可変機構のテスト機であった試作アッシマーを改良した機体。宇宙でのテストの後、重力下仕様に改修して地上でのテストが実施された。これらのテストの結果で得られたデータを基に、TR-6の中核ユニットとなる[ウーンドウォート]用の[キハール・ユニット]が開発された。このユニットを装着したTR-6は、アッシマー系の可変飛行MA[キハールⅡ]へと変化する。前身機よりも小型化されており、戦闘支援ユニットとして6機が[インレ]に搭載された。なお、こうした各種強化ユニットの換装で、TR-6はティターンズ全MSの代替後継機の役割を担う能力を持つ。
「弾道軌道による超音速攻撃」を開発コンセプトとした機体で、ORX-005ギャプランTR-5[フライルー]がコアモジュールとなる。単機、もしくは少数の部隊での運用が基本となるため、複合防御バインダーを搭載。この複合防御バインダーにはビーム・実体弾の双方を無効化する防御システムが採用されている。また、本機の発展型であるRX-124 ガンダムTR-6 [ファイバーⅡ]は、[インレ]の上部ユニットを構成する。また、上部バインダーには[キハールⅡ]が接続される。
装備換装によってあらゆる局面に対応可能な万能MSの開発を目的とする、ティターンズの次世代主力機開発計画。TR-1からTR-5はそれぞれが新機軸の機構やシステムを開発するためのテスト機であり、その集大成がTR-6[インレ]である。決戦兵器の開発計画的な側面も持つTR計画だが、予算をはじめ必要なリソースはティターンズによる優遇措置によって賄われた。グリプス戦争の末期に完成し、戦後にその設計データと実機の一部がティターンズ残党の手で火星にわたり、レジオン建国戦争に貢献した。また、本計画で実用化された技術の多くは、以降の機動兵器開発に様々な形で影響を与えている。
RX-124 ガンダムTR-6[ウーンドウォート]をコアとし、[ファイバーⅡ]と[ダンディライアンⅡ]を装着した決戦兵器形態。TR計画の中核で、「単機で敵陣に強行突入し、制圧を可能とする弾道兵器」を開発コンセプトとする。MRX-009 サイコ・ガンダムをも凌駕するサイズと複雑なシステムのため、単独での開発は困難と判断された。そのため、開発計画自体をTR-1からTR-5の各TRシリーズに分散し、各機でシステムの開発とテストを実施。それにより、各機能や機構の実用性を検証し、そこで得られた兵器システムを具体化させることで、完成に漕ぎ着けた。TR計画自体は、[インレ]運用の拠点である衛星軌道基地SSD(スターシップダウン)の開発までが含まれていた。また、サイコミュを搭載した強化人間専用機への改装や、外惑星への侵攻を想定した惑星間航行ブースターの搭載なども予定されていた。
高度な汎用性を有するMSにオプションパーツを換装することにより、あらゆる任務への対応を目的として開発された機体。実際に多数のオプションが開発され、その中でもFF-X29A Gパーツ[フルドド]を装備した[ヘイズル・ラー]は、特に優れた機動性を発揮した。コクピットを[プリムローズ]に換装した[ヘイズル・アウスラ]は、TR-6[インレ]のオプションパーツなどにも対応している。また、ジオン公国軍残党などの反連邦勢力への心理的影響を試験する意味もあってガンダム系の頭部が採用されている。その成果が、TR-6全ての強化形態の素体となる[ウーンドウォート]へと結実した。
RX-107 ロゼットに大気圏突入用モジュール[ダンディライアン]を装備した機体。大気圏突入とそれ以降の状況変化に合わせた形態を採ることで、それぞれの状況において最高のポテンシャルを発揮することを前提に設計されている。変形時にはパーツを破棄するため、前の形態に戻ることは不可能である。本機で得られたデータを基に[ダンディライアンⅡ]が開発され、[ウーンドウォート]の大気圏突入ユニットとして用いられた。また、[インレ]の下部ユニットを構成するパーツともなる。
TR-6[インレ]の主兵装であるハイパー・ロングレンジ・キャノンのテスト用に開発された機体。MSやMAに搭載・運用可能な長射程・高出力ロングレンジ・ビーム・キャノンで、推進器や管制システム全体の検証も同時に行われた。管制ユニットにはYRMS-106 ハイザック先行量産型を採用。これは地球連邦軍のジム系MSに比べ、機体構造がユニット化されているためである。このため、動力パイプを繋ぎ変えることで、機体をビーム・キャノンのエネルギー供給源として用いることが可能となった。その発展形であり、威力を最大規模に高めた[ビグウィグ・キャノンⅡ]が、[ファイバーⅡ]の胴体中央部に搭載されている。