「15歳のアムロがスクリーンに帰ってきました!(古谷徹さん)」「いい仕事をさせてもらいました(安彦良和監督)」『機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島』公開記念舞台挨拶レポート

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取材・撮影・文●キャプテン住谷

2022年6月3日(金)より、ついに全国ロードショーとなった『機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島』。本作はTVアニメ『機動戦士ガンダム』の第15話「ククルス・ドアンの島」をもとに、安彦良和監督がみずから新たに作り出す映画作品となっています。6月5日(日)には、東京の丸の内ピカデリーにて公開記念舞台挨拶が開催。アムロ・レイ役の古谷徹さん、ククルス・ドアン役の武内駿輔さん、カイ・シデン役の古川登志夫さん、セイラ・マス役の潘めぐみさん、マルコス役の内田雄馬さん、カーラ役の廣原ふうさんらキャラクターを演じた声優陣に加え、主題歌「Ubugoe」を歌う森口博子さん、そして安彦良和監督が登壇し、トークショーを披露しました。

 

最初の挨拶では「15歳のアムロがスクリーンに帰ってきました!」と、感無量な様子でコメントする古谷さん。潘さんは「今日はガンダムに縁のある母からスカーフを借りてきました」と、身につけているスカーフがララァ・スン役などで知られる母・潘恵子さんのものであることを語りました。ステージ上には、本作を鑑賞したファンからの感想が集められた巨大ボードがセッティングされており、「泣いた」というコメントを見つけた古谷さんは「僕もリハーサルの時に泣きました」と共感。武内さんは「観た後にほっこりする、心が温まるというコメントもあって、本当にその通りなんですよ。エンドロールにも工夫があって、素晴らしいじゃないですか。(本作でガンダムを観るのが)初めてという方がいるのも嬉しいです」としみじみ。

 

本作におけるアムロというキャラクターの魅力を改めて問われた古谷さんは「15歳の純粋な少年で、『僕が一番上手くガンダムを使えるんだ!』と、エース・パイロットたらんとしている。シャアのように、女性を戦いに利用することもなく(笑)。今回改めて演じてみて、好きだなぁと思えました」と、宿敵であるシャアに関する冗談を交えてトーク。「ドアンを応援した」という感想を紹介された武内さんは「ドアンという男はもちろん強いんですが、それでも限界があったりして。限界を感じたからといって諦めることなく、少しでも状況を良くしたいという取り組みが、アムロの心を柔らかくしたんじゃないかと思います。そういう心が、皆さんに届いたのかな」と心中を吐露しました。

 

古川さんは「(アムロ役の)徹ちゃんとこうしてふたりで並んでイベントに出られるとは。戦争の犠牲になるのはいつだって小さい者たちで、ガンダムという作品はそこに切り込んでいる。こうして『ドアン』に出られたのは、嬉しいですよね」と話しました。潘さんは「ホワイトベースのクルーとしてのセイラを演じるのは、初めてでした。ガンダムを長く愛してくれてるファンの皆さんに“おかえり”と受け入れてもらって、皆さんの帰ってくる場所になれたらと。本作で初めてガンダムに触れる方たちには、私から“ようこそ”と言いたいです」と噛みしめるようにコメントしました。

 

劇中でのアムロとのやりとりについて問われた内田さんは「皆さん、アムロはすごいパイロットなんだという印象があると思うんですが、本作では素の少年としての印象がダイレクトに伝わってきます。マルコスがいることで、“普通の子と変わらないんだ”ということが分かる。同時に、マルコスを通すことで子どもたちから見た大人(ドアン)の大きさを感じることもできます」と、本作におけるマルコスの視点の重要さを語りました。

 

声優として初の映画作品出演になるという廣原さんには、その演技に心を打たれたというファンたちの言葉が紹介されました。「カーラの魅力や内に秘めた思いを伝えられるかと心配していましたが、光栄な言葉です」と笑顔で受け止める一方、森口さんは『機動戦士ガンダム THE ORIGIN IV 運命の前夜』で主題歌を担当した時のことを回想。「当時のイベントで40代だった私は、『50代になってもガンダムの歌を歌います』と勝手に宣言しちゃって。安彦監督がその時のことを覚えていてくださって、本作でも歌って欲しいといってくれました」と主題歌を担当することになった経緯を明かしました。森口さんは続けて「(Ubugoeは)カーラの心情を歌った曲なんですが、産声というのは子どもはもちろん、カーラ自身にも産声があって。アムロやドアンも日々生まれ変わっていて、それぞれに産声を上げている。それを大切にしていきていたいという思いを込めています」とメッセージを語りました。

 

6月3日の公開以降、全国動員数が15万人を超え、興行収入もまもなく3億円を突破するという本作の勢いを伝えられた安彦監督が「そういう数字は全然ピンとこないんですが、標的は『トップガン(マーヴェリック)』です」と話すと、客席からは笑い声が。「実は客席から(自分の)作品を観たことがなくて、ワガママを言って(舞台挨拶前の)上映を途中から客席で観させてもらいました。そうすると『ああ、ここはNGだなぁ……』というシーンが目について。実は、劇場でDVDを売る関係で、公開日の2ヶ月前には作品を完成させなきゃいけないんですね。僕は『DVDなんか売ったら皆観に来てくれなくなるから、そんなのはいいからギリギリまで作り直そうよ』と言ったんですけど……」と悔しそうな表情。制作スタッフからは現場で一番元気だったのは安彦監督という話があがっており、「監督はまだまだ(作品を)作れると思います。皆さんも観たいですよね!」とMCが問いかけると、客席が拍手で応える場面もありました。

 

最後の挨拶では「心温まるテーマがしっかり打ち出されていて、とっても素晴らしい作品。その主人公のアムロをまた演じられたことに感無量でいます。本作をたくさんの皆さんに届けたい、見てもらいたい。監督もまだまだ元気ですし、2人(古谷さんと古川さん)も15歳の声がそれぞれできています」と、さらなる「安彦ガンダム」に期待を寄せる古谷さん。安彦監督は「さっきは数字のことはよく分からないと言いましたが、数字で辛い思いをしたこともあるので、ありがたいです。ファーストが好きだけどずっと心残りがあって、そこの手応えを感じられる、いい仕事をさせてもらいました。本当にありがとうございました」と感謝を述べ、舞台挨拶の幕を引きました。

 

DATA

機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島

  • 全国公開中
  • 配給:松竹ODS事業室

(C)創通・サンライズ

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