったんですよ。やはり僕達が一番見慣れているのは戦闘シーンですから。ライバル同士をラインナップしているのも、戦闘シーンを再現したかったからですし。

 

寺田: デフォルメスタイルのロボットが登場する『スパロボ』を、ある意味真正面から受け止めて下さっているんだな、と思いました。実際に上がってきた原型は凄く良かったですし、こだわって立体化されていることがわかりました。実際にゲームを遊んでくれていた亀山さん達の世代にとっては、このデフォルメスタイルも『スパロボ』のメカの真の姿なんですよね。こういうアイテムが登場した、という意味でも『OG』をデフォルメでやって良かったな、と。逆に勉強させていただきました。

 

―― 作品によってデフォルメの仕方に大きく違いがあるわけですが、その辺りは立体化するにあたってどのように汲みとっているのでしょうか。

 

亀山: ゲーム中のイメージを崩さないように注意しつつ、その上で最大限可動やギミックを入れられるよう、検討しています。なので、厳密にいうと、ゲーム中のデフォルメとは、バランスが違うんですよ。

 

寺田: 一口に「デフォルメ」といってもやり方はいろいろありますからね。私の場合は、リアルタイプの設定とシルエットライン、アウトラインをなるべく同じような感じにすることがポイントです。元のデザインで尖っているところはちゃんと尖らせ、足回りはなるべくボリュームを出したいと思っています。もっとも、現状の『スーパーロボット大戦』のデフォルメ方法は、戦闘シーンでロボットを動かす都合などから昔と比べてずいぶんと変わってきていますが。ロボットのデフォルメには歴史があって、その方法論は語り出すとそれだけで凄いボリュームの話になってしまいますね。もちろん、王道のデフォルメスタイルは存在していますが、世代や人によってイメージが違ってくるのではないかと思います。

S.R.D-Sは僕のデフォルメ論からはやや外れているんですが、今、亀山さんがおっしゃっていたように可動やギミックの兼ね合いでそうなっているということで、どのようにデフォルメするかについては基本的にお任せしています。絵は嘘をつけますけど、立体ではそうはいきませんから。
ゲームではデフォルメスタイルのロボットを使った戦闘シーンで格好良さを追求しているわけで、そう考えれば、やっていることは同じだな……と気が付きました。

 

■「S.R.D-S ダイゼンガー」、そしてその後の展開について

 

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▲こちらは「S.R.D-S ダイゼンガー」作例です。

「S.R.D-S ダイゼンガー」製作記事はこちらから⇒

【週刊 電撃スパロボ No.011】S.R.D-S ダイゼンガーを作る<その1>

【週刊 電撃スパロボ No.012】S.R.D-S ダイゼンガーを作る<その2>

【週刊 電撃スパロボ No.014】S.R.D-S ダイゼンガーを作る<その3>

 

――さて、9月に発売となります「S.R.D-S ダイゼンガー」ですが。

 

寺田: 実はこれ、ゲーム版のダイゼンガーじゃなく、大張正己監督がデザインされたTVアニメ『ジ・インスペクター』版のダイゼンガーをデフォルメしたものなんですよ。

 

―― あ、そうなんですか?

 

亀山: はい。顔付きや体型なんかをご覧いただくとわかると思いますが、アニメ版の画稿を基にしています。

 

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▲▼大張正己氏によるダイゼンガー画稿。ka_dsp_20150911_007

 

寺田: これまでコトブキヤさんはノンスケールと1/144スケールで2回、ダイゼンガーを立体化されていますけど、アニメ版ダイゼンガーを立体化するのは今回が初めてなんですよ。コトブキヤさん、いつ言うのかなーと思っていたんですけれど、なぜか言わない(笑)。

 

―― こちら、秘密にしていた理由が何かあるのでしょうか?

 

亀山: ……忘れてた? とか(笑)。

 

寺田: これがアニメ版ダイゼンガーのデフォルメモデルだとご存じない方が多いかも知れませんよね。ですから、ここで声を大にしていっておきます。“「S.R.D-S ダイゼンガー」はコトブキヤさん初のアニメ版ダイゼンガーの商品です!”と。 ちなみに、ゲーム版とアニメ版は身体のバランスや細部のディテールが違います。

 

――現在、ライバルである「スレードゲルミル」が進行中ですよね。

 

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亀山: 開発進行中なのですが、若干遅延しています。パーツ数が「ダイゼンガー」の1.5倍ぐらいになっていまして……。スレードゲルミルは細かな色分けが多いんですよ。ボリューム感そのものは、背中のドリルを除けばほとんど「ダイゼンガー」と同じぐらいのボリューム感なんですけど。さすがにこれはマズい、というところで、今調整をかけていますので、少しお待ちください。

 

――「サイバスター」も先日のワンフェスで発表されましたが、こちらはなんとサイバードへの変形が可能だとか。

 

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亀山: こちら、尻尾部分と手首が差し替えになる以外は設定通り変形します。サイバスター形態での尻尾部分はサイバード形態で機首になるんですが、両者の形態でしっくりとくるバランス、長さが違うんで差し替えとしました。変形はS.R.G-Sの「サイバスター(精霊憑依Ver.)」でも実現していないのに、S.R.D-Sでは頑張っています(笑)。

 

寺田: このシリーズはギミックが凄いですね。ゲーム中では、「絵の嘘」をついている部分がありますがそれを律儀に再現しようと攻めてくる。そういう意味では、「D-style」とは違うシリーズにしたかったというだけのことはあると思います。

 

亀山:「D-style」とは大きさから違いますからね。こういったギミックを再現したかったので、このサイズを選んだという面はあります。あとはMサイズ、Lサイズというゲーム中のサイズの違いも、何となく再現できるといいなと。例えばアルトアイゼン・リーゼとソウルゲインという、ライバル同士を並べたときにいい感じに視線が交差するようにしています。

 

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寺田: ゲーム中のライバル同士で組み合わせやすいのはいいですよ。ガシガシ動いて戦闘シーンのアクションも再現できますから。このシリーズのコンセプトが良くわかります。

 

■好きなものを形に。

 

寺田: 現在発売中のニンテンドー3DS用ソフト『スーパーロボット大戦BX』に『SDガンダム外伝』の騎士ガンダムが登場しているんですが、亀山さんと同じ世代のユーザーさんや業界の方々から熱いご感想をいただいています。戦闘シーンで騎士ガンダムの背景がキラキラ輝いて、開発担当プロデューサーに「これ、何?」と聞いたら、「僕らの世代には絶対に受ける演出です」と言われました。

 

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▲現在発売中の『スーパーロボット大戦BX』よりバーサル騎士ガンダムの戦闘シーン。

 

亀山: いやー、あの演出は凄く良かったです! 燃えました! ありがとうございます!

 

寺田: ……という(笑)。

 

亀山: 世代という話だと、『SDガンダム』も好きでしたけど、『ザ・グレイトバトル』とか『バトルドッジボール』(※3)とか大好きで、凄く遊んでいた世代なんですよ。

(※3:共に、バンプレストより発売されていた「コンパチヒーローシリーズ」の一作。『ウルトラマン』『仮面ライダー』『機動戦士ガンダム』など様々なヒーローキャラが作品の枠を越えて、様々なゲームジャンルで共闘する。2012年より新コンパチヒーローシリーズが展開中)

 

寺田: 私は、その頃すでにゲームを作る側にいましたね。似たような話だと、『OG』に「コンパチヒーローシリーズ」のファイター・ロアを出そうとした時、「覚えている人は少ないんじゃないか」という反対意見もあったんですが、昔のバンプレストのゲームによく登場していたので、押し通しました。あと、ファイター・ロアは登場作品によって姿が変わるので、『OG』では変身ヒーローっぽくアレンジし、ストーリーに組み込みやすくしました。

 

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▲ファイター・ロア

 

寺田: ……で、どれだけ受けるか少々不安だったのですが、結構な反響がありまして。ファイター・ロアに変身するコウタ役の寺島拓篤さんも昔、「ザ・グレイトバトル」シリーズで遊んでいらして、ロアのことをよくご存じでした。

 

―― 寺田さん達が携わったゲームをガッツリと遊んだ世代が、今いろんなところで『スパロボ』に関わっているという……。

 

寺田: これは『スパロボ』に限った話ではなくて、私より若い世代の人達が、今前線に立って好きなものを形にするようになってきたんでしょうね。S.R.D-Sもそうですし、ホビー業界全体を見てもデフォルメ系のアイテムがここ最近増えてきたのはそういうことなんじゃないかな、と思っています。

 

亀山: ちなみに、S.R.D-Sをメインで担当している原型師がふたりいるんですけど、どちらも僕と同い年なんですね。皆で、次は何やろうか、とか、S.R.G-Sをいかに超えるか、みたいな相談をいつもやっています(笑)。

 

寺田:  本当に好きで、こだわって作っていることが伝わってくるんですよ。リアル頭身のモデルより可動範囲が追求されていますし。実はS.R.D-Sの方が作っていて楽しいんじゃないかと思うぐらい(笑)。

 

亀山: いやいや、そんなことありません(笑)! 今も(※4)新作をご覧いただきましたし。

(※4:この日はS.R.G-S新作の彩色見本の監修後にインタビューを収録しています)

 

-- あ、S.R.G-Sの新作ですか? 次回の全日本ホビーショーで発表でしょうか?

 

亀山: はい。これまでユーザーの皆さんからご要望の多かったアイテムになります。

 

寺田:  個人的には商品化を許可するかどうか迷ったんですよね。でも、逆にそれはサプライズになるんじゃないかと思ってOKを出しました。

 

亀山: 他にもS.R.D-Sもいろいろと展示しますし、ぜひ9月25日からスタートする(※)全日本模型ホビーショーを見に来ていただきければと思います。

(※5: 全日本模型ホビーショーの初日となる25日はビジネスデーで、一般入場は26,27日となります)

 

寺田: 発表されるアイテムに関してはいろいろとエピソードがありますので、機会があればお話したいですね。

 

-- それは興味深いお話がたくさん聞けそうな……。ぜひお願いします!

 

いかがでしたでしょうか? そんな魅力的なS.R.D-S最新作「ダイゼンガー」は現在好評発売中です! また、電撃ホビーウェブでは「第55回全日本模型ホビーショー」も速報レポートを予定していますので、こちらもお楽しみに!

 

<DATA>

S.R.D-S ダイゼンガー

■ノンスケールプラスチックモデル

■全高:約150 ミリ

■9月発売予定
■価格:5,500円(税抜)
■原型製作:丸家 裕之介
■発売元:コトブキヤ

■コトブキヤオンラインショップでのご購入はこちらから!

■コトブキヤ公式製品ページはこちらから!

※コトブキヤショップ限定特典として「ドレスアップパーツ」付属。

 

<関連情報>

スーパーロボット大戦 公式サイト

http://www.suparobo.jp/

最新作! 『スーパーロボット大戦BX』公式サイト

http://srw-bx.suparobo.jp/

コトブキヤ

http://www.kotobukiya.co.jp/

TEXT by  電撃ホビーウェブ編集部

(C)SRWOG PROJECT

 

(C)サンライズ
(C)ジーベック/ナデシコ製作委員会
(C)創通・サンライズ
(C)創通・サンライズ・MBS
(C)2009 永井豪/ダイナミック企画・くろがね屋
(C)2010 永井豪/ダイナミック企画・マジンカイザー製作委員会
(C)2009,2011 ビックウエスト/劇場版マクロスF製作委員会
(C)2013 ビックウエスト

 


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