『ホイホイさん』シリーズ「ウサギア」(コトブキヤ)を簡単仕上げで作る<その1・組み立て編>

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文●ちいたわからし/編集●電撃ホビー編集部

 

『一撃殺虫!!ホイホイさんLEGACY』より作中の最新機器「DEAR GEAR(ディアギア)」シリーズの第一弾「ウサギア」がコトブキヤから発売。
商品化が発表されてから長らくファンの注目を集め、ついに登場となった本製品を、1/1スケールの「家電」ということを意識しつつ、簡単フィニッシュ作例としてちいたわからしが製作しました。

今回はその第1回をお届けします。

 

 

■モデラー:ちいたわからし……電撃ホビーマガジン2015年7月号ではフレームアームズ・ガール 轟雷の作例も担当した、フレームアームズ大好きモデラー。

 

■今回のお題:「ウサギア」

 

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一撃殺虫!!ホイホイさん LEGACY DG-001LN ウサギア コトブキヤ製品ページ

 

編集部:『FA』、『FA:G』と来ましたが、今回はウサギアです。

 

ちいた:おぉ! ホイホイさんシリーズと言えば、コトブキヤさんの美少女系プラモデルの先駆けですね。
誌面時代も何度かホイホイさん系の作例は作っていたので嬉しいッス。

 

編集部:前回のスティレット作例で行った「成型色活かし」が中々好評だったので、同じ方向性で仕上げてもらいたいと思います。

 

■「フレームアームズ・ガール スティレット」(コトブキヤ)を作る<その2>
https://hobby.dengeki.com/news/125256/

 

ちいた:そうですね、SNSなどでもリアクションが多くもらえて嬉しかったですね。

 

編集部:やっぱり「エアブラシを使わない」というのは、一気にハードルが下がるんでしょうね。

 

ちいた:昨今は成型色的に全塗装までしなくても充分なキットも多いですからね。
美少女系のプラモデルは肌の色などに特にこだわりがなければ、成型色のほうがプラの透け感が活かせて綺麗に仕上がりますし。

 

編集部:肌の透け感?

 

ちいた:ほら、「手の平を太陽に~透かして見れば~ふんふんふん~♪」現象ですよ。
肌って透けるので、完成品フィギュアとかはクリアカラーで仕上げたりして柔らかい印象に仕上げるんですよ。

 

編集部:あぁ、昨今のフィギュアが塗装ではなく、成型色メインになってるのはそういった理由もあるんですね。

 

ちいた:単純に、塗装工程がなければコストダウンにもなりますし。

 

 

■製作

 

 

編集部:さて、そろそろ作っていきましょう。

 

ちいた:はい。冒頭で既に完成画像をお見せしましたので、まずはパチ組みした状態から。

 

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編集部:キットをそのまま組んだ状態ですね。
細かい箇所はともかくイメージに近い仕上がり。

 

ちいた:先程「透け感」の話をしましたがウサギアの髪は半透明で成型されてます。
分かりやすく光に照らしてみました。

 

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編集部:さっきの肌に関しては透けの意味もわかりますが、髪の毛が透けるのはどういう意図があるんですか?

 

ちいた:ホイホイさんシリーズは今となってはプラモデルがメジャーですが、設定ではドールがモチーフになっていて、髪の毛も植毛なんです。
ウサギアは銀髪(白髪?)なので明るい髪特有の透け感を表現してるのだと思います。

 

編集部:なるほど。
ちなみに組み立て時に気をつけることなどありますか?

 

ちいた:武器がアンダーゲートで成型されてるので、「丁寧に処理しましょう」ってことくらいですかね。
超初歩的なことではありますが、解説していきましょう。

 

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ちいた:ネックイーター(武器)の刃先ですね。
表にゲートがあると切り跡が目立つところ。

 

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ちいた:ニッパーで切り出した状態です。
このまま組み立てると……

 

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ちいた:このように、干渉してしっかり組み立てられません。

 

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ちいた:そのため、凸部分を丁寧に切り取ります。

 

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ちいた:画像ではニッパーだけで処理してますが、それだけでは微妙にゲートが残って噛み合わないこともあるので、周りと並行になるようデザインナイフで丁寧に処理していきます。

 

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ちいた:これでしっかり閉じれるようになりました。

 

編集部:普通に切り出すより一手間かかりますが、今回のように成型色活かしで仕上げる際は嬉しい配慮ですね。

 

ちいた:さて次は工作部分の解説です。
合わせ目が気になる部分を接着処理していきます。
パーティングラインの消し方や基本的な継ぎ目の消し方は、前回のスティレット記事を参照していただきたく。

 

編集部:コレの中盤からですね。
同じ美少女系のプラモデルだから参考にしやすいかもしれません。

 

●「フレームアームズ・ガール スティレット」(コトブキヤ)を作る<その1>
https://hobby.dengeki.com/news/119852/

 

ちいた:大体同じような感じですが、一部気になるところを紹介していきますね。
まず手首から。

 

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ちいた:前の記事ではプラは溶剤系接着剤、ABSは瞬間接着パテで接着してますが、ウサギアの手首は曲面が多いせいか合わせ目に隙間が大きめに出ます。

 

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ちいた:溶剤系接着剤だけでは隙間が埋められないので、パテで接着して隙間埋めも兼ねています。

 

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ちいた:この手首はボールジョイントで可動時に負荷がかかるので、赤○の部分には溶剤系接着剤を塗ってしっかり接着します。

 

編集部:衝撃に弱いと言われる瞬間接着剤に、溶剤系で軸を接着することで補強するんですね。

 

ちいた:そのほか、瞬間接着パテで継ぎ目消ししたパーツの画像を置いておきますね。

 

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ちいた:髪の毛や肌部分は透明な瞬間クリアパテR(ガイアノーツ)で、後で黒く塗る部分には記事として見やすいようにWAVE製の黒い瞬着を使用しました。
次は後ハメ加工について。

 

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ちいた:首はパーツ間に入る首輪部分の軸を切取り、継ぎ目を消したあとに装着できるように加工。

 

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ちいた:腕部は挟み込み箇所が多いので、取り回しが楽になるよう下腕のみ軸を削って後ハメ加工しました。

 

編集部:さっきからあんまり目立つ箇所じゃないですね。

 

ちいた:そうですね。
細かい箇所にはなりますが、普通に塗装する際にも役立つ箇所だと思うので、参考程度にしていただければと思います。

 

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ちいた:後ハメが難しそうな箇所は各パーツのパーティングラインを処理して接着処理します。
さて、次は今回一番気になった部分、スネです。

 

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ちいた:画像は背面ですが、パーツの中央に継ぎ目があります。
消したいところですが、モモ、足首、カカトのタイヤと挟み込むパーツが多く処理がしにくい箇所です。
幸いなことにウサギアのスネには正面に2本のラインがあるので、「本物はここが分割位置なんじゃないかな?」という想定で分割位置を変更します。

 

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ちいた:背面にノギスでスジボリを追加します。

 

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ちいた:片側のみエッチングノコで切り離します。
真ん中のピンは残してあるので、切り離した後もそのまま組立てることができます。

 

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ちいた:分割位置を片側に寄せたことで、元々あった中央の継ぎ目を消すことができました。これで先ほどのノギスで追加したスジボリと併せて、自然なラインになりました。

 

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ちいた:パーツを組込んだ状態。大分作業性が上がりました。

 

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ちいた:こちらが溶剤系接着剤のみで接着したパーツです。

 

編集部:これで全パーツ処理終了ですかね?

 

ちいた:終了でも良いんですが、ちょっと気になる部分があるので解説をします。

 

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ちいた:肩やスネなど各部にある丸いモールドですね。
型の都合で浅い部分があったり墨入れが流れにくそうな箇所があるので彫直しました。

 

編集部:左が彫直し前、右が彫直し後ですね。
たしかに右の方がクッキリしていて彫直し前は浅いのがわかりますね。

 

ちいた:相変わらず地味な箇所ですが、工程ごとに動画を撮ってみました。

 

 

 

ちいた:上の工程を経て、次の画像がパーツ状態で墨入れした状態です。

 

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編集部:地味な加工こそ動画撮影して分かりやすく伝えようという試みは評価できるんですが、もうちょっとピントをですね。

 

ちいた:いやぁ、スマホのカメラを眼前に置いて作業してるんですが、気がつくとズレてるんですよね……。

 

編集部:キレイに撮影できるまでやり直してくださいよ……。

 

ちいた:きちんとした動画が欲しければ高性能ウェアラブルカメラを奢ってください!

 

編集部:頑張って自分の原稿料で買ってください(冷ややかな目)。

 

ちいた:さて、これで今回の作業は終了デス。

 

編集部:最後に整形を終えた塗装前の状態を見てみましょう。

 

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編集部:毎度似たようなコメントしてる気がしますが、ツヤが消えていることでシャープな印象になりましたね。

 

ちいた:成型色活かしにするとはいえ、延長などの形を変える工作をしていないので、塗装無しだとどうしても地味ではありますね。

 

編集部:ここまで商品仕様に関して説明してないので、次回に向けていくつか紹介して終わりにしましょう。

 

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編集部:腕部、脚部は差替でブレード展開状態が再現できます。

 

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ちいた:シリーズ特有のUSBジョイント部分ですが、カバーを差替えで開いてジョイント接続用パーツと繋げることができます。

 

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編集部:武装はネックイーターが二振り付属。
視線変更用フェイスパーツが付属し、差替えで左右への視線を変えることができます。

 

ちいた:無表情で害虫を駆除するシュールさも特徴のホイホイさんシリーズですが、視線変更だけでも色々な表情がついてプレイバリューが広がります。

 

編集部:そのほかにもモデリングサポートグッズ(M.S.G)各種を装備できるジョイントパーツが付属します。

 

ちいた:毎度初回はパーツ整形と後ハメの話になりますね。

 

編集部:前回の『FA:G』はそこから全5回とはいえ相当期間がかかりしたからね。
今回は完成品塗装も先に済ませてますのでチャッチャとやりましょう。

 

ちいた:ちなみにこの原稿書いているのがWF前でしてね。
さすがに今回は2月中に完成までアップできるスケジュールですよ。

 

編集部:なるほど、それなら安心ですね。

 

 

~~~1ヵ月後~~~

 

 

ちいた:あの……編集部氏? わたし随分前に原稿上げきりましたよね? なんで3月になっちゃってるんです?

 

編集部:どうしてこうなった……まさかスケジュール通りに上げてくるとは思わなかったんじゃ……。

 

ちいた:おいっ!

 

編集部:<その2・塗装&完成編>は近日公開予定デスッ☆

 

 

<DATA>

一撃殺虫!!ホイホイさん LEGACY DG-001LN ウサギア
■1/1スケールプラモデル

■全高:約135ミリ

■価格:4,500円(税抜)

■原型製作:清水康智、糸山雄大

■発売中

■発売元:コトブキヤ

 

<関連情報>

(C)2016 田中久仁彦

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