Vol.59

 KELDERKE HOIST [Black Hares]

●[ケルデルク・ホイスト]
RX-121 ガンダムTR-1[ヘイズル]は、RX-123 ガンダムTR-S[ヘイズル・フレア]用の新兵器の開発実験機であった。これに対し、RX-122 ガンダム・ヘイズル[ケルデルク]は連邦軍の各種既存装備の運用実験機にあたるMSである。図はPMX-000 メッサーラの技術を流用した高機動ブースターを装備した形態で、[ヘイズル]強化計画のコンペティションで採用された装備。トランスパックシステムによりフルドドを介して装備と運用を行う。

︎NRX-044 ASSHIMAR [Black Hares]

●アッシマー・ブラックヘアーズ特殊任務仕様
ブラックヘアーズは地球上での作戦にも投入されていた。その際に使用した機体のひとつが、この特殊任務仕様のアッシマーである。他のブラックヘアーズ専用機同様、機体色は黒をベースとしており、地球上で行われたいくつかの作戦に投入されたほか、BUNNyS開発を主目的とする「3号計画」におけるサイコガンダムの護衛に随伴している。

YRMS-106 HI-ZACK [Black Hares]

●ハイザック・ブラックヘアーズ特殊任務仕様
ブラックヘアーズに配備された先行量産型のハイザック。部隊名の通り黒い機体色に加え、頭部へのバイザーの装着や胸部への装甲の増設、左肩へのコンバット・ナイフの装備など、通常の機体とは仕様が異なっている。これは特殊任務に就くための仕様であり、ブラックヘアーズの特性を示す機体であるとも言える。

HRUDUDU HOIST [Black Hares]

●[フルドド・ホイスト]
ウイング・ユニットを高機動ブースターに換装したGパーツ[フルドド]。木星圏をはじめとする高重力下での運用などを想定した仕様となる。「ホイスト」とは、中世紀の作曲家の名前にちなんだものとされるが、これは本システムの運用環境を示すものとも言える。

RMS-154 BARZAM [Black Hares]

●バーザム・ブラックヘアーズ特殊任務仕様
ブラックヘアーズに配備された先行量産型にあたる機体。黒い機体色に加え、頭部へのバイザーの装着、胸部装甲、機動力強化などが施された特殊部隊仕様となっている。グリプス戦役中盤以降、対エゥーゴの各作戦を支援するため暗躍した

RMS-124 WONDWART [Black Hares]

●ガンダムTR-6[ウーンドウォート]・ブラックヘアーズ特殊任務仕様
ブラックヘアーズは、ガンダムTR-6開発チームの中核のひとり、ヴァルハラ博士からの手引きでファイバーⅡをはじめとしたガンダムTR-6の実機、およびデータを受け取った。その後、火星へと渡った彼らは、レジオン建国戦争に参戦。ジオンマーズはオメガが指揮するギレン派ゲリラ組織に敗れ、火星の支配権を失うこととなる。この戦争において重要な役割を担った機体が、ガンダムTR-6[ウーンドウォート]ブラックヘアーズである。なお、ヴァルバラ博士はトリスタン特務大佐の同志であり、「トライステラー」の一員でもあった。戦後、彼の手に渡ったダンディライアンⅡはSSDにおいて研究が続行される。

RX-123 TR-S [RABSCUTTLE]

●RX-123 ガンダムTR-S[ヘイズル・フレア]
[ヘイズル・アウスラ]の再設計である[ヘイズル・フレア]は、ガンダムTR-6[ウーンドウォート]の完成により、本機が担うはずであった次期主力機の座に就くことはなかった。また、大気圏突入用バインダーやウエポンカーゴとギガンティック・アーム・ユニットなどの強化パーツが開発されている。前者を装備した形態は[ラブストカル]、後者を装備した形態は[エルアライラー]と呼称される。[ラブストカル]と[エルアライラー]は共同運用を前提としており、地球への核攻撃作戦への投入が予定されていた。、戦後、残された機体はエゥーゴが入手し改装、SSDに配備している。

BLACK Hares 黒い野兎達[ブラックヘアーズ]

デラーズ紛争後、ジオン残党狩りを主目的に地球出身のエリートを中心とした組織ティターンズが設立された。そしてこの組織内に「ブラックヘアーズ」と呼ばれる特殊チームが存在した。ブラックヘアーズは、組織の総統ジャミトフ・ハイマン大将直属で極秘任務に行う秘密部隊として編制されており、トリスタン特務大佐が指揮官を務めた。本部隊の特徴は、濃紺を主体とするティターンズのシンボルカラー——いわゆるティターンズカラー——を更に強調するような漆黒のカラーリングがなされた機体を使用していた点にある。「ブラックヘアーズ」(ブラックヘアは「黒い野兎」を意味する)という部隊名も、その秘匿性を示している。重要な特殊任務を遂行するために新兵器を優先的に配備されるブラックヘアーズだが、その際、所属部隊を偽装するため「ティターンズ・テスト・チーム」を示す「T3」のマーキングが付されている。またその任務により得られた各種運用データは蓄積され、ニュータイプ研究所で開発された強化人間人格OSである「BUNNyS」の開発に役立てられた。ジャミトフ総帥の暗殺後、トリスタン特務大佐はシロッコによる組織の掌握に反発。さらに同調するティターンズ派閥を束ねると、地球へのTR兵器による核攻撃の命令を破り、艦隊を率いて火星へと逃亡した。この造反行為はティターンズ敗北の一因になったとも言われる。彼は己の信念であるトライステラー計画の完遂の為にはどのような犠牲も顧みない男であり、[インレ]がエゥーゴの手に奪われるのを避けるために機体を2分割し、下半身ダンディライアンⅡのみを引き渡し、上半分ファイバーⅡを持ち去った。TR計画を継続するために──。

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