Vol.59

●脚部/クローアーム変形

ハイゼンスレイⅡ形態の脚部の形状は、細長いシルエットによって外見上の特徴ともなっている。この特徴的な形状の脚部はMA形態や中間形態において、大型のクローアームに変形する機構を有している。そのため、爪先やソールなどの部位は、スキッド状となっており、脚部としては必要最小限の機能しか備えていない。このようにハイゼンスレイⅡ形態の脚部はその機能に合わせた特殊な形状となっているが、宇宙空間での接地や着艦などは十分な役割を果たすことが可能である。また、汎用MSにカテゴライズされる本形態には、装備の増設・追加も前提となっていた。装備増設時の重量増加や地上での駐機時には脚部を前後に二分割し、その後部をカカト状に展開することで、機体の安定性を向上させている。また、このカカト部分はホバーユニットとしての機能も有しており、ホバリング機動なども可能となっている。ソール部分も同様に汎用ホバーユニットとしてバーザムや[アドバンスド・キハールⅡ]にも装備できる。膝部分はウェポン・ベイで、ビーム兵器やミサイル・ランチャーなどを内装し、クローアーム変形時に使用される。なお、このクローアームは、素体となるガンダムTR-6[ウーンドウォート]の膝部スラスターのパーツを取り外したうえで、「べロウズ・フレーム」と呼ばれる蛇腹状の関節を介して接続される。また、ウェポン・ベイのコンテナの規格は肩部コンテナ部分と共通で、内装する装備を換装することで、各種任務に対応する。

︎●分離合体

ハイゼンスレイⅡ形態のMS形態において、背骨にあたるドラムフレームは2基が結合することにより構成されている。これは上半身と下半身に分離することが可能である。分離時はそれぞれが変形し、上半身が高速戦闘機であるトップファイター[ストローベリーⅡ]に、下半身は重格闘戦機であるボトムファイター[ニルドル・ハインⅡ]となる。さらに両機ともに緊急脱出用のコクピットブロックとして[プリムローズⅡ]を搭載。分離時の運用には2名の搭乗員(もしくは1名とBUNNySによる自動操縦)が必要となるが、合体時は1名での運用が可能となる。さらに強化Gパーツである[フルドドⅡ]と合体することで、ラー(Ⅱ)形態となる。その際の搭乗員は最大で3名で、分離合体での運用も可能。両肩部のドラムフレームには、ギガンティック・アーム等、大型の強化パーツの装備が可能。また、ファイバーⅡやインレといったTR-6の最終形態にあたる大型MAのコアユニットもここを介して接続して運用される。機体の両側に装備したウインチキャノンは、格闘戦時にはウイング状に後方に配置され、機体の動きを阻害しない。また、射撃時には前方に展開する。

︎●MA形態

本形態ではクローアームとメガ粒子砲を用いてRX-110ガブスレイのMAと同様に、MA特有の一撃離脱・高速戦闘や格闘戦を行う。また、圧倒的な高出力を用いた大気圏の離脱や再突入が可能なほか、大気圏内で飛行や空中戦といった複雑な機動にも対応する。さらに腰部のドラムフレームに大型汎用ブースターを装備することで、出力や速力を強化され巡航形態となり、後続距離も延長される(装備時はRX-124HSガンダムTR-6[アドバンスド・ウーンドウォート]ハイゼンスレイⅡ・ラー(Ⅱ)形態ブースター装備クルーザーモードと呼ばれる)。なお、この大型汎用ブースターはギャプランタイプを流用している。複雑な合体機構や機体の制御、多数の武装の運用などはすべてBUNNySによって制御される。なお、本形態は一年戦争時において運用されたRX-78ガンダムのGアーマーや後のMSZ-010ZZガンダムのGフォートレス形態等に相当する。

︎●翼部/ウインチキャノン変形

機体の両側に装備したウインチキャノンは、格闘戦時にはウイング状に後方に配置され、機体の動きを阻害しない。また、射撃時には前方に展開する。

︎RX-124HS HAZE’N-THLEYII RAH FORM

ハイゼンスレイⅡ・ラー(Ⅱ)形態とはハイゼンスレイⅡ形態と強化Gパーツ[フルドドⅡ]が合体した形態を指す。バランスの取れた戦闘形態であり、運用形態を限定した特殊な形態を除き、最も運用柔軟性に富んでおり、多様な任務に対応可能である点を特徴とする。その圧倒的な戦闘力から、戦略兵器、特に「領域支配機(エリアドミナンス機)」に分類される。領域支配機とは、敵陣への突入と制圧を単独で行うことを主任務し、そのための性能を付与された機体である。このカテゴリに分類される他のMSとしては、当機の仮想敵であるZ計画の次世代機(MSZ-010ZZガンダム等)などが挙げられる。これらの機体は、戦場で見せた単機での圧倒的な活躍や、装備の互換性や合体変形といった機体特性などに共通点が見受けられる。なお、本形態での運用例として、グリプス戦役の最終局面にあたるコロニー・レーザー争奪戦におけるティターンズ・テスト・チーム(T3部隊)のエリアルド・ハンター中尉機の活躍が知られている。また、トリスタン特務大佐が指揮するブラックヘアーズ機は、戦役後に火星へと渡り鹵獲、改修され、ARZ-125リハイゼとして運用された。

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