素組みでガンプラ! 【基礎】ツヤ消しのススメ 後編

更新日:2016年12月28日 12:04

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超基本からちょっとしたワザまで、ガンプラを素組みで作る“コツ”を、プロモデラー・桜井信之氏が指南する本コーナー。

 

今回も前回に続き、「ツヤ消し」についてお届けします。(⇒前編はコチラ

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▲HG MS-09 ドム/MS-09R リック・ドム

 

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1 これは〈つや消しスプレー〉をよく振らなかったり、スプレーを吹き付けすぎたときに起こる現象です。ツヤは確かに消えていますが、ツヤ消し剤の粒子が目立ってしまい、凍らせて霜が付いたような状態になっています。これでは美しいツヤ消しとはいえません。

 

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2 溶剤でツヤ消し剤を完全に落としてから、再度〈つや消しスプレー〉を吹くのも方法のひとつですが、もっと手軽な方法があります。前編で説明したツヤ消しグラスを思い出してください。表面が凹凸のツヤ消しガラスの上から、透明で光沢のあるセロファンテープを貼るとツヤ・透明度が戻る現象を利用すればいいのです。方法は〈クリアー(光沢)スプレー〉を上から吹き付ければOK。もっとも理想的なのは溶剤に少しクリアーを混ぜたものを全体に吹き付けれる方法。ツヤ消し剤の凹凸は溶け、フラットな表面に戻すことができます。

 

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3 これはドムの胴体・頭部に〈つや消しスプレー〉を吹いた状態です。黒もキレイにツヤが消え、全体的にしっとりとした印象に仕上がっていて、成功したように見えます。しかし、胴体を可動させてみると、ツヤが消えていない場所が現れます。これは可動部が重なり合った状態で〈つや消しスプレー〉を吹いたため、隠れていた部分にスプレーの粒子が届いていないことが原因です。この場合、隠れていた場所を露出させて、再度〈つや消しスプレー〉を吹き付けてください。

 

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4 胴体・頭部の場合、写真くらいに分割して、それぞれ〈つや消しスプレー〉を吹くのが理想的でしょう。特に左右のスカートは取り外して、別々にスプレーするとスカート内部にまでスプレー粒子が行き渡るのでオススメです。

 

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5 最後に、〈つや消しスプレー〉を吹いてはいけない場所があります。それは透明パーツです。これは透明のゴーグルに〈つや消しスプレー〉を吹いた状態です。ツヤが消えると同時に透明度まで失われてしまうので、原則的に透明パーツに〈つや消しスプレー〉を吹くのは控えましょう。

 

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6 もうひとつ、メタリックパーツにも〈つや消しスプレー〉を使用するのは避けましょう。写真はエアブラシのテールキャップです。クロームメッキが施されてピカピカに輝いていますが、これに〈つや消しスプレー〉を吹くと、ツヤが消えると同時に輝きも失われてしまいます。また、シルバーの場合はグレーに、ゴールドの場合は黄土色に変色してしまいます。アルミのようなフラットな金属色を演出する場合は便利ですが、一般的な輝きのあるメタリックに〈つや消しスプレー〉を吹くのは避けたほうがいいです。

 

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■まとめ

今回は〈つや消しスプレー〉でツヤを統一するお話しでしたが、〈つや消し〉ではなく、〈光沢〉や〈半光沢〉をコートするのもいいでしょう。また、ツヤの統一は必ずしも行わなければいけない作業ではありません。そもそも、色はそれぞれ独自の光沢感を持っているので、ツヤが不揃いであるほうが自然と考えるのも正解です。全体は〈つや消し〉で、ワンポイントだけ輝いている仕上げ方も魅力的でしょう。作るアイテムに合わせて自由な発想でツヤをコントロールし、オリジナリティあふれる作品を作ってください。

 

 

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(C)創通・サンライズ

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