Vol.59

背部各種装備

バーザムのバックパックの中心部には、小型オプション用の取り付けラッチが設けられている。ラッチには各種装備を装着可能で、一例として、地球連邦軍機規格の大小プロペラトタンク用装着部品、バズーカ、サーベル、シールド、弾薬等といった武装、支援用火器、スラスター等の姿勢制御用ユニットなどが挙げられる。なお、[フルドドⅡ]をはじめ、固定時に強度が必要になる大型オプションを装着する場合は、ここではなく背骨部のドラムフレームに直接装着する。

RMS-154 BARZAM

グリプス戦役末期におけるティターンズの主力MSのひとつ。[ヘイズル・アウスラ]の簡易生産機としての側面も持つ。TRシリーズで開発された換装システムを搭載しており、バルカン・ポッドなど、既存機のオプションを装備することが可能。

︎RMS-154HMC BARZAM HIGH MOBILITY TYPE Vervain

バーザムのバリエーション機のひとつで、宇宙空間における近接格闘戦能力を強化した機体がこのバーザム高機動仕様(バーベイン)である。本機は下半身をハイゼンスレイⅡ形態用の強化パーツと交換している点が外見、機構上の特徴となっている。バーザムと(ハイゼンスレイⅡ形態の素体である)ガンダムTR-6[ウーンドウォート]に搭載されたプリムローズⅡのドラムフレームが共通のパーツとなっていることにより、パーツの互換性を有するに至った。また、これにはガンダムTR-6の開発が大きく関係している。これまでにも何度も述べたように、ガンダムTR-Sが完成するまでの繋ぎとしてガンダムTR-1[ヘイズル・アウスラ]が開発され、ガンダムTR-1[ヘイズル]の換装システムは、ガンダムTR-6[ウーンドウォート]の開発計画へと発展を遂げた。つまり、「TR計画」の発展や変遷が、これらの機体に合わられているのである。
また、同様にハイゼンスレイⅡ形態の強化パーツ群を[ヘイズル・アウスラ]にの上半身に装着した高速戦闘形態がハイゼンスレイとなる。このように強化パーツの互換性がある点も「TR計画」の特徴といえる。なお、この「バーベイン」という名称はハイゼンスレイや他のTR計画機と同様の童話に由来しており、「バーザム」と下半身用の強化パーツ(ニルドルハイン)を組み合わせたものでもある。開発陣からはペットネームとしてこの名で呼ばれた。

RX-121 2P GUNDAM TR-1 [HAZEL OWSLA]

ガンダムTR-1をベースとした次世代量産化計画によって開発された機体。[ヘイズル改]の胴体ユニットをプリムローズに換装するなど、仕様そのものが大きく変化している。また第1種から第4種までの兵装バリエーションも存在するほか、フルドドⅡを介してギガンティック・アーム・ユニット等も装備も可能。

RX-121-3C GUNDAM TR-1 [HAZE’N-THLEY]

[ヘイズル・アウスラ]に高速戦闘形態用強化パーツを上半身に装着した形態。なお、この強化パーツは[ハイゼンスレイⅡ]上半身にも装着使用されている。ガンダムTR-1の最終形でもあり、ガンダムTR-6用の各種オプションの装備が可能な多機能性を有する。[インレ]の管制ユニットとして運用する計画もあったと言われる。

RX-124HSII GUNDAM TR-6 [ADVANCED WONDWART] HAZE’N-THLEY II FORM

ガンダムTR-6[ウーンドウォート]の上半身と下半身に強化パーツを装着した形態で、高速戦闘形態にあたる。MA形態への変形機構と分離合体機構を備えるほか、脚部をクロー状に展開した中間形態をとることが可能。

高速戦闘形態

下半身用の強化パーツを装着したバーベインは、ハイゼンスレイⅡと同じく下半身の変形機構を有している。これは、「高速戦闘形態」と呼ばれるハイゼンスレイⅡと同様の機能で、RX-110 ガブスレイにその機能の原点を見ることができる。つまり、ガブスレイのように宇宙空間ではデッドウェイにもなりえる(AMBAC肢としての機能は有するものの)脚部をクローに変形させることで近接戦闘能力を強化したのである。これは一年戦争のモビルアーマーの主な戦闘法であった一撃離脱戦法——大推力で接近、大口径メガ粒子砲で攻撃し、離脱する——を発展させたもので、MAにはない機能として機体の運用柔軟性を有するに至った。また脚部のみを変形させた「中間形態」ととることができる点も、ガブスレイ、ハイゼンスレイⅡ形態の系譜にあることをうかがわせる。

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