素組みでガンプラ!ミキシングビルドのすすめ 初級【前編】

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超基本からちょっとしたワザまで、ガンプラを素組みで作る“コツ”を、プロモデラー・桜井信之氏が指南する本コーナー。

 

今回は『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』MSDの「ザク・ハーフキャノン」を使用して、簡単なミキシングビルドに挑戦してみましょう。

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近年、とくにガンプラ界でミキシングビルドという言葉は、同一規格の関節接合部を利用して手や脚などを丸ごと交換し、好みのオリジナル機体を製作する際に使用されることが多いです。しかし、本来ミキシングビルドとは各種メーカーから発売されている同一機体(車体)などの優れたパーツを組み合わせて、ベストプロポーションに仕上げる手法を指します。

 

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キャラクターモデルの場合、複数のメーカーから同じキャラクターが発売されることはほとんどないのでこの方法は使えません。しかし、ガンプラくらいの人気シリーズになると“○○版”や“Ver.○○”などの名称で同一機種が発売されているので、好みの形状を組み合わせて、自分が考えるベストな機体を製作できます。

 

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さて、ではザク・ハーフキャノンと何を組み合わせてミキシングビルドをするかというと、今回は初級編ということで、旧キットの「ザク・マインレイヤー」を使用して現代風のザク・マインレイヤーを製作してみましょう。

 

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発売から35年が経過したキットで、最新のキットと比べるとガンプラの進化が手に取るようにわかります。しかしこの旧キットも味わいがあり、僕にとってはとても愛着のあるキット。仮組みして眺めていると、まるで学生時代の友人に出逢ったような気持ちになります。

 

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使用するのは機雷散布ポッドと呼ばれる大型のバックパック。写真が機雷散布ポッドのすべてのパーツです。旧キットのためポリキャップも使用されておらず、すべてのパーツが接着剤を用いて組み立てる仕様。

 

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スナップフィットでないだけでなく、合わせ目部分もブロックの中央部に大胆に設定してあります。基本ブロックと左右のバーニアブロックには合わせ目が出るので、まずは丁寧にこのライン消し。

 

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両面テープや瞬間接着剤の点止めで仮組みをします。この機雷散布ポッドを背中に取り付ければ基本的には終了なのですが、そう簡単にはいきません。背部への取り付けピンの位置と太さが異なるので、この部分をベースになるザク・ハーフキャノンに合わせる必要があります。

 

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まずは機雷散布ポッドの取り付けピンをカット。カットしたピンの代わりに使うのは、バンダイプラモデルのランナーです。写真は「1/20スコープドッグ」のものですが、バンダイプラモデルのランナーにはφ3ミリが多く採用されています。

 

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その後、ザク・ハーフキャノンのパーツを参考に取り付けピンの位置にアタリを書きます。そのあとにφ3ミリのドリルで穴を2カ所開けましょう。

 

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開口した穴にランナーのストレートの部分を差し込みカット。ザク・ハーフキャノンのバックパック取り付けピンも同じφ3ミリなので、プラ棒などを使わなくてもプラモデルのランナーを使用すれば十分です。

 

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実際に取り付けてみましょう。サイズ的にはバッチリです! 上から見てみても機雷散布ポッド・背中側の左右の折れ角もザクの背部とマッチしているので問題ありません。

 

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正面から見るとわかりませんが(笑)、後ろから見た姿はこれだけの作業で雰囲気良好。本来ザク・マインレイヤーは宇宙用装備なので緑の成形色の「C型/C-5型」を使うべきなのですが、ちょっと思うところがあってサンドカラーのザク・ハーフキャノンを使用します。これについては後編で説明します。

 

では、まずは改造工作から。ザクは機体各部の違いでJ型・F型(C型/C-5型)を再現しているのですが、ここは成形色優先でいきます。

 

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胴体前方からバックパックに伸びている動力パイプは「C型/C-5型」とも形状が異なっているのですが、どちらにしても機雷散布ポッドに取り付ける場合は加工が必要。とはいっても先端をカットすればOKです。より取り付けやすくするのであれば、機雷散布ポッド側の穴を若干大きくしたほうがいいかもしれません。

 

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キットに付属の動力パイプを使用してもいいのですが、ザク・マインレイヤーの頭部のパイプは右側が機雷散布ポッドに接続されています。付属品だと長さが足りないうえ、軟質樹脂の加工・接着は至難の業なので、以前ハイザックを製作したときに紹介した、ビルダーズパーツHDの「1/144MSパイプ01」を使用することに。

 

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付属の軸パーツにセロテープを巻き、軸径を少し太らせます。これを利用して左右からパイプパーツに通し、プチプチと外していきます。ここはタッチゲートになっているので、ニッパーを使わずに取り外すことが可能。

 

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この状態でサンドペーパーを使い、パーティングラインとゲート跡の処理。ヤスリがけの最中にパイプパーツが回転しないように、軸パーツを太らせたわけです。

 

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付属の軸パーツを使ってもいいのですが、今回は動力パイプに複雑なうねりを加えるので、同じ太さのリード線を使用。

 

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リード線はビニール製の絶縁体の中に金属線が入っているので、自由に形状を変えられます。とくに頭部から機雷散布ポッドに伸びるパイプは首の可動にも当たる必要があるので、リード線を利用したほうがいいでしょう。長さは通常の頭部パイプの2.5倍程度で作るとグッド。

 

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次は機雷散布ポッドのバーニアです。さすがに35年の時間を感じるモールドなので、現代風にアップデートしましょう。このような部分を最新パーツに交換するだけで、旧キットと最新キットのディテール的なフィッティングもよくなります。

 

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使用したのはやはりビルダーズパーツHDです。バーニアには1/144スケールのものが発売されていないので、「1/100MSバーニア01」を使用。

 

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最大の問題は成形色です。合わせ目消しもしたのでさすがに成形色のままではいけません。そこでサーフェイサーを使いわけてグレー2色を再現。サーフェイサーはエアゾール式の缶に入っていますが、通常の塗料と比べると格段に塗布しやすいスプレーです。よほどのことがない限りタレることもないので、サフの色を活用。ライトグレーの部分はGSIクレオスの「1500番サーフェイサー」です。

 

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ダークグレーの部分はソフト99の「ボデーペン・プラサフ」。このサーフェイサーは金属用なのですがガレージキットの製作にはおなじみのものです。金属用なのでプラの上から直接吹くと溶ける可能性もあるのですが、一度プラモデル用のサフを吹き(今回は先ほどの「1500番サーフェイサー」)、その上から吹き付ければ問題ありません。

 

87 88乾燥後にスミ入れやウォッシングを施せば、とてもサーフェイサーには見えない色味に仕上がります。

 

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本来、機雷散布ポッド左右のタンクはライトグレーの配色なのですが、実際に吹いてみたところ色味的にミスマッチだったので、後方のルーバー2カ所と下部から見え隠れする機雷(マイン)のみライトグレーにしてみました。バーニアもディテールアップしているので、いい感じに完成。

 

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さて、これで機雷散布ポッドの製作・着色と動力パイプの製作が終わりました。いよいよザク本体に取り付ければ完成なのですが、その前に本体の色味を調製していきます。それはまた次回説明しますのでお楽しみに。

 

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