「Gパーツ」とは、一年戦争時に地球連邦軍が開発した支援戦闘機兼MSの強化パーツである。RX-78 ガンダムの強化パーツとして開発された「Gアーマー」は最初期のGパーツで、MSの欠点である行動範囲の狭さを解消。さらにGアーマーが分離した各パーツはコア・ファイターなどとの組み合わせで、戦闘兵器として運用された。この汎用性と運用性の高さがGパーツ最大の特徴である。MSの機能強化と単体での戦闘力の確保という、Gアーマーのコンセプトは戦後も引き継がれた。グリプス戦役期にはエゥーゴ製のGパーツであるFXA-05D Gディフェンサーが開発される。RX-178 ガンダムMk-Ⅱ用の強化パーツとして運用されたGディフェンサーだが、機体の攻撃力と航続距離、機動性を向上させる点はGアーマーと同じであった。そして、以降も改良を重ねながらディフェンサーユニットとして使用され続けることとなる。これに対抗してティターンズが開発した機体が、FF-X29A Gパーツ[フルドド]である。「TR計画」において建造された本機は、計画の目的である「パーツ換装による万能機の開発」の一端を占めていた。ガンダムTR-1と[フルドド]の組み合わせによって換装システムの構築に成功。そのデータはTR-6に生かされることとなる。
[ヘイズル改]と[フルドド]が合体した[ヘイズル・ラー]第一形態に、[アドバンスド・ヘイズル]用のオプションパーツを装着した形態。本形態は[ヘイズル・ラー]フルアーマー形態と呼称され、より高度な汎用性を獲得している。命名法則上の別名は[アドバンスド・ヘイズル・ラー]だが、各所のウェポンラッチをフル活用し、全身にくまなく装備を纏うことから「フルアーマー」の名称が与えられた。
2機の[フルドド]が合体した形態で、よりMA的な特性が強調されている。本機で得たデータは、RX-139 ハンブラビのMA形態の開発に活用されたことから、「TR試作ハンブラビ」との愛称で呼ばれることもある。
ガンダムTR-1[ヘイズル・ラー]にさらにもう一機の[フルドド]を装着した形態。2機目の[フルドド]は股間部のマルチ・ウエポン・ラックを介して接続される。これにより攻撃力などは大幅に向上したが、MSとしての汎用性は低下する結果となった。また、本形態にブースターを装着した「クルーザー・モード」では、MA的な機体特性を獲得、その戦闘力は第三世代MSに匹敵する。
「TR計画」において開発されたティターンズ製のGパーツである[フルドド]を経て、[フルドドⅡ]が完成した。[フルドドⅡ]は、TR-6を構成するパーツとして極めて重要な役割を担っている。この「Gパーツを機体に組み込むという構想」は、TR-6と同時期に完成した敵勢力の第三世代MSであるMSZ-010 ZZガンダムやMSA-011[Ext] Ex-sガンダムと、コンセプトにおいても同一である。GフォートレスやGクルーザーがそれで、航続距離の延長や戦闘機・爆撃機としての運用、そして合体分離などによる運用性の向上を果たすこととなった。そしてTR-6では上記のZ計画機への対抗兵器という概念から、[フルドドⅡ]とMSの融合が当初から盛り込まれていた。その結果、開発された形態がRX-124 ガンダムTR-6[ハイゼンスレイⅡ]である。[ウーンドウォート]に高速戦闘用の強化パーツを装着した形態で、MA形態への変形が可能。また、MA形態は上半身と下半身に分離することが可能で、状況に応じた運用がなされる。[フルドドⅡ]のもうひとつの特徴として、ドラムフレームによる超重装備の運用が可能になった点が上げられる。これによりMAクラスの大型機器が搭載できるようになったばかりか、決戦兵器である[インレ]への進化を可能としたのである。こうした組み替え換装によるMSの強化機構こそが、Gパーツの真価と言えよう。
TR計画における汎用素体の完成体で、TR-1からTR-5までで培った各種新技術を盛り込んで開発された小型MS。TR-1[ヘイズル]で実験された「万能化換装システム」が採用されたことで、極めて高性能な機体として完成した。最終兵器(=インレ)の合体分離機構の一部を構成するMSでもある。単体でも小型MSとして高い性能を有しており、その出力を生かした一撃離脱を主な攻撃方法とする。
[ウーンドウォート]と2機の[フルドドⅡ]が合体した形態。火力や推力、航続距離などが向上した結果、一撃離脱戦法により特化した機能が付与され、素体本来の性能がさらに強化されることとなった。また、フルドドⅡが備える両肩と腰のドラムフレーム部を介して、様々な超重装備を装着し運用することが可能である。
TR計画によるGパーツ開発実験用の試作機「フルドド」の完成版で、TR-6をはじめとしたティターンズ製MSの強化パーツとしての機能を有している。プリムローズとブーストポッド、股間のサブアームで構成されるコクピット・ブロックと、推進器の機能を持つ両肩のドラムフレームユニットをコアとしている。通常の[ウーンドウォート]と組み合わせを想定しているが、専用ユニットの装着による局地対応型MAとしての運用が可能など、その換装バリエーションは多岐にわたる。
[ヘイズル]2号機に[ヘイズル改]と同等の強化パーツを換装した改修機。頭部への光学センサー・ユニットの装備に加え、全身のラッチに各種の強化パーツを搭載する。各種パーツの搭載などによって、試作実験機がゆえに偏っていた性能やバランスが高次元で調整され、より実戦に即した機体として完成した。
RGM-79Q ジム・クゥエルをベースに開発された[ヘイズル]の改修機。強化パーツの実験母体として、機体各所にマルチウェポンラッチを設置、全天周囲モニターへの換装、インターフェイスの更新などが行われた。さらに各パーツも専用にチューンされたものに変更されている。また、各所のラッチに[フルドド]を装着することで、[ヘイズル・ラー]へと変化。総合性能も大幅に強化された。
Gパーツ[フルドド]は、ガンダムTR-1[ヘイズル改]の強化パーツである。[ヘイズル改]との合体で「ラー形態」となり、機体の総合性能を一世代相当底上げする。ウイング・ユニットをAMBAC肢として使用することが可能で、機体そのものも小型MAとして運用できる。
[ヘイズル改]と[フルドド]が合体した形態。この「第一形態」時は、背部に装着した[フルドド]のウイングがバインダーとしての機能を発揮する。また、合体により攻撃力と機動力が大幅に向上し、第二世代MSの中でも高級機に属するアナハイム製ガンダム──MSF-007ガンダムMK-ⅢやMSN-00100 百式等のバインダー搭載機を凌駕する性能を獲得している。