Vol.55

GLORIA グロリア副総裁

火星サイドA/アルカディアシティを治めるレジオン政府の総裁であり、かつてサイド3に興ったジオン公国を支配したザビ家の血を継ぐと称される少女アリシア・ザビ。そのアリシアの姉妹であり、アリシアの側近として傍に付き従うのが彼女——グロリア・ザビである。「繭入り」と称される月に一度のアリシアの休息時には彼女に代わって組織を束ねる。姉の統治する火星を発展させる為に努力を重ねている。姉の唱える政策や思想に盲目的なまでの信頼を寄せ、その忠実なる代弁者として振る舞いを見せる。そのためアリシアと同等の存在として、レジオン軍の部下からの信頼も厚い。彼女自身、ニュータイプ能力を持つ強化人間で、パイロットとしての優れた技量を有している。それは、専用のガンダムTR-6を所有、有事には自ら先頭に立ち戦闘を指揮することからも明らかである。それを示す例として、フォボス宇宙港での攻防戦での活躍が知られる。攻防戦において彼女は、自身専用TR-6に「フレアユニット」と呼ばれる強化武装の一部である無数のウェポンコンテナを装備、拠点防御形態である通称[クインリィ形態]で出撃、ジオンマーズの迎撃にあたった。

︎ARZ-124 GUNDAM TR-6[WONDWART] PSYCHO BLADE CUSTOMガンダムTR-6[ウーンドウォート] サイコブレードカスタム

RX-124 ガンダムTR-6は、「TR計画」における最終目標を成し遂げるために、ティターンズの旗のもとで開発された。TR-6は、「万能化換装システム」と呼ばれる強化装備の組み替え機構を備えており、その機能による「全軍への配備機の規格統合」と「決戦兵器化」を可能とする。そして各種強化装備の換装と運用を行う管制ユニットとしての使用を前提とした小型MSが、[ウーンドウォート]である。本機は、TR-6のあらゆる換装形態の中核となるユニットである。背骨部分に搭載されたドラムフレームの堅牢さを生かし、本機単体でのMA形態への変形が可能。胴体のコクピット・ブロック部分は分離してモビルポッドとして機能するなど、単体でも多彩な機能を有したMSである。そしてTR-6の真価は、素体となる[ウーンドウォート]を中核として、換装によって実現される無限とも言える運用形態にある。強化装備の組み換えによりあらゆる任務に対応する万能性を有し、その最終形態が決戦兵器[インレ]となる。戦局を覆す力を内包しながらも、様々な思惑によってグリプス戦役では活躍することのなかったTR-6だが、遠く火星の地に渡り、そこで本来の性能を遺憾なく発揮する舞台が与えられた。本図の機体は火星レジオン軍に配備されたその[ウーンドウォート]の中でも、副総裁であるグロリア機をはじめ少数だけが存在する指揮官機仕様。頭部には「サイコブレード」と呼ばれるサイコミュ送受信用のブレードアンテナが搭載されており、それが一般機との外見的な違いとなっている。

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