蘇ったらエラいこっちゃ系ホラー映画最強進化版『ラザロ・エフェクト』

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死者を復活させるという映画は、古典的なものから様々に作られてきましたが、見る側にも作る側にも魅力的な題材のようです。そんなテーマを、今回新たに『パラノーマル・アクティビティ』などを送り出した製作会社とドキュメンタリー作品で広く知られる監督が組んで作り上げました。蘇った死者がよからぬ存在に変貌を遂げているというのはホラー物では常ですが、本作ではその度合いがMAXになっているとか。コワいもの好きなら見逃せません!

※一部解説にネタバレを含んでます。

 

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ストーリー

「ラザロ計画」という医療研究を目的にしたチームの記録をするため、エヴァはとある研究所を訪れて撮影を開始する。そこにはフランク博士、その婚約者で研究者のゾーイ博士、助手のニコとグレイがいた。彼らの研究テーマとはつまり“死者の蘇り”。折しも白内障で安楽死させた犬の死体を使っての実験中だった。

 

実験はなかなかうまくいかなかったが、ある日、ゾーイが発見した“ラザロ血清”を投与することで死んだはずの犬が蘇生(しかも、白内障も治って!?)する。

実験の成功に喜ぶチームだったが、しばらくするとロッキーと名付けられたその犬の様子に不安がよぎる。果たして凶暴になってしまったロッキーを詳しく調べると、体内になくなっているはずの“ラザロ血清”が残留していると判明する。

 

しかし、蘇生実験に成功したことを知った製薬会社は、彼らから成果を取り上げるためにチームを解散すると言い出した。しかし、実験途中のフランク博士たちは、自分たちに研究の権利があるという証拠にするため再度実験を試みる。

 

ところが、その最中に悲劇が起こってしまう。ゾーイ博士が感電死するという事故が起こってしまったのだ。

悲嘆に暮れるチームの面々。しかし、フランク博士は、愛する人を救うため “ラザロ血清”をゾーイ博士の身体に投与してしまう……!!

 

取り返しのつかない、大きな代償に見舞われることになることも知らずに……。

 

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解説

『パラノーマル・アクティビティ』『インシディアス』を製作したプラムハウス・プロダクションと、『二郎は鮨の夢を見る』で世界の絶賛を浴びたドキュメンタリー映画の名手デヴィッド・ゲルブがタッグを組み、新時代のホラーを誕生させた。

 

“ラザロ”というのは「ラザロ徴候」という医学用語。脳死患者が手足などを動かす現象のことで、もともとは『新約聖書』の、イエスが4日前に埋葬された聖人ラザロを復活させたという記述から名付けられた。つまり「死人の蘇生」を意味する。

 

要するに今風な「フランケンシュタインの怪物」という感じ。もちろん、フランケンシュタイン博士も“怪物”を創りたかったわけではなく、結果として“怪物”になってしまっただけの話。本作もけっして“怪物”を創りたいために研究していたわけではないが、結果として“怪物”よりも恐ろしい存在が誕生したということなのだ。

 

どのくらいこの“怪物”が恐ろしいかというと、まずフランケンの怪物並みに力が強いのは無論だが、『パラノーマル~』製作者プレゼンツならではの超常現象付きなのだ。

 

しかも、ゾーイ博士は頭が良い。当然、この復活ゾーイ博士も超賢い!!

 

とりあえず、刃向っても無駄なのだ。しかし、それでは話が終わってしまう。生き残った人々は、とにかくあがき続ける。

 

復活のメカニズム事態は“解明”しているわけなので、その逆を行けば良い。かくして、生き残っている方々は、この無謀なチャレンジに奮闘するはめになるのだ。

 

ところが、この復活ゾーイ博士だけど、けっして“別な存在”になってしまったわけではない。とりあえず、死ぬ前の記憶もあるし、フランク博士への“愛”だって失ってはいない。ただ、「ラザロ血清」のせいで、ちょっと別世界に逝ってしまっているだけ。

このあたりの演出が実に巧み。逆に必死に婚約者を復活させようとするフランク博士のほうが狂気のマッド・サイエンティストにしか見えない。

 

可哀そうなのは、“たまたま”撮影に来てしまったエヴァちゃん。こんな恐ろしい体験をするはめになって、ひたすらパニくる……かと思いきや、意外な活躍!? ひょっとしたら、ヒロインはこっち? と思わせぶりな展開もなかなかの見せ場。

とにかく二重三重に張り巡らされたどんでん返しに要注目な作品だ。

 

03怪しげな表情のゾーイ博士。生き返ったのだが、中の人は本当にゾーイなのか……!? いつもどおりなゾーイから、ひとりになるとこの表情なのだ。なにやら不穏な空気が流れるワンシーンだ。演じるのは『カウボーイ&エイリアン』や『トロン:レガシー』にも出演していたオリヴィア・ワイルド。2面性のある人外な役どころを巧みに演じきった。

 

04左からフランク博士、ニコ、クレイ、そしてエヴァちゃん。このエヴァちゃん役のサラ・ボルジャーは、痛快スパイアクション映画『アレックス・ライダー』で主人公のクラスメイト・サビーナを演じていたのでマニアは要チェック。

 

05復活ゾーイ博士がエヴァちゃんを吹き飛ばすの図。力が強いというか、霊力が強いというか、貞子的に強いというか。『パラノーマル~』系の表現は、ほとんど引きずり込む式だけど、それを逆の力で使うとこうなったという感じ。

 

06お亡くなりになったゾーイ博士に「ラザロ血清」を打つ。頭に直接針を差すシーンは、とにかく痛そう。そんなに簡単に刺したらだめだろうと言いたくなる。

 

07“復活”したばかりのゾーイ博士を気遣うフランク博士。どう考えてもダメだろうという表情のゾーイ博士と、とにかく生き返って良かったと無責任に喜ぶフランク博士。

 

08ゾーイ博士から隠れていろいろ画策するフランク博士とエヴァちゃん。いや、声出さないくらいで見つからないなんて保証はないだろうとツッコミ入れたくなる名シーンだ。

 

09エヴァちゃん! 後ろ後ろ!! と声を掛けてあげましょう。蘇りゾーイ博士には地球の重力さえ関係なくなってしまったのだろうか!? ちなみに、ちょっとだけ続編を匂わすエンディングなので、そのあたりも解明してほしいものなのだ。そして、当然、続編があれば、“今度は戦争だ!”のはず(爆笑)。

 

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DATA

ラザロ・エフェクト

  • 監督:デヴィッド・ゲルブ/製作:ジェイソン・ブラム/出演:マーク・デュプラス、オリヴィア・ワイルド、ドナルド・グローヴァー、エヴァン・ピーターズ、サラ・ボルジャー、ほか
  • 配給:クロックワークス
  • 上映時間:83分
  • 6月11日より全国ロードショー

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