ハマーン・カーンが率いたネオ・ジオンが地球侵攻用に開発したMS、AMX-101 ガルスJのバリエーション機。火星における地上戦を想定し、ガルスJの近接戦闘性能を特化させたタイプで開発と建造は火星プラントで行われた。 形式番号末尾からもわかる通り、指揮官用のカスタム機で、前線における指揮官機、またはその護衛機として運用された。 このレッドとホワイトのツートンカラーはかつてのキシリア親衛隊由来のカラーリングである。キシリア派が多数を占めるジオンマーズの象徴ともいえる機体色であり、ジオンマーズ支配時代の火星においては、チェスターが隊長を務めた親衛隊が主に使用した。 ヒート・ランスと円系のシールドを装備している。なお、このシールドは親衛隊仕様と言われる。
U.C.0091時の火星において「アウトロー(無法者)・チェスター」と呼ばれる彼は、一年戦争当時はキシリア親衛隊の一員としてギャン系MSを駆り戦ったと言われる。戦後、キシリア派残党の幹部として火星に落ち延びたあとも、伝統の親衛隊カラーで塗った機体を愛用し続けた。 なお、親衛隊用MSとしては、U.C.0080年代後半のガズRなどが知られている。 レッドとホワイトの親衛隊カラーの機体は、U.C.0120年代に火星で勢力を伸ばした火星独立ジオン軍(オールズモビル)が奪取したガンダムF90(火星独立ジオン軍仕様)や、同組織のシャルル・ロウチェスター少佐専用ゲルググでも見受けられた。 これは、チェスターと共に戦い、彼が育てたジオンマーズの少年兵たちが成長し、彼の残した思想と共にこの機体色を組織の象徴として引き継いだ証明とも考えられる。
レジオンに敗北し、ゲリラと化したジオンマーズの総司令官となったチェスター専用の機体。火星環境下でゲリラ戦を行うためにチェスター艦隊所属の他のMSと同様に、デザートカラーで再塗装されている。
「輝ける星」作戦の一環であるプラント強襲では、前線での指揮と作戦の要であるMA、アッザム級の護衛に従事。その際、中距離支援用の大型ビーム砲を装備し、アッザム級が発生させる「オメガの嵐」で敵の視界や索敵能力を低下させたのちに、遠方から狙撃を行っている。
なお、このS型の胴体や脚部といった改良部分の形状は、AMX-004 キュベレイとよく似た仕様で、両者の基本フレームに共通性があることを窺わせる。