ガンプラ「MG キュベレイ」の美しさと禍々しさを両立させた新たな姿を模索!書籍「ガンダムホビーライフ005」表紙作例(再掲載)

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製作・文●NAOKI/編集●電撃ホビー編集部

2018年3月30日(金)にいよいよ書籍「ガンダムホビーライフ012」が発売! 最新号は可変機特集となっています。最新号が発売間近ということで、これまで「GHL」の表紙を飾ってきた珠玉のガンプラ作例をご紹介! 今回紹介するのは、『機動戦士Ζガンダム』や『機動戦士ガンダムΖΖ』に登場した「AMX-004 キュベレイ」です。

 

※バックナンバー

 

AMX-004 キュベレイ

※初出:ガンダムホビーライフ005号/記事内容は雑誌発売当時のものです。

 

さて、今回は女性パイロット特集。自分の担当はキュベレイです。数多の女性パイロット、そして機体のなかでもこれほど鮮烈にイメージが残っているものもないでしょう。永野護氏の手掛けた美しくも禍々しいデザインは、ハマーンのキャラクター性ともマッチし、今見ても惚れ惚れします。今回は、氏が近年描かれたものもイメージソースに、しかしそれとはまた異なる方向性を目指してみることにしました。テーマはメリハリ。各部解説から意図を汲み取っていただければ幸いです。

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●頭部&胴体

口の部分を短めにカット。頭頂部に段差ディテールを設けています。頭部が埋没して見えるよう、頭部両脇のパイプが出ている部分を切り取ってかさ上げしています。同時に後方に延長し下部に新規ディテールを追加。パイプ、その横のベルトにはディテールを追加しました。

 

胸部正面のピンク色の装甲は立体感に乏しいので、ポリエステルパテで厚みを増し、逆エッジ面や逆アールのラインを追加しています。その下のスリット部分にはスリットの間にプラ板でさらに細かいスリットを追加。情報量を上げています。両脇下面前方はエポキシパテ(以下エポパテ)でボリュームアップ。下面中央はプラ板でスリットを新造しています。

 

腹部は延長&くびれを強調したものをエポパテで新造。ディテールは彫り込みながらデザインを考えつつの一発勝負です(笑)。こういう作業は勢いまかせでデザインを作っていくのがすごく楽しいのですが、反面少し時間を置いて客観視すると「なんじゃこりゃ恥ずかしー!」となる場合も多々あります(笑)。ノリや勢いを大事にしつつ、昔あった恋愛小説のタイトルのように、自身の「冷静と情熱のあいだ」をコントロールしつつ進めるといいと思います。

 

後部ファンネルコンテナは上部を中心にエポパテで形状変更。プラ板で新造した懸架フレームを背中から生やして、そこに取り付けるよう接続方法も変更しています。先端にはセンサー状のディテールも追加しました。

 

フロントアーマーはエポパテでアウトラインを修正。全体的に言えることですが、意識的に逆アールのラインを多用するようにしています。股間フレーム部分は、大型化したうえに両脇などと意匠を合わせたスリットをプラ板で新造。フロントアーマーでほぼ見えなくなってしまいますが(笑)。サイドアーマーはモールド部分で3分割して形状変更、フロントアーマー共々、装甲を懸架しているように見えるフレーム状のパーツをプラ板で新造しています。

 

●腕&脚部

フレキシブル・バインダーは削り込んでアウトラインに逆アールを追加。これも、ただ逆アールラインを作るだけでなく、断面の形状や角度にも変化をつけています。こうすることで面の色気がさらに引き立ちます。

 

バインダー内側のディテールも見せどころの1つ。完全に新造してしまうのも手ですが、重量過多になってしまい固定せざるを得なくなってしまいそう。あくまで作例ということでキットの可動は活かしたいので、自重を支えられるようにと思案した結果、キットのディテールや構成は活かしつつ、キットとはまったく印象の違うものになるようにしてみました。各部の追加ディテールをパテ類で。エギゾーストパイプ状のディテールはプラ棒を手芸用のエンボスヒーターで熱して1本1本手曲げしています。肩部分にはエポパテで新規に装甲を追加。前腕、袖部分は後述の手首に合わせてエポパテでボリュームアップするとともにディテールを追加しました。

 

今回一番目がいくであろう手首は、思い切ってかなり大型化したものをエポパテで新造。こちらも腹部同様ディテールやデザインを考えながら彫り込んでいます。まず左右共通の掌を製作。親指を除く4本指は、まず一番長い中指を製作。それを複製して長さを調整しつつ表情をつけていきます。親指も根元まで左右共通のものを複製して用意、掌へ接続する部分のみ別々で製作しています。かなり重くなってしまったので、ヒジ関節はイエローサブマリンの「関節技」に変更、上腕回転軸も径の太いものに変更しています。

 

太もも裏側は装甲を使用せずネイキッドな状態に。そのフレーム部分はエポパテなどで形状変更&ディテールを追加。ヒザ関節はキットのままだとあまり逆方向に反らすことができず、きれいな立ちポーズが決まらないのでフレームを削り込んで対応しています。ヒザブロックはこれまた逆アールを追加して形状変更したうえに、下部にディテールを彫り込んだブロックを新造しています。

 

足首はヒールアップした状態にするため、まずカカトを新造。その高さに合わせて甲、カカト部分を新造しています。フレームとの接続部分はキットのパーツを幅詰めしてボリュームダウンして使用。甲上部の装甲はエポパテで新造しています。

 

●塗装

やはりキュベレイといえばテッカテカのグロス仕上げが常道。ということで、デカールを貼り終えたあと、クリアーを吹いて研ぎだしての繰り返しで仕上げていますが、それではおもしろくないので、エッジを中心にウェザリングを施してアクセントを加えています。せっかく苦労して研ぎだしたものを汚すのはナンセンスだと思うかもしれませんが、研ぎだしたグロス部分とツヤを落としたエッジの中心部分とのコントラストが、より各々を際立たせると思うのですがいかがでしょう?

 

※初出:ガンダムホビーライフ005号/記事内容は雑誌発売当時のものです。

 

DATA

MG キュベレイ

  • プラモデル
  • 1/100スケール
  • 発売元:バンダイ
  • 価格:4,000円(税別)
  • 発売中

 

「GHL005」は、宇宙世紀の『ガンダム』世界を彩った女性パイロットたちをフィーチャー。ハマーン・カーンのキュベレイをはじめ、スーパーガンダム、ボリノーク・サマーン、そしてR・ジャジャなど、「GHL」ならではの超絶作例で彼女たちの活躍を綴ります。電子書籍版もあるので、ぜひチェックしてくださいね。

 

>>ブックウォーカー電子書籍「ガンダムホビーライフ005」ページ

 

また、最新号の「ガンダムホビーライフ012」も絶賛予約受付中! Zガンダム、バウ、メッサーラなど人気の可変MSが巻頭特集を飾っています。そのほか、MAX渡辺氏&鳥山とりを氏の師弟対決など見どころ満載の1冊となっているのでお見逃しなく!

 

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