アフレコ後の古谷さんの一言に安彦監督も「自信がつきました」『機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島』ザクの日スペシャル会見レポート
2022年6月3日に劇場公開される『機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島』。本作は『機動戦士ガンダム』のエピソードのひとつ、第15話「ククルス・ドアンの島」をリメイクした映画作品です。そんな本作から、古谷徹さん(アムロ・レイ役)、武内駿輔さん(ククルス・ドアン役)といったキャスト陣に加え、監督を務める安彦良和氏が登壇したスペシャル会見がザクの日である2022年3月9日に開催。作品にまつわる様々なトークや、制作秘話が語られた会見となりました。
登壇時には古谷さんから「40年ぶりに15歳のアムロを演じることができて、こんなに嬉しいことはない……」と、アムロの声でセリフをオマージュしたファンサービス満点の自己紹介で登場。
まずは、本作のお話を最初に聞いた時の感想が質問されると、古谷さんは「驚きました。“なんでククルス・ドアン?”と思いました。TVアニメの1話分の話だったけど、どうやって劇場作品になるんだろう」と思っていたそうですが、「とても素敵なストーリーの回でしたから、現代の技術で映像化されると聞いてワクワクしましたね」と期待していたことを明かします。武内さんは両親がガンダム世代だったということもあり、両親の影響で安彦監督や古谷さんが関わった作品を観ていたということで、「生ける伝説のスタッフ陣のなかに参加して演技させていただくことはプレッシャーもありましたが、すごく光栄でした」とコメント。
安彦監督には、なぜ今回第15話がピックアップされたのかという質問がされると、ネットで“作画崩壊”と検索すると「ククルス・ドアンの島」のエピソードが話題に上げられていることを最近知ったことを話し、「そういった意味でも因縁のある話ですが、偶然サンライズの新旧ふたりの社長がいる場がありまして、この映画をやりたいと伝えた」という秘話があり、実現した作品であると明しました。
ここで、新たに公開されたホワイトベース隊のキャラクターたちが描かれた作品のビジュアルがスクリーンに映し出されると、「懐かしい」と古谷さんと安彦さんは感慨深い様子でした。また、第15話には登場していなかったスレッガー・ロウが描かれている部分について、安彦監督は『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』のときに変更を加えた時系列をもとに本作を制作したことを話し、そのなかで変更されている部分もあるとのこと。また、もともとは約20分のエピソードを映画にした本作の制作では「リメイク作品ではありますが、オリジナル作品を作っているような感覚だった」と振り返る場面もありました。ドアンについても、TVアニメ版とは少し違ったイメージになっているそうで、武内さんは「少し人物像が変わっていたり、他の作品に登場したことがないような“劇場版ならではのドアン”になっています」とコメントしました。
そんな映画の出来について安彦監督は「僕のなかでは上出来だと思っています」と自信をのぞかせると、キャストふたりの印象についても「この間ダビングの時に改めて武内さんの声を聞いて、いい声だな、いいドアンだなってみんなで聞き惚れていました。古谷さんがアフレコした時はまだ絵がない状態でしたが、さらにお若くなられたと思いました。制服も着ていない本当の15歳の少年のシーンも多いですが、非常にハマってました」と2人を称賛。これに対して古谷さんも「監督がアムロの一挙手一投足を丁寧に描いてくださったので、とても演じやすかったです」と返していました。
ここで、本作の特報映像もはじめて公開され、キャストのお2人も初めて観たということで、「かっこいい」「鳥肌たちました」と興奮された様子。古谷さんも最新映像で描かれたザクの姿に「言いたくないですけど、かっこよかったですね」とコメントして笑いを誘うと、「モビルスーツが今回すごくリアルに動くので、そういう部分も見どころだと思います」と、注目ポイントも語られました。
また、TVアニメ版の第15話「ククルス・ドアンの島」の印象的なシーンとして、ドアンのザクが岩を投げるシーンが話題にあがると、安彦監督は本作の制作時にこのシーンの存在を忘れていたそうで、スタッフの方から言われて、改めてTVアニメ版を見返したというエピソードを披露。古谷さんもこのシーンについて「どうなっているのかは劇場で確認してほしい」と気になるコメントを残しました。
そして、事前にSNSで募集されたファンからの質問に答えるコーナーでは、ククルス・ドアン役として武内さんを起用した理由について質問されると、安彦監督から「スタッフの方がピックアップした声優さんのなかであまりにも声がピッタリだったので即決しました」というエピソードを披露。その後も喋る武内さんに対して、「素でこの声なのがすごい。地声でこんなにいい声かよと参っちゃいましたね」と大絶賛でした。
会見の最後には、ファンに向けたメッセージとして「40年ぶりにガンダム、そして未熟で純粋なアムロがスクリーンに帰ってきます。劇場版として15歳のアムロを演じるのは、もしかしたらこれで最後になるかもしれません。なので、この映画でいきいきと動いているアムロを僕の声とともに皆さんの記憶にとどめていてほしいと思います。ファーストガンダムを観たことがある方は映画のなかで随所に“あっ”と思うシーンやセリフが出てきますので、そこも楽しみにしていてほしいです。ぜひ劇場で観て、この『ククルス・ドアンの島』が何を訴えているのかを考えてみてほしいです」(古谷さん)、「今回の映画は、ガンダムの予備知識が全くない方でも楽しめる作品になっていると思います。“なぜこのタイミングで「ククルス・ドアンの島」を?”と思っている方もいると思いますが、観ていただければ伝わると思いますので、まずは気軽な気持ちでぜひスクリーンに足を運んでくださると幸いです」(武内さん)とそれぞれコメント。
安彦監督は「古谷さんも“劇場で15歳のアムロを演じるのは最後かもしれない”とおっしゃっていましたが、僕にとってのガンダムは最初の『機動戦士ガンダム』しかないんです。本作をやれてもう思い残すことはないので、たぶん『ガンダム』を映像で作るのはこれで最後になると思います」と前置きしつつ、「古谷さんが最初にアフレコをやってくださったのですが、アフレコの帰り際、古谷さんが『家で練習していて泣きました』と話してくれたのは嬉しかったですね。“いい話だったんだ”と、その一言で自信がつきました」という2人の感動的なエピソードで会見は締めくくられました。
DATA
機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島
- 2022年6月3日(金)全国ロードショー
- 配給:松竹ODS事業室
(C)創通・サンライズ
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