素組みでガンプラ! 【基礎】メッキキットの攻略法(アンダーゲートの処理法) 前編

更新日:2015年10月31日 18:13

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超基本からちょっとしたワザまで、ガンプラを素組みで作る“コツ”を、プロモデラー・桜井信之氏が指南する本コーナー。

 

今回はメッキキットを用いて、メッキの攻略法すなわちアンダーゲートの処理法を紹介したいと思います。

 

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▲MG 百式Ver.2.0

 

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 今回はMG 百式Ver.2.0を使って、メッキなどをコーティングしたプラモデルを作っていきましょう。ガンプラの中には通常の商品以外にも、クリアーバージョンやメッキなどをコーティングしたキットが存在します。そのほとんどが通常の成形色キットとは別に発売されたスペシャルバージョンですが、百式のように、劇中での設定が“金”などの場合、ゴールドをコーティングしたものがスタンダード版となるケースもあります。

 

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まずはMGシリーズの特徴でもあるフレームを組み上げます。これは通常色で成形されているので、特に問題なく組み上げることができます。このフレーム金をコーティングした装甲パーツを取り付けていきます。

 

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▲A

▲B

▲B

▲C

▲C

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2 これらは先ほどのランナーを裏側から見たものです。裏側もきちんと金色がコーティングされたきらびやかなパールが並んでいます。一見、普通のプラモデルと同じに見えますが、各パーツをよく見ると異なる部分があります。

それはランナーとパーツを接合する“ゲート”部分に独特の処理が施されていること。
「A」と「B」をご覧ください。通常のゲートと違い、パーツの底面(写真では上側になります)にゲートが乗るように接点が設けられています。通常タイプのゲートではニッパーで切り離したゲート跡のメッキが剥がれ、成形色が露出してしまいます。

しかし、このゲートの場合、ゲート跡がパーツを組み合わせることで隠れ、完成後にゲート跡が露出することはありません。この方式を“アンダーゲート”といいます。「C」のように通常タイプのゲートも存在しますが、全体の8割がこの“アンダーゲート”で設計されています。

 

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 では実際にパーツを切り離してみましょう。通常のプラモデルと同じように、パーツから少し離れた場所で、 1回目のカットを行います。パーツの外側に1~2ミリ程度ゲートが残るのが理想的です。

 

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 次に側面方向からゲートをカットします。2回目はパーツギリギリのところでカットして問題ありません。2度目のカットで残っているのはパーツ裏側の“アンダーゲート”の接点部分のみとなります。

 

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 最後に飛び出た“アンダーゲート”の接点部分をカットします。通常ニッパーによるパーツの切り離しは、“二度切り”が推奨されていますが、アンダーゲートの場合“三度切り”を行うのが特徴です。

 

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 ニッパーで切り離しただけでは、パーツ表面が平滑ではないので、ヤスリでカット跡を整えていきます。平面出しに使用するヤスリなどを使って、ゲート跡をヤスリがけしていきましょう。先端が尖ったヤスリなどでゲート部分だけを削れば、より美しくゲートを仕上げることができます。

 

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 この方法でヤスリがけをすると、ほんのわずかですが、薄い膜のようなプラスチックの削りカスが残ることがあります。極薄いものであれば指でなでるだけで除去することもできますが、それでも取れない場合は、裏面を軽くヤスリがけすれば、簡単に取ることができます。

 

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 装甲パーツをにフレームに取りつけてみましょう。アンダーゲートで構成されているため、パーツの裏側にヤスリ跡(カット跡)が残りますが、パーツの表面や側面は無傷です。これが“アンダーゲート”の最大の特徴です。“アンダーゲート”の接点も、他のパーツの組み合わせることで、ゲート跡が隠れるよう巧みに計算されていることがわかります。

 

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 写真は百式の上腕パーツです。このように1パーツで構成され、完成後も全角度が露出するブロックは、アンダーゲートを設けることが困難です。この場合は通常のゲートで処理するのが最良の手段です。

ゲートの接点は非常に薄く仕上げられているので、よく切れるニッパーで一刀両断にカットを行えば、ゲート跡はほとんど目立ちません。

 

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■まとめ
このように“アンダーゲート”で設計されたキットは、パーツの切り離しにひと手間かかりますが、完成後の美しさは通常ゲートとは大きな差となって現れます。「MG 百式Ver.2.0」のような“金色”の機体を表現するには最適の設計といえます。

 

次回は、それでもゲート跡が目に付いてしまう箇所の対処方法を紹介したいと思います。

 

 

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