Vol.59

RGM-79Q GM QUEL Variations

一年戦争時に開発・投入されたRGM-79 ジムは、地球連邦軍の主力となっただけではなく、戦時中に多数のバリエーションが開発されたことでも知られる。また、戦後もその系譜は続き、より高性能な機体が生み出された。その中でも特に高性能機として知られる機体が、RGM-79N ジム・カスタムである。ジム・カスタムは、それまでに開発されたジム系高級機の技術が盛り込まれただけではなく、RX-78NT-1 アレックスの技術も反映されていた。このアレックスは、マグネット・コーティングや全天周囲モニターを採用した機体で、ニュータイプ専用MSとして開発されていた。また、増加装甲とスラスターで構成されたチョバム・アーマーも用意されるなど、当時の地球連邦軍の技術の粋を集めたガンダムタイプMSであった。機体が大破したため、実戦に投入されることはなかったが、その技術は以降の地球連邦軍の機体へと引き継がれた。その機体のひとつが上述したジム・カスタムである。アレックスと同じくオーガスタ研究所系のMSであるジム・カスタムは、アレックスの技術を反映したことで、極めて高性能な機体として完成し、主にエースパロットに配備された。そして、デラーズ紛争後に設立されたティターンズがアースノイド系の技術者を投入して開発した機体が、RGM-79Q ジム・クゥエルである。本機は、ジム・カスタムのバリエーション機にあたるMSだが、任務に特化した改修が施されるなど、エリート部隊に相応しい高性能機であり、初期のティターンズの戦力を支えたのである。

︎RGM-79Q GM QUEL [REZEON]

グリプス戦役での敗北を受け、火星へと渡りレジオンと合流したティターンズ残党のトリスタン派が建国戦争において運用した機体。レジオン所属機であることを示すために、シールドの一部が赤いカラーリングとなっている他、同軍のエンブレムが大きく描かれている。建国戦争後の運用例として、パイプライン事故の容疑をかけられたティターンズ残党ドナルドが「ウサギ狩り」に使用した機体が知られる。これはトリスタンが調達した機体で、ドナルド自身、U.C.0083に勃発したデラーズ紛争においてRGM-79N ジム・カスタムを乗機としていたため、本機の操縦も得意としていた。総帥アリシアによる国民統治のためのデモンストレーション、総帥率いるアリス親衛隊との戦闘で10分生き残れば無罪というルールの私刑である「ウサギ狩り」に掛けられたドナルドは、親衛隊唯一の少年兵であったダイアナの隙を突いてキハール㈼の連携を絶ち彼を人質に取ることに成功する。しかし、その直後にアリシアの駆るリハイゼが射出したファンネルからの攻撃を受け、頭部を破壊されて撃破される。その際、ドナルドも死亡したと思われたが、事前に工作員のミズノから受け取った薬を服用し、かつて在籍した部隊が不死身の異名を取ったごとく蘇生している。打ち捨てられた機体は、トリスタン一派に回収され、頭部を換装し、アーリー・ヘイズルとして「輝ける星作戦」に投入される。

RGM-79Q GM QUEL [Early HAZEL]

RX-121 ガンダムTR-1[ヘイズル]で実験後、開発されたデュアル・アイタイプの頭部を装着したジム・クゥエル。マルチ・ブレード・アンテナの装備により、索敵・通信機構がアップしている他、その外観は敵残党への威圧や友軍への指揮鼓舞等の心理的効果を有する。ジム・クゥエルで構成される部隊の指揮官機として運用されるが、頭部以外に原型機であるジム・クゥエルとの違いはない。

RGM-79Q GM QUEL

ティターンズが設立時に主力機として配備したジムタイプMS。同組織の主目的であるジオン公国軍残党の討伐という任務に合わせて、ジム・カスタムをベースに改良された鎮圧任務仕様の機体である。コロニー内での運用を考慮し、肩部の張り出しを抑えるなど各部のスラスター配置を変更、コクピットブロックの近代化や対人センサーの追加などが主な改良点である。このマイナーチェンジとも言える細部の仕様以外の主要部分、機体全体を構成する各部品や機体のプロポーション、外観のシルエットなど両機は共通しており、全くの同一である。これはティターンズが摂取したジム・カスタムの生産ラインを基にして、ジム・クゥエルが開発されたことにも起因する。主兵装としてマシンガンに加え、ビーム・ライフル等を装備する。後期には全天周モニターの搭載やジェネレータ出力の強化といった近代化改修が行われた。

RGM-79Q GM QUEL

デラーズ紛争直後に設立された地球連邦軍の特殊部隊「ティターンズ」が、初期に配備した機体。主にアレキサンドリア級アル・ギザなどに配備された前期生産タイプにあたり、腕部はジム改と、脚部はジム・カスタムと同タイプのものを使用している。また、頭部をはじめ、脚部スラスター配置など細部の形状が異なっている。後の正式採用タイプでは、腕部は開発中の新技術フレーム(後のムーバブルフレーム)を内蔵した新設計のものに変更され、脚部には主任務である対地対人制圧用のセンサーを搭載した。

RGM-79N GM CUSTOM

一年戦争後に開発されたRGMシリーズのうちの1機で、これまでのジム系MSの設計を反映している。また、RX-78NT-1の技術も投入されており、開発はオーガスタ研究において行われた。突出した特徴こそ持たないが、U.C.0083前後のジムタイプMSのなかでは最上位機種とされる。機体のカラーリングは後のジェガンと同じくグリーン系のほか、所属部隊などによってカラーリングが異なる様々な機体が存在する。

RGM-79Q GM QUEL [E.S.F.F]

グリプス戦役期にコンペイトウ方面軍の守備隊などに配備されていた機体で、地球連邦軍からティターンズに編入された部隊が使用した。正規部隊との差別化のため、RGM-79 ジムと同等の連邦軍の主力機の代表的な機体色であるレッドとホワイトのカラーリングが施されていた。

RGM-79Q GM QUEL [Chobham Armor]

チョバム・アーマーを装備したジム・クゥエル。増加装備そのものは、アレックスで試用されたものと同等だが、装備箇所を胴体と腰部に限定することで、機動性の低下を軽減している。なお、本装備はT3部隊での実験で得たデータを反映したもので、ザクやドムなど、実体弾兵器を主兵装とするジオン残党のMSに対しては有用な装備であった。

RGM-79N GM CUSTOM [TITANS]

ティターンズ設立直後、ジム・クゥエルが配備されるまでの間に暫定的に運用された。ティターンズの象徴であるダークグレーのカラーリングが施されている。デラーズ紛争終結直後の組織の設立、そしてジム・クゥエル配備までおよそ2か月であったため、配備・運用期間は極めて短かったとされるため、運用された部隊も限定される。

RGM-79N GM CUSTOM [A.E.U.G]

グリプス戦役期にエゥーゴで使用されていた機体で、カラーリングがRGM-79R ジムⅡに準じたグリーンとホワイトを主体とした機体もあった。投入期にはすでに旧式化していたが、エゥーゴにとっては貴重なMS戦力として運用されていた。

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