Vol.59

●合体機構

一年戦争において地球連邦軍は、RX-78 ガンダム用の支援兵器としてGパーツを投入した。Gパーツは、ガンダムやコア・ファイター(コア・ブロック・システム)との組み合わせにより、Gアーマー、Gスカイ、Gブルなどの形態ととることが可能で、各形態において、機動性や武装などの強化、航続距離の拡大など、各種機能を強化。また、それ単体でも戦闘機として運用できる点も特徴であった。そして、コア・ブロック規格を備えた機体であれば、理論上は組み合わせが可能という発展性を有した。この組み合わせはジム系MSでも模索されたようで、U.C.0080年代後期にはジム系MSとGパーツ(のBパーツ)が合体、運用されたとも言われる。こうした支援装備は一年戦争以降も開発され、グリプス戦役ではエゥーゴがFXA-05D Gディフェンサーを運用している。RX-178 ガンダムMk-Ⅱ用の装備であったGディフェンサーだが、MSA-003 ネモやRGM-86R ジムⅢなどでも使用されるなど、一定の成果を収めている(なお、ネモ装備時にはバックパックをガンダムMk-Ⅱ規格のものに換装)。また、第一次ネオ・ジオン戦争に投入されたMSZ-010 ZZガンダムは、設計段階でGパーツの構造を取り入れ、MS単体での合体と運用システムを構築していた。

ティターンズにおいても同様のサポートメカが開発・運用されている。それがFF-X29A[ フルドド]と、その後継機FF-X39A[ フルドドⅡ]である。その最大の特徴はティターンズ、地球連邦軍が運用するすべてのMSとの合体機構を備えたGパーツである点であり、合体し装備することでそのMSの性能を一世代相当引き上げた。本機が開発された背景には、当時の地球連邦軍のMS開発状況が大きく関係している。グリプス戦役期において地球連邦軍は地球圏各地の開発拠点において独自に機体開発を行っていた。これにより独自規格とも呼べる試作機が多数開発されることとなる。こうした規格や装備品等に互換性のない一連の試作機の運用が軍内部で問題化しつつあった(この状況は後に「MS開発史上におけるカンブリア紀」とも呼ばれるほどである)。
ティターンズの実施した「TR計画」の目的のひとつである「機種統合計画」は、MSの規格を統一し、高度な万能性を備えた主力機を開発・運用することを目的としていた。この成果がRX-124 ガンダムTR-6[ウーンドウォート]、そして本機の換装システムを流用した機能を有するサポートメカが[フルドドⅡ]である。
[フルドドⅡ]の万能化換装システムは、BUNNySによって制御され、ティターンズを含む地球連邦軍製MSとの合体が可能であった。この合体の中核を為すシステムのひとつが「ベロウズフレーム」で、その能動的な合体機構——サブアームでMSの股間部分をロックし、同時に両肩のドラムフレームを含む3か所でロックする——は、どのような規格のMSとの合体も可能とし、また「四肢を備えた人型の機動兵器であれば合体が可能」というこの合体システムの特性上、開発時期の新旧に加え、敵味方を問わずに合体できるが、敵勢力の場合に限ってはそのMSの制御OSとBUNNySとの接続、制御システムの統合に多少の時間が必要となる。合体機構のシステム面での中核となる「BUNNyS」は「強化人間人格OS」とも呼ばれ、その自己分析、思考能力によって敵MSのOSと融合、進化し制御、その管理下に置く。「輝ける星作戦」におけるネオ・ジオン製のガザブースターとティターンズ製の[アーリー・ヘイズル]の合体は、BUNNySの機能の事例である。
BUNNySのこうした機構は、「人同士が誤解なくわかり合える」とうニュータイプの特性を彷彿とさせる。

︎●TR-6方式:ドラムフレームへの接続

[ウーンドウォート]や[ヘイズル・フレア]、バーザム——「TR計画」による次期主力機系MSは胴体内部に搭載されたドラムフレームが背面に露出している。そこに[フルドドⅡ]のマルチコネクターポッド部を接続、同時にマルチ稼働フレームの伸縮により両肩を[フルドドⅡ]のブースターユニットで挟むことで機体を固定し、合体する。また、ドラムフレームとサブアームの機構特性を使用することで、自力で現場での分離や変形等も可能なユニット構成となっている。

●TR-1方式:ブーストポッドへの接続

当時の地球連邦軍の配備主力機であるジム系(ジムⅡやジム・クゥエル、[ヘイズル・アウスラ]など)とザク系(ハイザック・マラサイなど)には、トランスパックシステムの導入が導入されていた。これによりバックパックの規格が統一され、互換性を有し、換装が可能となった。ハイザック型の偵察機用バックパック・高機動型バックパック・中距離支援用バックパックなどがその例として挙げられる。
ガンダムTR-1型のバックパックは、換装を前提として開発されており、上部のブーストポットの換装により高機動・中距離支援・偵察などに対応可能。これは運用面、コスト面で有効な機能として軍に評価され、全軍の装備や機種を統合を目的とすると「TR計画」にも反映された。なお、この換装機構はガンダムTR-S[ヘイズル・フレア]からガンダムTR-6[ウーンドウォート]への仕様変更の要因ともなった。
ガンダムTR-1型バックパックを装備したMSの場合、上部に搭載する標準型のブーストポッドの天面にはラッチが備えられており、ここに[フルドドⅡ]のマルチコネクターポッド部を接続、同時に両肩を挟み込み合体、機体を固定する。

︎●既存機方式:万能方式接続

[フルドドⅡ]の合体機構は、トランスパック未搭載機にも対応していた。これにより地球連邦軍が開発した一連の試作機群——ガブスレイやギャプラン、ハンブラビ等——や旧式化した既存機——アクト・ザクやガルバルディなど、旧ジオン公国軍系の鹵獲MS——のように背面にラッチを持たない機体であっても、[フルドドⅡ]のドラムフレームから伸びるアーム(隠し腕、もしくはベロウズフレーム)が、MSの股間部に接続、ロック、機体は背面に位置し、同時に両肩を挟んで合体する。
このようにマルチ可動フレームが伸縮することによって、MSごとに異なる体形、肩幅や装着位置の違いをカバーしている。

●FF-X39A G Parts[HRUDUDU II]

●FF-X39A Gパーツ[フルドドⅡ]
ドラムフレームを中心に、マルチコネクターポッド、プリムローズⅡ、サブアームが機首と胴体部分を構成する。なお、サブアームはウインチキャノンやコンポジット・シールド・ブースターをはじめ、MS用兵装を保持する。これらのパーツは、[ウーンドウォート]の胴体を構成するものと同じで、ガンダムTR-6の換装システムの中核を為す汎用パーツである。マルチコネクターポッドとそこから伸びるマルチ可動フレーム(小型のドラムフレームとベロウズフレームで構成される)によって、両側のブースターユニット側のドラムフレームと接続される。このブースターユニットは、ジェネレーター、推進器、大型兵装接続用ドラムフレームによって構成され、ローアーム機構を備えるタイプも存在する。
また、大型ドラムフレーム部には、
①ビグウィグキャノンやギガンテック・アームなどの大型武器を装着可能。
②プロペラント・タンク、スタビレーター・バインダー、アクアユ・ニット、イカロス・ユニット等の機動力や航続距離を向上させるユニットを装着可能。
③ジョイントハブとしても機能し、ファイバーⅡ、ダンデライアンⅡなどの大型MAとドッキング可能。

これらの機能を持つGパーツ[フルドドⅡ]がMSと合体することによって、各種兵装の組み合わせは無限と呼べるほどのものとなる。一部の大型兵装の運用には合体元の素体となったMSの能力によって制限が課せられるが、ほとんどのケースにおいて高度な多機能性をMSに付与することとなる。
また、MSとの合体時には「●●●●・ラー(Ⅱ)」と呼称される。

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