Vol.59

HEAD

頭部ユニットのブレードアンテナは、ORX-005 ギャプランTR-5[ファイバー] の素体から引き継がれたものである。また、フェイス部分もモノアイからRX-124HS ガンダムTR-6[ウーンドウォート]ハイゼンスレイⅡ形態と同型のツインアイ式に換装されている。これにより、「ファイバーガンダム」という当時の愛称にふさわしく、一層ガンダムタイプに近くなっている点が特徴である。なお、素体であるファイバーのモノアイと同じく本機も、ヘッドカバーが上に可動することでツインアイが露出する。こうした頭部の形状は、RX-121 ガンダムTR-1[ヘイズル]で実証された敵味方への心理的効果を考慮したものといえる。

︎ORX-005 GAPLANT TR-5 [HRAIROO-RAH II]FULL ARMOR TYPE

グリプス戦役期にティターンズが運用した可変MAのひとつに、ORX-005 ギャプランがある。大推力による高度な機動性を特徴とする本機は、それを利用した超高高度迎撃機としての運用が想定されていた。しかし、加速時の絶大なGのため、当初は強化人間しか操縦できない機体であった。そのギャプランのハイスペックを生かし、エリアドミナンス機へと改修した機体が、ORX-005 ギャプランTR-5[フライルー・ラーII]である。エリアドミナンス機とは、「領域支配機」とも呼ばれ、単機での敵陣への突入と制圧などを主任務とする強力な機体である。ガンダムタイプのセンサーユニットの採用、肩部へのフルドドⅡの接続、腰部を囲む増加スラスターと隠し腕ユニット、ロング・ライフルの装備などが、ギャプランからの主な改修点として挙げられる。その[フライルー・ラーII]を母体に[アドバンスド・フライルー・ラーⅡ]と同じくTR汎用強化部品を追加装備し、両機の装備を合わせフルアーマー化したのが本形態。アドバンス形態の攻撃力と機動性の強化とフルドドⅡの拡張性の両方の特性を併せ持つ。アドバンスド形態は、ギャプランのMSとMA両形態の中間的な特性を備える。強化されたバインダーシールドの推力を支えるため背中から伸びるフレームで半固定されている。さらに変形機構はロックされており、MS形態のままで変形することなくMA的な高速機動運用が可能。フルドドⅡは、全身に装備された他の強化部品と同じくTR-6を構成する汎用部品のひとつで、強化Gパーツとして各種MSの肩部や腰部に装着することで、ドラムフレームを介して本体と巨大な武装を接続するためのジョイント・ハブとして機能する。TR計画の設計理念である「万能化換装システム」による「機種統合」は、パーツの組み替えによる自軍の既存全MSの後継機となるガンダムTR-6の各形態を生み出すためのものである。[フライルー・ラーII]の場合もここにギガンティックアームを装着することで、サイコ・ガンダム後継機の役割を担う代替交換機へと変化する。それ以外にもファイバーⅡユニット、ダンディライアンⅡユニット等の大型MAサイズのオプションを自在に換装することが可能。それらの複数の装備をすべて装着することで、最終兵器ガンダム・インレの母体としても運用が可能。本形態が、TR-6を除けば、ティターンズが保有する最強クラスの機体である。

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