2022年「#クリスマスおもちゃ」トレンド記者発表会レポート!売上絶好調なおもちゃ業界の現・最重要キーワードとクリスマス商戦の8大トレンドを紐解く!
日本玩具協会と東京玩具人形協同組合は、2022年11月30日(水)に浅草橋ヒューリックホールでクリスマスおもちゃの最新トレンドを紹介する記者発表会を開催しました。毎年12月はクリスマスシーズンということもあり、おもちゃ業界にとって重要な月になっています。そのため、各メーカーともこの12月に照準を合わせて商品の準備が進められています。
今回の発表会では、最新トレンドのキーワードに沿った約60点のおもちゃが展示されていました。本稿ではその中から、特に目立った商品をピックアップしてご紹介していきます。
過去最高売り上げを記録する玩具市場
クリスマス商戦のキーワードは「大人」
玩具市場は2014年に8,000億円の大台を達成。以降8年連続でこの数字を維持しています。昨年度(2021年度)は8,946億円と、前年度比で8.5%プラスとなっており、調査開始以降過去最高の数字を記録しています。そうしたことから、日本玩具協会・会長の前田道裕氏は、冒頭の挨拶で「玩具にはまだまだ開拓や成長の余地がある」と、市場の成長に期待を寄せていました。
今年2022年は過去最高の売り上げを記録するとも言われている玩具市場ですが、特にこのクリスマス時期にキーワードとなっているのが「大人」だと、東京玩具人形協同組合・理事長の齋藤晴正氏は言います。この「大人」には3つの側面があります。1つ目は、「おもちゃがヒットするために親の心を捉えることが重要になってきている」ということ。メーカーは開発やマーケティングで、親の視点を重要視しています。
30年以上毎年クリスマスでもっとも売れるおもちゃは、定番ブランドの商品です。こうしたおもちゃは、両親の世代が小さい頃に遊んだ懐かしい思い出として、プランドを記憶していることも大きな要因となっているのです。
2つ目は、「大人も子供が一緒に楽しめるおもちゃの人気も高まってきている」こと。一緒におもちゃを遊ぶことで、コミュニケーションツールとしてニーズが高まっているのです。
そして3つ目は、「大人マーケットの拡大」です。この市場の伸びは近年顕著になってきています。以前の大人マーケットは、プラモデルやフィギュアなどでしたが、今は子供が遊ぶようなおもちゃで大人ことも遊ぶことが増えてきています。そのため、こうした大人市場を拡大するような工夫をどんどんしていくと、齋藤理事長は豊富を述べました。
2022年のクリスマスおもちゃ・8つのトレンドに迫る!
今回のイベントでは、2022年におけるクリスマスおもちゃのトレンドを8つのキーワードに分けて、それぞれブースで商品の展示が行われていました。
【トレンドキーワード・その1】
親子と一緒に熱く盛り上がるバトルホビーやRC
親子と一緒に遊べるおもちゃは、大きく分けてふたつの種類に分けることができます。ひとつは、大人も遊んでいて熱くなるバトルホビー系のアイテムです。こちらは主に父親が子供と一緒に遊んで盛り上がるのに最適なおもちゃとなっています。
「チョロQチャレンジ!Q極対戦セット/日産」は、プルバックで対戦ができるほか大きなプレイマップを使って遊べるおもちゃとなっています。
「キャップ革命 ボトルマン BOT-43 ブレンド合体 ロイヤルグリフォンDX」は、ペットボトルのキャップを飛ばすおもちゃとなっており、カスタマイズすることで性能が変わるところが特徴となっています。
「BBブラスター スピンチャージ 煌」は、シューティングバトルが楽しめる赤外線ガンです。簡単にいうと、サバゲーの遊びを簡易化したようなもので、お互いの銃目がけて撃ち合うことで音や振動などでリアルなバトル体験ができます。
赤外線を使っているということでそれほど広くない場所で遊ぶものかと思いきや、なんと70メートルほどの距離が離れた場所でも楽しむことができるとのこと。また、屋外と屋内のどちらでも遊べるように、銃自体に切り替えスイッチが付けられています。弾は出ないのでなくす心配もなく、撃ち終わった弾丸を拾い集める心配も不要というところもポイントです。
「1/12 R/C スプラッシュローバー」は、IPX6の防水性能とIPX5の防塵性能を持ち、陸上も水上も自由自在に走り回ることができる4WDのラジコンです。最大登坂40度というパワフルな走行性能も魅力となっています。
ここ数日ワールドカップの話題が日本中を席巻していますが、まさにそんな盛り上がった気分をおもちゃでも楽しむことができるのが「サッカー盤 ロックオンストライカーDX オーバーヘッドスペシャル サッカー日本代表ver.」です。ボールをキープしたりパスをしたりと、シュートコースを潰すなど、サッカーならではの戦術が楽しめるほか、なんとオーバーヘッドシュートやヘディングシュートもできるギミックが盛り込まれています。
トレンドキーワード・その2
親子一緒にワイワイ作るメイキングトイ
実用的なものやおしゃれをテーマにしたメイキングトイでは、母親と娘など親子が会話しながら一緒に楽しめるクリスマスおもちゃがピックアップされていました。「リアルミシン ファッションスタジオ」は、糸カートリッジをセットすることですぐに縫える本物のミシンとして使えるおもちゃです。セット内容で、トートバッグやロールペンケース、シュシュやポーチといったアイテムを作ることができます。
「ラブネイル ネイルスタンパー すみっコぐらしDXセット」は、スタンプするだけですみっコぐらしのネイルを楽しむことができるおもちゃとなっています。
中でも異色を放っていたのが、「クルクルのりまき工場」です。こちらはおもちゃでありながら、本物をのりまきを作ることができるというなかなか意欲的なものとなっています。型に合わせることでお米やのりを切ることができるほか、レールに沿ってマシンが移動していくことでのりが巻かれてネタを乗せていくといった課程も楽しむことができます。
若干『バック・トゥ・フューチャー』のオープニングで犬のアインシュタインに自動でエサを与えるマシンに近いような挙動も見受けられますが、そうした部分も含めて、遊んで作って食べて楽しめるものとなっています。
【トレンドキーワード・その3】
おじいちゃん、おばあちゃんも一緒に楽しめちゃうクリスマスおもちゃ
おもちゃが前世代になってきたことで、親子だけではなくおじいちゃんやおばあちゃんも楽しめるものが増えてきました。3世代にわたるおもちゃとして有名なのが、今から64年前の1958年に初代が発売された「野球盤」です。その最新バージョンである「野球盤3Dエース スーパーコントロール」では、なんとピッチャーが9方向に投げ分けることが可能になっています。
1968年に初代が発売された定番ボードゲームの「人生ゲーム」ですが、最新版では「人生ゲーム ゴールデンドリーム」となり、お宝を集めていくゲームになっています。ピンの色も全て金色になっており、家族ではなく仲間という扱いになっています。お金も金色に輝いており、全体的にゴージャスな雰囲気が漂っているところが特徴です。
【トレンドキーワード・その4】
復活!昭和の人気ゲーム
昭和の時代に大ヒットしたおもちゃが復活を遂げたところも、2022年のトレンドとなっています。その中で特に注目したいおもちゃが「元祖モグラたたきゲームシリーズ 飛び出せ!いかりの親分モグラ」です。
2022年で45周年を迎えた定番のおもちゃ「モグラたたき」ですが、最新版ではエコに配慮して、なんと電池を使わずギミックだけで遊べるようになっています。子モグラは連結することができるほか、あえて場所を話すことで難易度を上げることも可能。また、複数購入していっぱい繋げることもできるようになっています。
【トレンドキーワード・その5】
大人も子どもも楽しめるガジェットトイ
おもちゃの未来を切り開いていくような、注目のアイテムがガジェットトイです。「MUGENYOYO/ムゲンヨーヨー」は、アプリ連動やNFC搭載、ARエフェクトといった最近の技術にも対応したヨーヨーです。日本発のTikTokとも連動したおもちゃとなっており、保存した動画はほかのSNSでも投稿することもできます。
最大のポイントは、ムゲンと付いていることもからもわかるように、電動でヨーヨーが回り続けるため、様々なアクションが簡単にできるところです。昔、ヨーヨーチャンピオンに憧れて遊んだことがある世代の方もおられると思いますが、これなら簡単に挑戦できるので良いですね!
「VITAL BRACELET BE デジヴァイス -VV-」は、心拍や歩数といった運動の活動データと連動して、キャラクターの育成が楽しめるおもちゃです。スポーツと健康志向と、おもちゃが融合したアイテムとして注目を集めています。ちなみにこちらのアイテムは、アニメ『デジモンゴーストゲーム』にも登場する予定ということなので、合わせてチェックしておきましょう。
【トレンドキーワード・その6】
自分へのご褒美に最適なおもちゃ!
クリスマスは特別なひとときとして楽しみたいという人は多いと思いますが、そんな自分へのご褒美に最適なおもちゃがピックアップされて展示されていました。「トミカプレミアム 07 ランボルギーニ エッセンサ SCV12」は、リアデザインなど細部のディテールまでリアルに再現したミニカーです。サイズ感は普通のトミカとあまり変わりませんが、見た目が繊細で所有感を満たしてくれそうですね。
また、近年人気が高まる一方のガンプラからは、「MGEX 1/100 ストライクフリーダムガンダム」がピックアップされ展示されていました。ガンプラ史上最高峰の金属表現に挑戦しており、プロポーションと可動を両立させているところがポイントとなっています。
【トレンドキーワード・その7】
クリスマスプレゼントの大本命!毎年売れるおもちゃの定番
毎年最も売れるおもちゃは、変身ベルトにスーパー戦隊のデラックスロボ、トミカ、プラレール、リカちゃん、シルバニアファミリー、アンパンマンなどです。またいずれのシリーズも、両親からの支持も高いところが追い風になって居ることに加えて、2022年の新商品では大きく進化しているところも特徴となっています。
「変身ベルト DXデザイアドライバー」は、ライダーコアIDとレイズバックルの付け替えでシリーズ史上最大の10種のフォームに変身遊びができるおもちゃです。ガチャガチャ付け替えまくる楽しさや、5つのLEDによる派手な演出など仮面ライダー気分を堪能することができます。
6月に「おもちゃ大賞2022」のキャラクター・トイ部門で大賞を受賞した「DXドンオニタイジン」は、全高約360ミリという迫力溢れるサイズ感のおもちゃです。ただ大きいだけではなく、それぞれの関節部分は稼働可能となっており、様々なアクションポーズが取れるところも特徴となっています。
「プラレール サウンドチェンジ!マイステーション4WAY」は、組み立て方を変えることで、4つの駅が再現できるプラレール用の駅です。また、駅の携帯によって異なるパターンの音声が流れるところも特徴となっています。
【トレンドキーワード・その8】
最先端のおもちゃ「デバイス型トイ」はさらに多彩に!
最先端のデバイス型トイでは、パソコンなどをモチーフにしたユニークなおもちゃが展示されていました。「カメラもIN!マウスできせかえ!すみっコぐらしパソコン プレミアム」は、子供向けにパソコンをおもちゃ化したというものではなく、本格的なデバイスとなっています。
ギミック的にも面白い部分は多く、マウスを着せ替えることで画面に表示されるキャラクターも連動して変化。キーボード配列は通常のパソコンと同じため、キーの場所を覚える練習にも役立ちます。それをサポートするかのように、内部にはタイピングアプリなども搭載。さらにそれにとどまらず、プログラミング学習など、なんと110のアプリと183のメニューからコンテンツが選べるようになっています。
「メダルでバトル!!恐竜図鑑パソコンΩ(オメガ)」もこの系統のおもちゃですが、こちらは付属のメダルをマウスにセットすることで恐竜を召喚してバトルができるという遊びが楽しめます。さらに「講談社の動く図鑑MOVE」恐竜シリーズとコラボしており、マシンの中で図鑑を見られるところもポイントです。また、小さな子供でも楽しめるように、フルボイスで案内が流れるため、安心して遊ぶことができます。
序盤でもチラリと触れましたが、12月は玩具業界にとって最も大事な月ということもあり、毎年この時期に同様の記者発表会が行われるようになってきました。2022年は過去最高を記録するのではないかと期待されていますが、2023年にはどんなおもちゃがトレンドになるのかも気になるところですね。
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