「日本の文化の新しい顔に」KADOKAWAのマンガ・ラノベ図書館がリニューアルオープン!最大5万冊を収蔵可能な唯一無二の図書館に

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取材・撮影・文●キャプテン住谷

ところざわサクラタウン・角川武蔵野ミュージアム内にある「マンガ・ラノベ図書館」が、2021年7月8日(木)にリニューアルしました。2020年8月に開館して以来、KADOKAWAが出版するほぼすべてのライトノベルやセレクトされたコミック、児童書を約2万5千冊収蔵していた同図書館。改装を行い、KADOKAWA以外の出版社の協力を得て、このたび収蔵数を約3万5千冊に増やしてのオープンとなります。本稿では、その船出を祝うべく行われた記念セレモニーの模様をレポートしていきます。

 

 

セレモニーは公益財団法人 角川文化振興財団 理事長の角川歴彦さんによる開式の辞からスタート。ライトノベルという文化が誕生してから30年、かねてより構想していた専門図書館を実現できた喜びを語るとともに、多くの出版社から協力を得られたことへの感謝を改めて述べました。「ライトノベルはマンガと並ぶ、日本特有の出版物。日本の文化の新しい顔になれるんじゃないかと思っています。出版社の皆さん、ぜひここを書店ではできないようなキャンペーンやイベントを開く場としてもらいたい」と、セレモニーに参列した関係者たちへアピールしました。

 

続いては、角川武蔵野ミュージアム館長の松岡正剛さんが登壇。松岡さんはライトノベルのライト=軽という概念に焦点を当て、「日本では浮世絵や軽演劇など、ずっと昔からライトなものを楽しむ文化があった。どうしてライトノベルというものが日本に定着したのか、それはこれから解かれていくと思います。この図書館を通して、その意味を少しでも解読したり、伝えていきたい」とコメント。

 

講談社 代表取締役社長の野間省伸さんは、今では広い年代に愛されるようになったライトノベルについて「かつては若者特有の文化であり、権威からは遠いものとされてきました。若者の葛藤や恋愛模様を描いてきたライトノベルは、本当の意味での青春の書。他のジャンルにはない作者と読者の距離の近さがいろいろな才能を呼び込み、一大ジャンルとして成長した」とスピーチ。また、マンガ・ラノベ図書館については「ラノベ界のアレクサンドリア図書館というか、ここに貯蔵されている本を読んで、後世の人たちがインスピレーションを得られるような場になって欲しい」と語りました。

 

KADOKAWAの顧問であり、本館のディレクターを務める井上伸一郎さんからは、リニューアルの概要説明がありました。現在約3万5千冊を収蔵している本館は最終的に5万冊が収蔵可能であること、またリニューアルにあわせてオープンした「ダ・ヴィンチストア『マンガ・ラノベ図書館』サテライト店」では、今後協力を得た各社の新刊も取り揃え、作家によるサイン会・トークショーなども開催予定であることを語りました。

 

ラノベ好きだというモデルの十味さんは、「ラノベとの出会いは、友達に勧められた『バカとテストと召喚獣』。テストの点数で召喚獣が戦い、カーストが決まるという設定や、どこか共通点を感じる主人公たちが魅力的でした」と回想。また、十味さんはオタクとしての自分のルーツが『とある魔術の禁書目録』にあるとトーク。「想像力と、一歩踏み出す勇気をもらいました」と話しながら、「ここでならまた、新しい本に出会えるドキドキやワクワクが味わえるのではないかと思います」と笑顔を見せました。

 

セレモニーの最後には、リニューアルにあたり協力を得た18社を記したボードをアンベール。さらに各社代表とともに記念撮影を行い、イベントは終幕となりました。

 

セレモニー後は、井上さんに対して質疑応答ができる時間もありました。マンガ・ラノベ図書館を設立した理由を改めて問われた井上さんは、ライトノベルが歩んできた30年以上の歴史のなかで、休刊となってしまったレーベルの作品をアーカイブしておく必要があると感じたと回答。必要によっては、個人が所有しているものから提供を受けることも考えていると明かしました。また最大5万冊を収蔵可能な本館ですが、書架に出す本は4万冊を目処として、随時バックヤードと入れ替える予定とのこと。バックヤードを含めると、10万冊ほどを収蔵できるキャパシティがあるそうです。このたびのリニューアルにあたって『ロードス島戦記』の帯つき初版本など、角川スニーカー文庫が誕生するより前の貴重な本も収蔵されたと話しました。

 

ここからは、リニューアルしたマンガ・ラノベ図書館の模様をフォトレポートでお届け。角川武蔵野ミュージアムのエントランス(2階)から、1階へと下ります。入り口ではKADOKAWAのライトノベル作品に登場するヒロインたちがお出迎え。

 

一歩足を踏み入れると、新刊をずらりと並べた本棚が登場。さらに奥へ進むと「異世界」を舞台にした作品がまとめて展示されており、このような特集展示を随時行っていく予定とのことです。

 

ギャラリー的な展示になっている1階に対し、2階の書架にはライトノベルがぎっしり。館内は吹き抜け構造になっており、開放的な気分での読書が楽しめそうです。天気の良い日には、庭園に出ての読書も可能とのことです。

 

そのほか、1階の随所にはこれまでに発売されてきたラノベキャラクターたちのフィギュアも展示されています。日常と非日常が交差する、テーマパーク的な趣もあるマンガ・ラノベ図書館。ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。

 

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