マジンガーやゲッターとの関連は?ダイナミック企画とのコラボ作品『猟界のゼーレン』制作陣座談会(前編)メカデザイナー柳瀬氏・海老川氏も参加!

更新日:2017年2月5日 20:50
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『猟界のゼーレン』トップページ

 

『猟界のゼーレン』は、電撃ホビーマガジンにて、2013年11月号より企画が開始された、オリジナルロボット企画です。現在は漫画単行本3巻が刊行されているほか、電撃ホビーウェブにて漫画、フォトストーリー、外伝小説『エウロパの涙』、ガレージキットを展開中! 今回は、本編がいよいよクライマックスに近づきつつあることを記念し、クリエイターの皆さんに企画の経緯やその思いを語っていただきます。
これまで『猟界のゼーレン』を読んでいなかった方も、ゼーレンの魅力が詰まったこの座談会を、ぜひご覧ください!

 

 

 

座談会参加者

早川正……本企画の構成、漫画原作、小説執筆を手がける。

曽我篤士……本企画の漫画を執筆。

柳瀬敬之……メカニックデザイナー。主にWSO側のメカニックデザインを担当する。

海老川兼武……メカニックデザイナーとして本企画に参加。主にレムリア側のメカニックデザインを手がける。

柳生圭太……合同会社ランペイジ代表兼原型師。プロモデラーとしても活躍する。本企画の立体物を作成。

永井一巨……ダイナミック企画取締役。本企画立案者のひとり。

栗原宏……不知火プロにて、本企画の立案や漫画編集などを行う。

吉川大郎……電撃ホビーマガジン編集部員としてスタート時に本企画のページ構成などを行う。現在はフリーライター/編集。

(聞き手:編集部)

※敬称略

 

 

『猟界のゼーレン』企画が立ち上がるまで

 

――まずは企画が開始された経緯からお話いただければと思います。当初はダイナミック企画さんとKADOKAWA(アスキー・メディアワークス)で、ロボット企画を行う……というところからスタートしたんですよね? ダイナミック企画の永井さんは、毎年電撃大賞の審査員をしていただいたご縁もありました。

 

永井:そうですね。その話を受けて、当時の電撃ホビーマガジン編集長の安蒜さんに、企画に入っていただきました。

 

我々(ダイナミック企画)がやるのであればスーパーロボットものかな? という話はあったのですが、「でも我々にとってもチャレンジにならないとやる意味がないよね」という話はしていました。そこで、明らかにスーパーロボットでは“ないもの”になるのであれば、ぜひご一緒したいと、3、4本企画を提示して、お話をさせていただいたんです。まだスタッフィングも決まっていませんでしたね。

 

吉川:編集部側は、2011年末に副編やデスクが安蒜編集長に集められて、ダイナミック企画さんと企画をスタートできるから、正月休み中にアイデアを考えておいてくれ、と言われたのが最初だと思います。

 

――2012年5月に早川さんの企画書ができていますね。

 

▲企画当初の、早川氏による企画書。A4用紙30枚におよび、企画主旨からストーリーまで、綿密に練られていました。

▲企画当初の、早川氏による企画書。A4用紙30枚におよび、企画主旨からストーリーまで、綿密に練られていました。

 

吉川:年明けからブレストを始めたと思います。

 

永井:その頃はまだ、漫画で企画を進めるかどうか、程度しか話をしていませんでした。早川さんにはお話をしていて、企画書自体は早川さんのほぼオリジナルですね。

 

我々は、マジンガーの世界観から逸脱したものを想起してくれそうなライターさんという意味合いで、最初のブレストが終わった後に早川さんにお声がけをしたんです。ちょうど『マジンカイザーSKL』という作品を早川さんとご一緒して終わった直後でした。

 

 

早川:このお話をいただいたときに、普通のものの見方をする組織と、インペリアル(帝国的)な組織があって……という話は出ていました。

 

 

吉川:合理的にものごとを決定していけば技術は発展するけれど、多くの人はそれだけではよしとしないだろう……みたいなお話がありましたね。

 

 

早川:さらにそこからはみ出した人々もいるだろうからということで、テロリストの話も出ました。そこで、3つの異なった集団をうまく取り入れていくという話が残ったんです。

 

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▲ゼーレンの世界を構成する要素。このほかに、テロリストも存在しています。

 

 

吉川:当時の編集部では、いろいろな集団が出てきたほうが、メカ的に幅ができて立体化したときも面白いのでは? という意図もあったようです。それから、マジンガーやゲッターは憧れだからやっぱり見たい! という話も(笑)

 

 

早川:いずれにせよ、立体化もあるのでミリタリー系の土壌は作らないといけないという話があり、電撃ホビーマガジンの連載だから、模型で戦場シリーズもあるはずだと思って、それが作りやすい設定という形で今のようになったんですね。

 

 

――意外と早く今の形になったのですね。

 

 

早川:どのあたりをリアルに持ってきて、あとはマジンガーの雰囲気をかもし出したりどの程度ふざけるのか? というバランスが決まれば、そのまま行けるな、という形にはなっていました。単語やネーミングは変わっていますが、それ以外はほとんど一緒ですね。

 

これまでとは違うマジンガーやゲッターシリーズの、財産としてのうまい使い方を意識しました。単にスーパーロボットが出てくるのではなく、世界観と密接に絡み合った状態で、独立世界として想定できるぎりぎりのラインですね。有名どころの作品を出しても「単に出しただけ」とはならないようにしています。

 

 

永井:そうですね。“超合金Z”や“ゲッター線”など設定になるものだけ活かして、新しく構築しましょうという話をしたと思います。

 

 

――そのあとすぐに、柳瀬さんのラフが上がってきているんですね。

 

 

吉川:ブレストの時に、当時の編集担当がメカニックデザイナーさんに相談してみる、と話をしていて。メカデザイナーさんには編集部からお声がけをするということになりました。

 

 

柳瀬:5月に打ち合わせに参加させていただいて、6月にラフを上げた記憶があります。

 

 

早川:最初は文章だけでお願いをしたら、このボスボロットが上がってきたという(笑)

 

 

柳瀬:文章だけだったので、Zeed-01はモチーフがなかったんです。「マジンガーやゲッターが出る予定だけれど、最初はオリジナルでいいです。ミリタリーテイストでちょっと小さめで、ジオラマも作りたい」という編集部の要望だったので、どうせならということでボスボロットみたいなものを提案させてもらったら、それが通りました(笑)。

 

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▲柳瀬氏による、最初期のZeed-01のラフ。

 

 

▲設定画としてフィックスしたZeed-01。

▲設定画としてフィックスしたZeed-01。

 

 

 

――それで、「新規IP企画」というタイトルの関係者向け企画書に落とし込まれたわけですね。タイトルもまだ違っています。

 

 

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▲当初の関係者向け企画書。

 

 

柳瀬:タイトルは、“オーダイバー”時代がありましたね(笑)。

 

海老川:私が参加した頃はオーダイバーだったんですよ。

 

吉川:ヴィーダケレンとオーダイバー時代がありました。

 

柳瀬:僕は「ホントにオーダイバーで行くのかなあと」(笑)。

 

永井:呼び慣れてきちゃってるけど大丈夫かなあと(笑)。

 

柳瀬:明らかにお台場を基地にしたほんわかロボットものっぽい(笑)。ゼーレンになって、ちょっとホッとしました(笑)。キャラデザインもその頃にお送りしていました。デザインは吉村健一郎さんですが、彼と少し前に別のお仕事でご一緒していたので、編集部に紹介したんです。

 

――曽我さんが入られたのはその後ですね。

 

栗原:曽我君がちょうど仕事が終わったタイミングで、編集部にいくつか候補をお見せしたときに曽我君がいいという話になりました。メカものだからスゴくたいへんだなあと思っていたのですが、曽我君は好きなネタなのでぜひと。また苦労するぞと思っていました(笑)。

 

曽我:それで初期の絵を描いた記憶があります。

 

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▲電撃ホビーマガジンに掲載された、曽我氏による予告ページ。

 

――電撃ホビーマガジンの2013年11月号にティザーが掲載されて、15周年号となる2014年1月号から連載開始になりました。漫画をWeb上で公開して、本誌には設定画や立体物を掲載するというスタイルでした。

 

永井:そうですね。連載開始は15周年記念号にしようという話でした。

 

吉川:連載開始時に誌面に掲載されている3Dデータは柳生さんが作成したものですね。すでに立体化は開始されていた。

 

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▲柳生圭太氏が作成した模型用の3Dデータ。

 

 

柳生:そうですね。これは2013年の夏くらいから作りはじめていました。

 

――その後、外伝的な小説となる『エウロパの涙』(現在電撃ホビーウェブにて全編公開中)が加わります。

 

早川:エウロパは1、2年経ってからですね。

 

栗原:早川さんが自動的に(笑)上げてきたんですよ確か。エウロパの掲載が始まる前に、すでに何回分かできあがっていて。本編の補足の意味もあったんでしょうね。漫画が休みになるタイミングで「そういえば小説があるじゃないか!」となって。それでエウロパも間に挟んでいきましょうとなりました。

 

早川:『エウロパの涙』は、本編の少し前の時代を描きました。同じ時間帯を描いてしまうと、後々本編との整合性で困ってしまうこともあるので。

 

企画がスタート
ゲッターやマジンガーは“匂わす程度”に

 

――こうして企画がスタートしたわけですが、当時はどのような印象でしたか?

 

柳瀬:電撃ホビーマガジン的には、模型を絡めたメカストーリー連載をやりたいのかな、という感じでした。

 

吉川:そういう認識があったと思います。

 

永井:我々は、普通にあるスーパーロボットではないところで仕上げていくという意図がありました。コンテンツの幅を広げていくいい勉強になるという発想ですね。当初はすぐにアニメ化みたいな(笑)、乱暴なこともいわれていたような。

 

海老川:メディア展開も予定されていたと?

 

柳瀬:コミックと誌面展開をするという話はされていましたね。

 

 

――デザインのお話をおうかがいしたいのですが、発注側としてはどのような指定を出したのですか?

 

早川:海老川さんも柳瀬さんも、もともと世界観を持っておられる方なので、何をお願いしてもかっこいいなと(笑)。マジンガー系とゲッター系にメカを分けたときに、その系列は意識していました。マジンガー系のWSOは実弾だったり、ゲッター系のレムリアはビームだったりといった形です。

 

柳瀬:銛状の「トグリングハープーン」など、武装については形や機能について指定がありました。

 

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▲Zeed-01がマシンビーストに使用する銛状の武器「トグリングハープーン」。

 

 

早川:それぞれ得意な戦法を決めて使っていくということが多かったですね。

 

永井:そうですね。「こういうシーンを描きたいから、お願いします」という言い方が多かったと思います。

 

早川:ノエデンでZeed-02が登場するときに(単行本第3巻)多弾頭ミサイルを撃ちますが、こういうシーンがあるからその兵器を作ってください、とか。

 

 

――柳瀬さんはWSO=マジンガー側、海老川さんはレムリア=ゲッター側ですね。

 

海老川:最初におうかがいしたときは、2つの対立集団があって、片方が私で片方が柳瀬さんが担当するということでした。ダイナミック企画さんとご一緒なので、私はゲッター側だけれども、WSOよりも一世代ちょっと高い技術を持った組織ということでした。最初は匂わす程度で、モロにゲッターロボではなくて、見たら「これ、ゲッターじゃないの?」みたいなことを感じさせるデザインにしてほしいというオーダーです。そこで最初にラフを持っていって、その中の方向性を見ていただきました。

 

 

柳瀬:「アードラー」は小型のイメージがありましたね。

 

 

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海老川:これはたぶん、柳瀬さんのZeed-01に合わせた頭身で、一緒に戦えるくらいのサイズというお話でした。頭はゲッターですけれども、いい案配を拾いたくてこういう形にしました。

 

柳瀬:分かってくれなかったことも多かったですね(笑)。

 

海老川:Zeed-01はみんな本当に分からなかったと思いますが、「アードラー」は色をゲッターにしたらゲッターになってしまうので、色のパワーってすごいなと改めて思いました。ただ、最初のラフではほかの色も塗ってみたのですが、WSOと被ってしまうというので、この色になりました。

 

 

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▲海老川氏によるアードラーのカラーリング検討案。“モロに”ゲッター1のイメージですね。

 

▲アードラーについては、ほかのカラーリングも検討されました。

▲アードラーについては、ほかのカラーリングも検討されました。

 

 

栗原:確か、Zeed-01のカラーリングサンプルでもボスボロットに塗ったものがあって、「あ、本物だ」と(笑)。

 

▲ボスボロットなカラーリングになったZeed-01。

▲ボスボロットなカラーリングになったZeed-01。

 

 

海老川:ですので、ほかのカラーリングで「アードラー」を出したら分からなかったかもしれないですね。ただ「ヤーグアール」はインパクト強かったみたいですね。

 

 

早川:ゲッター系は量産機としてしか出てこないから、読者のみなさんが“大きいもの”という観念があって、“丸太”じゃないゲッターを見て驚いた人も多かったと思います。海老川さんの「アードラー」、「ヤーグアール」、「ズーロン」は奇抜でしたね。

 

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柳瀬:異形系に飢えていたのかも(笑)。

 

海老川:そうかもしれない(笑)。

 

栗原:「ヤーグアール」にドリルが4本あって、編集会議でみんながざわめいた記憶があります。「あ、これだ!」っていう(笑)。

 

海老川:もうゲッター2にしか見えないというか、ドリルは決定打ですよね。WSOとの対比があったから、レムリア側は派手にできました。そこはうまくいったかなと思います。

 

柳瀬:立体映えもしましたしね。

 

海老川:特に商品化などもそれほど考えなくてもいいということで、サイズ比率も全然違うものになりました。

 

柳生:全部同じ大きさだと思って作っていたら「ヤーグアール」ってデカいの!?と(笑)。同じモチーフのパーツは同じ大きさかと思ったら全然違った(笑)。

 

▲電撃ホビーマガジンに掲載された、各マシンの大きさ比較図。

▲電撃ホビーマガジンに掲載された、各マシンの大きさ比較図。

 

 

早川:ズーロンなんてもう……。

 

永井:戦艦みたいなものですからねコレ。

 

 

――大きさは早川さんからの指定ですよね?

 

早川:そうです。「アードラー」と「ヤーグアール」は量産機ですが、ズーロンは量産ではありません。これは扱いが違うので大きくしてくださいとお願いしました。

 

栗原:「アードラー」達を何機入れているという数字がもうね。1機や2機ではないという。

 

一同 笑い

 

海老川:「アードラー」が3機×2、「ヤーグアール」が1機×2という感じです。そういえば、ゲッターやマジンガーがモチーフなのではないかとだんだん分かるようになってきたのは、ズーロンが登場したときですね。それまではダイナミック企画さんという名前をクレジットでしか気付いていない人が多かったと思います。

 

永井:ずーっと載せていたはずなのに(笑)。

 

 

『猟界のゼーレン』制作陣座談会(後編)に続く……

 

 

DATA

猟界のゼーレン

  • シナリオ・構成:早川正
  • 漫画:曽我篤士
  • 企画:電撃ホビーウェブ・ダイナミック企画
  • メカニックデザイン:柳瀬敬之・海老川兼武
  • デザインワークス:フヂロウ
  • キャラクターデザイン:吉村健一郎
  • 編集協力:不知火プロ

 

 

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DATA

電子書籍『猟界のゼーレン』(1)~(3)

  • 配信中
  • 価格:各570円(税別)
  • 出版社:KADOKAWA/アスキー・メディアワークス

※閲覧には、「BOOK☆WALKER」専用アプリに対応したiPhone/iPadまたはAndroid OS搭載端末(スマートフォン・タブレット)、PCが必要です。購入前に、お使いの端末で「BOOK☆WALKER」アプリをご利用いただけるかを無料書籍等で必ずご確認ください。
※各端末において事前に推奨環境等ををご確認ください。
※詳しくは「BOOK☆WALKER」の「はじめてのお客様」ページをご覧ください。

 

 

●『猟界のゼーレン』
舞台は、ある事件によって人口が5分の1に減少してしまった世界。人類は事件をきっかけに「W.S.O」という組織を設立し、各地に出現するようになった謎の生物・魔神獣(マシンビースト)と戦っている。

 

 

関連情報

 

 

 

 

(C)WSO


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