『攻殻機動隊 S.A.C』と大沢在昌氏!? セキュリティイベント「サイバー攻撃を目撃せよ!」をレポート!
2016年3月5日、ベルサール秋葉原1階にて、セキュリティ向上の啓発イベント「サイバー攻撃を目撃せよ!秋葉原0305」が開催されました。これは、2月1日~3月18日まで行われている「サイバーセキュリティ月間」の一環で、攻殻機動隊製作委員会とNPO 日本ネットワークセキュリティ協会(以下、JNSA)、そして内閣サイバーセキュリティセンターの協力によるものです。
プレス向け発表会では、内閣サイバーセキュリティーセンターの副センター長で内閣審議官の谷脇康彦氏が同センターの説明とセキュリティの現状を語った後、Production I.Gの石川光久代表取締役社長と作家の大沢在昌氏が登壇し、セキュリティに関するトークショーを行いました。
発表会冒頭に登壇した谷脇氏は、内閣サイバーセキュリティーセンターの自己紹介から語り始めました。それこそ攻殻機動隊に出てきそうな名称の組織ですが、主に、以下の2つのミッションを遂行しているそうです。
- 政府機関に対する攻撃の監視・解析・対処を担う政府のCSIRTとしての役割。
- 複数の政府機関にまたがるサイバーセキュリティ関連施策を国家戦略として統合・推進する役割。
※Computer Security Incident Response Team=シーサート。ネットワークの監視やセキュリティ上の問題解決を行う組織。
なかなかカッコイイ組織で、攻殻機動隊の世界観にも合いそうですね。そして、谷脇氏の風貌も、どことなく“攻殻”で描かれる、デキる政府関係者を思わせます。
谷脇氏は、世界中で起きているサイバー攻撃の実態をはじめ、スマートメーター(ネットワーク管理による電力メーター)や車載コンピュータの普及によるセキュリティリスクの急拡大、日本におけるリスクの深刻化などを語りました。
大沢在昌氏と石川光久社長がトークショーを
続いては、Production I.G代表取締役 石川光久氏と、作家の大沢在昌氏によるトークショーが行われました。
近未来の警察組織を描く“攻殻”と、“新宿鮫”シリーズで現代の警察を描く直木賞作家大沢在昌氏のトークショーということで、かなり興味深いものとなりましたが、大沢氏からまず出た言葉は、「攻殻機動隊が好き」とのひとこと。「電脳空間という言い方はすごくいい。実際以上に、存在する脅威を感じさせる」と、攻殻機動隊の世界観やその設定について触れました。
石川社長は、「技術が発達しても人間の本質は変わらない。攻殻機動隊のシリーズは、人間の行動を基本にして作っていて、人の本質を描こうと戦っています」と、シリーズ全体の基盤となる考え方を述べました。
また「(自分が作品を書くときは)頭の中は犯罪者。今度はどんな悪いヤツがどんな悪いことをするんだと、それを決めないと動けない」という大沢氏は、攻殻機動隊とのコラボ企画はとても賢い選択だと語り「この企画を考えた人が犯罪者になったら稼げたのではないか?」と語り、会場を笑わせました。
マンガ小冊子やクリアファイルが貰えるスタンプラリーも
「サイバー攻撃を目撃せよ!秋葉原0305」ではこのほか、攻殻機動隊のVR特別映像体験やJNSAによるクイズ大会、『攻殻機動隊 S.A.C』とサイバーセキュリティ月間の公式コラボマンガの小冊子とクリアファイルがプレゼントされるスタンプラリー企画なども開催されていました。
DATA
サイバー攻撃を目撃せよ!秋葉原0305
- 開催日:2016年3月5日(土)
- 開催場所:ベルサール秋葉原1階ホール及びイベントスペース
関連情報
(c)士郎正宗・Production I.G (c)講談社・「攻殻機動隊 新劇場版」製作委員会