Vol.63

RX-121-3C GUNDAM TR-1[HAZE’N-THLEY]RX-121-3C ガンダム TR-1[ハイゼンスレイ]

高速戦闘用として開発された強化パーツは、限定的に生産されたガンダムTR-1とガンダムTR-6での共用を前提としている。それらのパーツ群をガンダムTR-1[ヘイズル]に装着した機体が、このガンダムTR-1 [ハイゼンスレイ]形態である。
換装によって全身ほぼ全てのパーツが原型であるジムクゥエルから更新される形となり、これら強化パーツの機能によって、元が第二世代MSである[ヘイズル]に、グリプス戦役期においても第一線級の戦闘力を付与するに至った。
なお、本形態は同時開発されたものである。命名法則の分類上、ガンダムTR-1に装備したタイプを[ハイゼンスレイ]、ガンダムTR-6に装備したタイプを[ハイゼンスレイⅡ]と呼ぶ。ただし本形態は同時に開発されたものであり、この場合の[Ⅱ]は法則上の区分で、開発順序を表す数字ではない。

︎BODY ARMOR ボディ・アーマー

ガンダムTR-1の胴体を構成する[プリムローズ]、またはガンダムTR-6の胴体ユニットである[プリムローズⅡ]に装着する増加装甲。ハイメガ粒子砲を内蔵した強化ユニットとして開発された。胴体中央部に設けられたハッチが回転することで、ハイメガ粒子砲の砲身が展開する。MA形態では砲身が機首方向に向くようにさらに回転する。このハイメガ粒子砲を運用するために、胴体の左右にサブジェネレーター等を搭載している。
ガンダムTR-6用では、延長された機首先端に機銃が搭載されている。本兵装は、第四世代MSに代表されるMSの高出力、高火力化への流れを想定した対抗兵器となっている点が特徴である。なお、胸部(胴体)への高出力ビーム兵器の内蔵は、MRX-009 サイコ・ガンダムや、そのコンセプトを受け継いでネオ・ジオンが開発したAMX-014 ドーベン・ウルフの系譜に属する。

︎REAR SKIRT リア・スカート

ジェネレーターを内蔵した巨大なテール・バインダー。腰部とフレームで接続されており、自由に回転、可動する。[フルドド]のウイング・ブースター(を腰部に装着した[ヘイズル・ラー]第二形態)での実験で得たデータを反映した構造といえる。
スカートのポジションは用途に応じて変更され、巡航時やMS形態時には腰の横に垂直に配置される。脚部をクローとして使用する中間形態やMA形態時には、90度回転したうえで、後方へと跳ね上がる。同様の機構を持つMSとして、RX-78GP03S ガンダム試作3号機ステイメンが知られる。
なお、背面のデザインは『AOZ』ではラフデザインのみが公開されていたが、ここに掲載する画稿が決定稿である。

︎LEG レッグ

[ハイゼンスレイⅡ]の細長い脚部の形状は、外見上の特徴ともなっている。これはMA形態や中間形態において脚部全体が大型のクロー・アームに変形する機構を持つためである。ソールやつま先部分はスキッド状で、MSの脚部としては必要最低限の機能だけを有している。
特殊な形状だが宇宙空間においては接地に十分な役割を果たす。また、本形態は汎用MSでもあり、装備追加も前提とされていた。その際の重量増加や地上における駐機時には、脚部を前後に二分割、その後ろ部分をカカト状に展開して機体を安定させることも可能。このカカト部分はホバーユニットしての機能も有しており、ホバリング走行時にも展開、使用される。ヒザ部分はウェポンベイであり、クロー・アーム変形時に使用するビーム兵装やミサイルランチャーなどが内装されている。

︎INTERMEDIATE FORM 中間形態

[ハイゼンスレイⅡ]形態は、「機種統合計画」におけるRX-110 ガブスレイの後継機に相当する。そのため、もとのガブスレイ同様、脚部のみを変形させた「中間形態」をとることが可能。その際、リア・スカートはクローの動きを阻害しないように回転・変形し、左右が結合したスカートとなって、後方に跳ね上げた位置で固定される。

︎RX-124 GUNDAM TR-6[HAZE’N-THLEYⅡ]RX-124 ガンダム TR-6[ハイゼンスレイⅡ]

ガンダムTR-6の高速戦闘形態が、このハイゼンスレイⅡ形態である。合体分離機構を備え、MSとMAの両形態で優れた戦闘力を有するほか、汎用性にも秀でている。本機は、ティターンズのフラッグシップ機となるガンダムタイプMSであり、敵(エゥーゴ)陣営の推進する「Z計画」系列やその後継機への対抗機(MSZ-010 ZZガンダムなど)として開発され、それらに打ち勝つ能力を与えられている。T3部隊をはじめ、ティターンズのテストチームに運用され、グリプス戦役の終結に貢献したほか、火星に渡った鹵獲機は、レジオン建国戦争でも大きな活躍を見せた。

︎RX-124 ガンダムTR-6バリエーション

『ADVANCE OF Z ティターンズの旗のもとに』(以下『AOZ』)の終盤で展開されたRX-124 ガンダムTR-6シリーズのバリエーションは、膨大な数に上る。しかし、誌面の都合から個々の機体の細部に関する設定は解説されないまま物語は終結を迎えた。それらの設定を整理、補完し、かつ解説することが本企画『A.O.Z Reboot ガンダムインレ』(以下『Reboot』)の命題のひとつである。そして、この設定が『AOZ』と『Reboot』を通じての公式な決定版となる。今回から数回にわたって、ハイゼンスレイⅡについて『Reboot』で明確となった設定をまとめ、解説していく。

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