『ファイブスター物語<STAY GOLD>』発売から約20年…時間の彼方へと消え去ったMHを甦らせる!!【趣味でプラモデル】

更新日:2017年7月27日 14:15

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作品製作・製作文●桜井信之/編集●電撃ホビー編集部

電撃ホビーウェブ編集部員&モデラーたちによる趣味で作ったプラモデルを思い出と共に語るコーナー「趣味でプラモデル」! 積んでいたプラモや中古で見つけた珍しいキットなど、ロボット、ミリタリー、カーモデルなどなどジャンルを問わずに自由気ままに紹介していきますよ!

 

ここでは1986年から月刊ニュータイプで連載している漫画『ファイブスター物語(以下FSS)』より、単行本8巻に登場した「ナイト・オブ・ゴールド・A-T」をお届け! 他のロボット系プラモとはひと味もふた味も違った本キットを、電ホビにて多数の作例を手がけている桜井信之氏に語っていただきます。

 


#1箱目 ボークス 1/100 パトラクシェミラージュ GGI&MM

久々にFSSのキットを作ってみました。このキットは20年近く昔、ボークスから発売されていた「GGI&MM(グレート・ガレージ・インジェクション&メカニカル・ムービング)」シリーズで、その名の通りインジェクションキット……つまりプラモデルです。発売当時に購入し、少しずつ製作はしていたのですが完成せず、作りかけのキットはそのまま行方不明になってしまいました。先日ひょんなきっかけで数年ぶりに僕の中のFSS熱が再燃し、中古店で購入したキットを一気に仕上げることにしました。キットが発売された当時は“パトラクシェ・ミラージュ”と呼ばれていましたが、各種設定変更にともない、現在では「ナイト・オブ・ゴールド・A-T」が正式名称とされています。

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いつまでも朽ち果てない黄金のMH

現在はインジェクションキットのモーターヘッド(以下MH)も、各メーカーから1/100、1/144の両スケールで、かなりのラインナップが発売されています。MHの造形物といえば当時はレジン製キットが主流で、1/100レジンキットの相場は17,000~25,000円だったため安価なインジェクションキットの発売はたいへん喜ばしい出来事でした。

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現在ボークスが展開している「IMS」シリーズとは違い、初期のインジェクションキッ トのため、組み立てやすさなど現在の水準とは異なる部分も多いのも確かです。本キットはボークスが独自開発したMMユニットと呼ばれるポリキャップを組み込む設計で、ディテールと可動を両立したナイト・オブ・ゴールド(以下KOG)として、今も“黄金の輝き”を失っていないキットといえるでしょう。

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当時のFSSファンが飛びついた!安価で完璧なKOG

FSSガレージキット黎明期の1988年5月、ウェーブからFSS初のインジェクションキットとして1/100のKOGが発売されていました。このキットはインジェクションパーツ以外にも、ソフトビニール・ホワイトメタル・エッチングなどの各種パーツも使用する豪華な内容でしたが、FSS造形界に革命をもたらしたデザイン集『JOKER3100』(1989年発表)以前の資料を元に製作されたキットのため、現在のスタンダードとされているKOGとは細部の形状やディテールが異なっていました。そのタイミングで発売された本キットは“JOKER3100版 1/100スケール インジェクションキット”……そして、何より“安い! という条件を全て満たす内容だったため、「GGI&MM」のKOGに多くのFSSフリークが飛びつくこととなりました。

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本シリーズは今回製作した「PATRAQUSHIE MIRAGE KNIIGHT OF GOLD‐AT」(商品表記のまま)の他にも、「KOG OVER THE 7777  KNIIGHT OF GOLD LACHESIS」とバスターランチャーを装備した「KNIIGHT OF GOLD JOKER3100」が発売され、FSS-WORLD2000開催記念としてKOG2騎をセットした「GGI-Bset」も限定販売されました。しかし残念なことに現在は全て絶版とっており、最新技術を投入した「IMS」でKOGのキット化が待たれています。

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発売から約20年……今だからこそできる塗装

本キットが発売された当時(僕の記憶が正しければ、創刊から半年以内の号のはずです)友人モデラーの空山竜司君が作例を担当しており、「いい“金色”だなあ……」と思ったのが昨日のことのように思い出されます。

 

今回の“金”は2017年3月の『突撃!電ホビステーション』でご紹介したオリジナル調色の“青金”で塗装しました。発売から約20年。当時と比較するとメタリック系塗料の進化は革命的なものがあり、当時は不可能だったメタリック表現が可能となっています。

 

本キットをお持ちの方は今のタイミングで製作されるのがベストな時期かもしれません。MHを製作したのは2年ぶりでしたが、非常に楽しかったので、引き続き別アイテムを製作してみようと思っています。その際はまたここに掲載させていただきます。

 

 

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