「ギガンティックアームズ01 パワードガーディアン」(コトブキヤ)をFAガールを乗せて仕上げる<その4>

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製作・文●ちいたわからし/編集●電撃ホビー編集部

コトブキヤより発売されているモデラー御用達様々なサポートグッズ「モデリングサポートグッズ(M.S.G)」より、新たに登場した「ギガンティックアームズ」。
その第一弾「パワードガーディアン」作例記事の4回目は、『FAガール』迅雷 Indigo Ver.を含むパワードガーディアンの工作を終え、塗装工程に入っていきます。

 

第1回:「ギガンティックアームズ01 パワードガーディアン」(コトブキヤ)をFAガールを乗せて仕上げる<その1>

第2回:「ギガンティックアームズ01 パワードガーディアン」(コトブキヤ)をFAガールを乗せて仕上げる<その2>

第3回:「ギガンティックアームズ01 パワードガーディアン」(コトブキヤ)をFAガールを乗せて仕上げる<その3>

 

 

ちいた:さて、まずはこの画像を見ていただきましょうか。

 

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ちいた:ホレ、パワードガーディアン+急に増えた迅雷ちゃんでこれだけのパーツ量になりましたよ。

 

編集部:ほう、やはり大型キット+『FAガール』ともなりますと結構なパーツ量になりますね♪

 

ちいた:「なりますね♪」じゃないよ! 察しなさいよ!!
この状態から超音波洗浄機&中性洗剤で洗浄し、塗装できる状態にしていきます。

 

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編集部:おぉ、よくこんな量のクリップ持ってますね。

 

ちいた:注目するのソコかよ!

昔はこのくらいの量のクリップ使用する作例が多かったので、懐かしい気持ちになりました……。

 

編集部:初心に戻れたでしょ? 感謝なさい。

 

ちいた:ぐぬぬ、これ以上話しても不毛なので作業説明に入ります。
今回はミリタリー色強めの仕上がりにしたかったので、「シリコーンバリアー剥がし」という手法を使用して塗装していきます。

 

編集部:雑誌時代に何回か紹介されてましたね。

 

ちいた:誌面スペースの制約もないので、じっくり解説しますね。

 

 

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ちいた:複製のときに使うシリコン同士がくっつかないようにする離型剤を使用します。

 

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ちいた:迅雷ちゃんの腿装甲パーツです。まずは黒いサフ、その後にシルバーを塗って下地の色を作ります。

その上からシリコーンバリアーをエアブラシで薄く塗布し、通常通り塗装していきます。

 

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ちいた:塗装後、コシの柔らかい真鍮ブラシで角を中心に塗料を剥がしていきます。

 

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ちいた:剥がし終えた状態です。
表面の塗料が剥がれて下地の銀が出ています。

 

編集部:工程説明では分かりにくいところもあるかと思うので、図にしてみました。

 

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編集部:これはシリコーンバリアー込みで塗装した状態です。

 

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編集部:こうやって任意の場所の塗料を剥がしていきます。

 

ちいた:おぉ、こうやって図になると分かりやすいですね。
剥がす際は余計なところを剥がさないように注意です。
この状態だと、触っただけで表面の塗料が剥がれてしまうので、クリアーコートして保護します。

 

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ちいた:クリアーコートに限らず、バリアー層の上に塗料を2色以上重ねると剥がれにくくなるのです。
この特性を利用して、剥がれにくい箇所と剥がれやすい箇所を調整して塗装しています。

 

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ちいた:グラデーション塗装行い色の濃い箇所、薄い箇所が分かると思います。
グラデーションの図をつくると、次のようになります。

 

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ちいた:上中下と層を作ることで、剥がれる量を意図的にコントロールしていきました。

大事なのは、バリアー塗装は「2色目から剥がれにくくなる」ということです。

 

ちいた:さて、パワードガーディアン部分も塗っていきます。

 

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ちいた:シリコーンバリアー剥がし後は、マスキングテープ使用ができません。
クリアーコートである程度剥がれにくくなっているとはいえ、テープの粘着力に負けてしまうのです。
そのため、色分けしたいところは先に塗り分けて、バリアー剥がし前にマスキングしておきます。

 

編集部:ココも若干グラデーション塗装されてますね。

 

ちいた:今回はグラデーション塗装を多用しているので、動画で撮影してみました。

 

 

ちいた:面の中心に吹き付けて、そこからジワジワと色を広げていき、最後にブワっと全体に吹き付けて色の境目を目立たなくしています。

 

編集部:先程の迅雷ちゃんアーマーだと3色ですが、こちらは1色なんですね。

 

ちいた:装甲部分は陰影を強く重い雰囲気にしたかったので3色、フレームらしき部分は1色にして、“破損していない”もしくは“故障したらすぐ交換するので比較的綺麗”という表現を意識しています。

 

ちいた:マスキングを終えたら、またバリアー塗装の応用です。
先ほど説明したように2層目からは剥がしにくくなるので、今度は1層ごとにバリアーコートして剥がれて出る色をコントロールしていきます。

 

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ちいた:「黒サフ→バリアーコート→シルバー→剥がす」という工程を踏んだ状態です。

 

編集部:黒が見えたほうが重厚感がでますね。

 

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ちいた:さらに「バリアーコート→外装色グラデーション→剥がす」という工程を踏んだ状態。

 

編集部:迅雷ちゃんの装甲に比べて、重くて硬い雰囲気になりましたね。

 

ちいた:最下層に黒を吹くことで、「酸化した金属→最近塗装が剥がれた金属地→装甲色」という表現としています。

 

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ちいた:画像にすると、このような感じですね。

おさらいがてら、肩パーツを剥がす工程を画像&動画で紹介します。

 

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ちいた:まずは黒サフで下地作り。

 

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ちいた:バリアーコートして銀塗装。

 

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ちいた:再度バリアーコートして装甲色をグラデーション塗装。
乾燥したら下の動画の要領で剥がしていきます。

 

 

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ちいた:いい感じになったら艶消しクリアーでコートして終了です。
コレを装甲全体に施していきます。

 

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ちいた:パワードガーディアンの膝フレームです。
各所にシリンダー状のディティールが入っているので、金属色に筆で塗り分けていきます。

 

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編集部:動かないとはいえ、こういうパーツがしっかり塗られるとリアリティが出ますね。

 

ちいた:シリンダーカバーは金色とは限らないんですが「シリンダーだぞ!」と強調するには分かりやすい色だと思います。
パワードガーディアンはシリンダーっぽい箇所がいくつもあるので、各所塗り分けていきます。

 

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ちいた:全て筆塗りで塗りましたが、多少筆目が目立つ箇所があるのでクリアーコートして筆目を目立たなくします。

 

編集部:基本的には装甲で隠れている部分なので、あまり神経質にならなくても大丈夫でしょうね。

 

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ちいた:今回は装甲部分がほぼ単色なので、フレーム部分は細かく塗り分けて情報量を増しています。

 

 

ちいた:さて、次は迅雷ちゃんのボディに取りかかります。

 

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ちいた:クリアーカラーで着色するために、ホワイトを吹いて下地を作ります。

 

編集部:スティレットちゃん記事の5回目のときと同じ方法ですね。

 

「フレームアームズ・ガール スティレット」(コトブキヤ)を作る<その5>

 

ちいた:プラの透明感は活かしたいので、真っ白にし過ぎないように注意します。

 

編集部:こうやって見ると、成型色とあんまり変わらないようにも見えますね。

 

ちいた:比較してみましょう。

 

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編集部:怖いわ!

 

ちいた:でも、成型色と比べたことで目安が分かりやすいでしょう?

 

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ちいた:下地が塗り終わったら、頬の裏側など影になる部分から色を乗せていきます。

 

編集部:薄っすらで分かりにくいですね。

 

ちいた:また比較しますか?

 

編集部:いえ……、遠慮しておきます。

 

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ちいた:影色が終わったら全体に吹き付けていきます。
スティレットちゃんのときは少し肌が濃すぎた気がしたので、今回は成型色よりも濃くならないように薄めにしています。

 

編集部:あれ? 目のモールド部分が塗料で埋もれてません?

 

ちいた:おっと失礼。これは元々目のくぼみがない、ギガンティックアームズ01 パワードガーディアンに付属する「カスタマイズフェイスパーツ」です。

フラットな形状なので、塗装やデカールを貼り付ける練習にも最適です。

ということで……。

 

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ちいた:同じくパワードガーディアンに付属する『FAガール』用の表情デカールを使用して、瞳の位置を決めるためのちょっとしたコツをご紹介。

 

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ちいた:デカールを貼る位置に、あらかじめ水を乗せておきます。

 

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ちいた:とりあえずデカールを置いてみました。

 

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ちいた:先ほど置いた水滴が消えないうちに、一度髪パーツを置いてバランスを見ます。

 

編集部:明らかに右目の位置が上すぎますね……。

 

ちいた:ここではデカール内側に水分が残っていてまだ定着していないので、デカールを崩さないようにゆっくり移動させていきます。

 

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ちいた:位置を調整して、いい塩梅の位置になったら水分を抜いて定着させます。

 

編集部:髪パーツを使用することで、違和感の無い位置決めをしやすくするんですね。

 

ちいた:デカールは各瞳2セットずつ用意されているので、最初は失敗を恐れずに挑戦してみてください。

 

 

ちいた:次は髪パーツの塗装です。

 

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ちいた:顔と同じように下地を白く塗ります。

 

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ちいた:ちょっと暗めの色にしたいので、ガッツリ影色を書き込みます。

 

編集部:影の位置などは、市販の完成品フィギュアを参考にするといいかもしれませんね。

 

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ちいた:影が決まったら全体にクリアーパープルを塗って仕上げていきます。
とりあえず、ここまでの工程までで顔だけ組んでみました。

 

編集部:……顔白くないです?

 

ちいた:化粧前なので余計に白く見えるんだと思います。
次の回では頬紅などが付くので、きっと大丈夫です。

 

編集部:(きっと……。)

 

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ちいた:画像点数も多くなってきたので、そろそろ締めましょう。
迅雷ちゃんの目玉(?)クリアー手裏剣の塗装を行います。

 

編集部:今回も画像いっぱいありがとうございます。(棒)

 

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ちいた:クリアーのままでも悪くはないんですが、光波のようなエネルギーが発散してるようなイメージで塗っていきます。
まずは中心にホワイトをエアブラシで塗装。

 

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ちいた:その上から、中心部の白を残すようにクリアーイエローを塗っていきます。

 

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ちいた:最後にクリアーを吹いて完了です。

 

編集部:おや? 簡単に終わりましたね。

 

ちいた:実際に光ってるわけではないですが、光っているように見せる表現塗装ですね。
お手軽にできるのでオススメです。

 

編集部:今回はこれにて終了ですね。
次回はそろそろ完成回ということでよろしいか?

 

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ちいた:よろしいぞ! ご覧の通り、作例自体は概ね仕上がってます。次回は軽く汚し塗装の説明を行いながら、完成回としたいと思います。

 

編集部:お楽しみに!

 

 

 

<DATA>

ギガンティックアームズ01 パワードガーディアン

■NONスケール プラモデル
■全高:約260mm
■価格:4,800円(税抜)

■発売中

■設計:丸家 裕之介

■発売元:コトブキヤ

※実際の商品に「ギガンティックアームズ01 パワードガーディアン」以外の商品は付属しません。

 

ギガンティックアームズ02 ブリッツガンナー

■NONスケール プラモデル
■全高:約125mm
■価格:2,400円(税抜)

■発売日:2016年10月発売予定

■設計:丸家 裕之介

■発売元:コトブキヤ

※実際の商品に「ギガンティックアームズ02 ブリッツガンナー」以外の商品は付属しません。

 

ギガンティックアームズ03 ムーバブルクローラー

■NONスケール プラモデル
■全高:約200mm
■価格:2,400円(税抜)

■発売日:2016年10月発売予定

■設計:丸家 裕之介

■発売元:コトブキヤ

※実際の商品に「ギガンティックアームズ03 ムーバブルクローラー」以外の商品は付属しません。

 

フレームアームズ・ガール 迅雷 Indigo Ver.

■NONスケールプラスチックモデル

■全高:約150ミリ

■価格:4,300円(税抜)

■発売日:2016年10月発売予定

■原型製作:清水康智、桑村祐一

■発売元:コトブキヤ

 

<関連情報>

(C) KOTOBUKIYA

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