素組みでガンプラ!AFVモデルの製作【後編】

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超基本からちょっとしたワザまで、ガンプラを素組みで作る“コツ”を、プロモデラー・桜井信之氏が指南する本コーナー。

 

前編ではAFVモデルの醍醐味である脚まわりの組み立てと、EXモデル特有のディテールの強調を行いましたが、後編ではさらにこのディテールを際立たせる塗装をしていきます。

 

※バックナンバーもあわせてご覧ください。

 

77 78スミ入れは凹部のディテールを強調させる技法ですが、今回は凸部のディテールを強調するために、ドライブラシを行っていきましょう。

 

104_106用意したのは、ダークグリーンの車両用にMr.カラー52番「フィールドグレー(2)」。デザートカラーの車両用には、19番「サンディブラウン」です。どちらも成形色に近い色です。これに加えて62番「つや消しホワイト」も用意しておきましょう。

 

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98まずは「フィールドグレー(2)」に「つや消しホワイト」を加え、明度を上げた色を作ります。この色をコシの柔らかい獣毛の平筆に取ります。次にキッチンペーパーなどで余分な塗料を拭き取り、筆を半乾き状態(ドライブラシ)にします。目安としては最初に付けた塗料の7割くらいをキッチンペーパーで落とすくらいです。

 

99 100この塗料でキット表面の凸モールドやエッジ部分をなで、筆に残った微量の塗料を擦りつけてハイライトを入れていきます。同じ要領で、さらに「つや消しホワイト」を加え明度を上げた色でドライブラシを繰り返します。この要領で三段階ほどドライブラシを加えると凸モールドが強調され、EXモデルの繊細なディテールが際立ってきます。

 

838180車体が完成したら、最後にAFVモデルの醍醐味でもある脚まわりのウェザリングを行います。使用するのはMr.ウエザリングパステルです。様々なウェザリング用品が発売されていますが、履帯の泥・砂汚れを表現するには、ピグメントと呼ばれるパステルをパウダー状にしたものを用いるのが最も簡単で、良い効果を生み出せます。

 

87 88使用方法は塗料皿にMr.ウエザリングパステルを適量移し、水性アクリル溶剤を加え、ペースト状にします。

 

8990これを履帯に塗り付けます。ダークグリーンの車体用として、ここで使用しているのは「PW02・サンド」です。単色では面白みがないので、ペーストを塗布した後、泥汚れを表現するために「PW01・ダークブラウン」をパウダーのまま、点々とまぶしていきます。

 

91 92こちらはデザートカラー用の履帯。スミ入れの時と同じく、砂漠など使用環境を考え「PW03・サンド」のペーストに加え、「PW02・ライトブラウン」のパウダーをまぶしています。

 

96 97ペースト状のMr.ウエザリングパステルが乾燥したら、コシの硬いナイロン筆などで、余分なウェザリングパステルを落としていきます。乾いて粉状になっているので簡単に落とせます。どの程度ウェザリングパステルを落とすかでソフトからハードな汚れまで再現することができます。車両の使用環境を考えながら作業していきましょう。

 

93 94Mr.ウエザリングパステルを使えば排気管などの金属部分の表現を行うことも可能です。「PW04・チャコールブラック」を全体に塗り付けます。「PW04・チャコールブラック」は本来スス汚れなどに適したピグメントです。

 

956-1その後、「PW06・ラストオレンジ」を溶剤で薄めに溶き、点々と塗っていきます。乾燥後に余分なペーストを落とすと、赤錆びの入った金属色を表現できます。

 

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102同じように車両前方に付いている三連装の機銃にも同じ作業を施します。ブルーグレーの成形色だったとは思えないくらい、色味が変化していますね。

 

101最後にサイドスカート周辺を汚して完成です。ウェザリングパステルをパウダーのまま擦り付けるだけでOKです。このままではパステルが落ちてしまうので、つや消しクリアーをコートして、パステルを定着させると良いでしょう。

 

 

完成!

これで完成です。マゼラアタックは現用戦車のようなアレンジが施され、EXモデルの特徴的なディテールが良い効果を生み出しています。

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今回ご紹介した技法で味付けするだけで、全体に彫り込まれた彫刻は、何倍にもなって視覚に届くようになるのがわかるでしょうか。EXモデルには地上用のメカもキット化されているので、それらを組み合わせてジオラマを製作するのもいいかもしれません。特にマゼラアタックは他の車両やMSと組み合わせると、その存在感はさらに広がります。様々なキットと組み合わせて独自の世界観を紡ぎだしてくださいね。

 

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