ワンフェス2016冬での最新情報もお届け! 『銀河漂流バイファム』よりRVネオファムについての考察2 【連載】電撃ロボラボPLUS Vol.11

更新日:2016年2月16日 12:06

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今回もネオファムについての考証内容を振り返ってみます。バイファムとは異なるスタイリングから見えてくる内部構造や各種機構、地球側RVの開発系譜として後に続くディルファムやトゥランファムへの流れなどが話し合われました。(電撃ホビーマガジン2014年2月号掲載)

 

※これまでのバックナンバーも併せてご覧ください。

RVの腕部(おもにヒジ関節など)についての考察 【連載】電撃ロボラボ PLUS Vol.1
RVの腕部、胴体の機構及び内部構造についての考察 【連載】電撃ロボラボ PLUS Vol.2
続・RVの腕部、胴体の機構及び内部構造についての考察 【連載】電撃ロボラボPLUS Vol.3
ROBOT魂<SIDE RV>ネオファム監修現場レポート! 【連載】電撃ロボラボPLUS Vol.4
「魂ネイション2015」にROBOT魂ネオファム&トゥランファムが展示! 【連載】電撃ロボラボ PLUS Vol.5
ROBOT魂<SIDE RV>ネオファム&トゥランファム監修レポート2 【連載】電撃ロボラボPLUS Vol.6
『銀河漂流バイファム』よりROBOT魂<SIDE RV>開発中のトゥランファムを考察する! 【連載】電撃ロボラボPLUS Vol.7
『銀河漂流バイファム』よりRV用オプションユニットについての考察 【連載】電撃ロボラボPLUS Vol.8
『銀河漂流バイファム』よりRVバリエーション展開についての考察 【連載】電撃ロボラボPLUS Vol.9
『銀河漂流バイファム』よりRVネオファムについての考察 【連載】電撃ロボラボPLUS Vol.10

 

【電撃ホビーマガジン2014年2月号より】

 

「例えばネオファムの立体物として可動を考えた際に、腕のあのシンプルな形状を崩さずに可動範囲を広く取ろうと考えると、シルエットを崩さずにヒジの処理をどうするかがネックですよね。(関節軸が深く曲げる方向に)切込みが入れたくなる感じです」

 

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002 ▲ネオファムのアクション参考設定画。このポージングを無理なく再現するには……といった要素も、関節機構を考えるうえでのヒントとしています。

 

「前回のイラストは結構逃げの解釈で、よくアクションフィギュアなどで見られる感じの構造にアレンジにしました。赤部分の色を揃えてカバーとして処理するにしても、本当にそれいいのか? って多少思いながら描いたところも……」

 

「劇中のポーズなどから可動のイメージを拾いつつ構造を解釈していくのがベストではあるのですが、映像はだいぶ二次絵の嘘が入って、自在に折れ曲がっているので……」

 

「アクション参考画から想像すると、関節軸は隠れているけど向き方から引き出し型っぽいですよね、その解釈が理想的かどうかはさておき、ひとつメリットを上げるとすれば、バイファムと同じくヒジ部分がいわゆる外側にある状態で前腕を前に曲げられる」

 

「確かにイラストのように切込みが入ると、曲げる向きが限定されますね」

 

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004 ▲バイファムと異なり、見た目の露出が少ない関節を大きく動かす際にどのようにするかと考えて導き出されたのが、内部機構がスライドして可動範囲を広げる引き出し型。実は独特の上腕形状ゆえに、どの位置でロール機構を設けるかといった部分も議論のネタとなりました。考証中に出た意見を取り入れて、前回の全身画からディテールや機構を煮詰めたスケッチが描かれています。

 

「例えばヒジを90度以上曲げることを想定すると、前腕の関節の引き出し機構だけでは厳しいので、上腕側にも切込みを設ける必要が出てきますね」

 

「あ、バイファム13版では思いっきり切込みが入ってますね、関節軸も露出している」

 

「例えば前腕側にある可動軸の取り付け位置を前の方にして、後ろの部分がグワっと出るようにすると、120……いや150度くらいは曲げられるんじゃないかな」

 

「そのアイデアをちょっと補正というか、引き出し型に軸位置の調整、横ロールの機構なんかを組み合わせる形のデザインを取り入れつつなら、元設定画版のスタイリングを残したままで深く曲がるようにできると思うんですけど」

 

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▲議論中には掲載スケッチの基となったラフ画も描かれました。同時にディルファムの腕部も描かれており、両機の機構の違いなどを検証しています。

 


 

前回は機体開発のあらましや暫定的なディテール要素を考えていったネオファムですが、あらためてデザインを見直すとバイファム以上にシンプルな形状ゆえに、機構面の解釈が難しい要素が噴出。話はそんな部分の肉付けを考えつつ進んでいきました。

 

「メカニカルな視点での話に引き戻すと、可動を意識するなら動きが制限されそうなこのデザインではないと思うんですよ。実はフレキシブルに動きます……とギミックを考えるのももちろん、そこに釈然とする理由も考えていく必要もあると思いますね」

 

「前回、ネオファムは耐弾性等を意識した硬質な装甲を採用しているという考え方に持って行ったじゃないですか。なので各関節まで普段はカバーされる感じで、でも動かすのには引き出し型にしないと……とあの形状になったのではないかと」

 

「ヒジだけでなく、これは手首やヒザ、足首などもそういう考え方ですよね」

 

シンプルなスタイリングと内側に入っている関節構造や各種機構、それらの理由付けをどのように……というのがひとつ悩みどころではありましたが、機構が脆弱そうな部分を保護するのにカバーを、ということで重厚さのある形状に。可動面については、動かなさそうに見える部分は関節そのものがスライドする方式で……。と、構造の発想がシンプルでいいのでは、という考え方に落ち着きました。

 

「他のRVにも話を広げてみると、ディルファムはネオファムよりも関節周りはよりイージーにしてあるのかも。クローズドされている部分が減って軸のディテールが見えるようになっていますね」

 

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007 ▲バイファムに続き、ネオファムの考証が進んだことが、この後ディルファムやトゥランファムの話を掘り下げるヒントとなっています。

 

「地上型のネオファムを各地で運用してみて、効率化されていった部分があったと考えるべきですかね。ディルファムはイプザーロンに進出してからの開発~みたいな話でしたね」

 

「トゥランファムはバイファムを経ての開発なので、色々な部分で新たな技術のフィードバックやトライアルが入っている感じですね。一番システマチックな仕上がりというか」

 

ネオファムの機構面などのより深まった話は、前回のアウトラインからの流れで議論が深められていきました。ここからは、電撃ホビーマガジン連載時には割愛した重量の話やネオファム地上型に関連した考察を掲載します。以下のような意見のやり取りが行われました。

 

【PLUS!】

「宇宙用/地上用の違いって、見た目のディテール等では明確にありませんよね?」

 

「変えてるのは、たぶん自重と全備質量だけですよ。プロペラント容量の違いみたいな部分だけだと思うのですが……、酸化剤を全部推進剤に変えちゃうとか、そうすると長距離航行ができるようになるから。酸化剤の方が基本的に酸素系だから軽い訳で」

 

「宇宙の方が軽いんですよね、地上の方が膨張剤とか入れるからタンクが重たいということか。全備質量だと1.1トン違うんですけど、自重だと21.2から19.9トンに。比率が違うということですかね」

 

「ん? 自重が1.3トン違っているのに全備だと1.1トンの差に……? 微妙な誤差が」

 

「単純に積み物の差だと思いますよ。ネオファムが全備質量が宇宙だと28.5,そして地上だと29.6トン。で、自重が宇宙だと19.9トンで、地上だと21.2トンに。もう一つデータとして、は全備質量で宇宙だと27.0、地上用に換装してあると26.5トンと逆に軽くなるという」

 

「トゥランファムのほう、宇宙用が重たくなるのは何となくわかる気がするんですよ。必要な物を載せていくみたいな感じで。ネオファムが地上に降りて重たくなるのは、なんででしょうね?」

 

「頑丈にするために、何か追加の保護部品を付けてみたり、重心を均衡させるためにおもりやバランサーを設けるみたいな? ソフトの制御でどうにかならないのだろうか?」

 

「資料本には機体の一部パーツの交換のみで宇宙/地上用の換装が可能……って書いてありますね。さすがにスイッチポンではダメですかね」

 

「ネオファムって地球での生産時に宇宙/地上と作りわけされるのか、それとも基本は一種類で納品先において専用パーツ組み付けて納品なのか……でも基本仕様は宇宙用だと思うんですよ、ラウンドバーニアンですし」

 

「何かの折に、宇宙用のメカが地上に行く際にやらなきゃいけないことを考えていて、”防水”という話が出たんですよ。宇宙は基本的にオープンでも大丈夫ですけど、地上だと他にも砂に埃とありますし、防塵加工、シーリングの必要性があると。その分があってネオファムは重くなるのか……という考え方ができると思います」

 

「例えばトゥランファムはネオファムにおいて換装が必要だった部分をワンコンポーネント的に済ませてあって、余計なものを外すことで地上向けに対応できる。そこらへんに宇宙/地上の重さが逆転している理由が大きくあるのではないかと。ネオファムは基本として装備を載せていく仕様なのでどうしても重量増になりますよね」

 

「トゥランファムは基本的にシーリング込みの作りで、ネオファムはシーリング装備を新たにプラスしていく方式というわけですね」

 

「他にオプションでちょっと考えたのが、脚底の保護カバー。例えば自衛隊員が迷彩服で土足厳禁の場所に入る場合などは靴を脱がずにカバーをはめるんですよ。戦車も公道を走る場合には履帯にゴムを付けます。そのような感じで、地上では人がスリッパを履き替える様に足裏の交換とかがあるのかもしれません」

 

「表面上ではわかりにくいですが、脚底のトレッドパターンなどは地上での活動に特化した形状になっているでしょうね」

 

「バイファムの世界ってRVとポッドはもちろん、ウェアパペットとパペットファイターの関係もそうですし、なるべくシンプルかつミニマムな共通コア部を軸に、その場に合わせたボディ的な物を用意……みたいな運用コンセプトだと思いますね。基本は状況に合わせた装備のアップデートを重ねながら大なり小なりテクノロジーを進化させていくと」

 

以上、ネオファム考証後編をお届けいたしました。次回はいよいよRVバリエーション企画がスタートいたします! 今回語られていたアイデアのいくつかも、ヒントとして今後の展開に繋げられていくかも?

 


 

さて、以下は最新情報! 去る2月7日に開催されたワンダーフェスティバル2016冬の電撃ホビーウェブブースにて、ただいま魂ウェブ商店にて好評予約受付中となるROBOT魂〈SIDE RV〉ネオファムの彩色試作品が展示されました。ケース内には先月発売となったバイファム〈ツインムーバー装備)と編隊を組む状態でディスプレイされ、熱い注目を集めていました。実際に見たという人も多いのでは? ぜひバイファムと揃えて、写真のように並べて楽しんでいただければ幸いです! もちろんロボラボおよび電撃ホビーウェブでもフォローしてきますのでご期待ください!

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<ROBOT魂担当コメント>
皆様こんにちは! オカモトです。
先日のワンダーフェスティバル2016冬では、ネオファムとバイファム(ツインムーバー装備)を電撃ホビーウェブさんのブースに展示いたしました。
劇中でもよく見られるこのツーショット、やはりこの並び様は画になりますね!


今回の記事を読みながら、展示から戻ってきた彩色試作を触っております。
バイファムは試作を踏まえて、あの優れたヒジ可動がすんなりと盛り込めましたが、ネオファムはシンプルな形状の前腕がゆえに可動を仕込むのが難しいアイテムでした。ロボラボの考察よりいただいたアイデアや監修結果を取り入れまして、記事中のイラストの様に、前腕をしっかり曲げるために「引出し・ロール可動」が入っています。

これによりアクションポーズ参考設定画のような、自然なポーズを取ることが可能です。

 

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ロボラボの皆様の考察が形になった仕様ですね。是非製品で触って確かめていただきたいです。

工場サンプルが到着次第、より製品に近づいた仕様の可動や造形をご紹介します!
続報をお待ちください!


 

次回「電撃ロボラボPLUS」は、2016年2月26日更新予定です!

 

関連情報

ROBOT魂 <SIDE RV> バイファム(ツインムーバー装備)|魂ウェブ
魂ウェブ
魂ウェブ商店|プレミアムバンダイ

 

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