新怪獣14体も発表された『ウルトラマンブレーザー』プレミア発表会レポート。先行上映会で第2話のみを公開する異例の事態に「理由は放送で1話を見てくれれば分かる」と田口清隆監督
2023年7月8日(土)からテレビ東京系6局ネットで放送開始となる新TVシリーズ『ウルトラマンブレーザー』。そのプレミア発表会が、6月12日(月)に東京・池袋のサンシャイン劇場にて行われました。ステージにはウルトラマンブレーザーに変身する主人公・ヒルマ ゲント役の蕨野友也さんをはじめ、アオベ エミ役の搗宮姫奈さん、バンドウ ヤスノブ役の梶原颯さん、ミナミ アンリ役の内藤好美さん、ナグラ テルアキ役の伊藤祐輝さん、ハルノレツ役の加藤雅也さんたちメインキャストがそろって登場。さらにメイン監督の田口清隆さんと、オープニングテーマを歌うきただに ひろしさん、エンディングテーマを歌うMindaRynさんも登壇し、会場に集ったファンへ向けてライブやトークを披露しました。
発表会はまず、きただにさんによるライブパートからスタート。本作オープニングテーマ「僕らのスペクトラ」を生歌唱で初発表するという、ファンにとってはたまらない演出が用意されていました。クライマックスにはウルトラマンブレーザーも登場! 緩急のついたアクションで決めポーズを取り、イベントの開始を華々しく彩りました。
続いてステージに呼びこまれた登壇者からは、それぞれ初めの挨拶として意気込みや自身が演じる役についての紹介が行われました。「まさか自分がウルトラマンになれるとは。子どもの頃、登下校中に赤白帽を被ってウルトラマンになりきっていました。それが結婚して、今の自分と同じような境遇の役でウルトラマンの歴史の1ページに加われるとは……みなさんが納得できる作品をお届けできるよう、今日まで取り組んできました」と蕨野さん。搗宮さんは「エミちゃんは軸がしっかりしていて、やりたいことに突き進んでいく子です。でも弱さもあって、みなさんに愛されるキャラになれるんじゃないかと。キャスト陣もみんなしっかりしていて、大人な、新しいウルトラマンになると思います」と緊張した面持ちで語りました。
「ウルトラマンはずっと見ていましたし、スーパーファミコンのゲームとかも好きでやってたんですよ。まさか自分が……」と語り始めた梶原さんは「ヤスノブは機械が好きで、名前をつける機械フェチなところがあります」と自身の役を紹介。内藤さんは「撮影中はまるで夢の中にいるみたいで、今日ここにこうして立てるまで実感がありませんでした。撮影してるけど、本当にオンエアされるの……?みたいな(笑)。やっと喜びの実感がわいてきたので、今日からこの気持ちに向き合えそうです」と率直な胸中を吐露。さらに自身が演じるミナミ アンリについては「朴訥とした人物で、任務が一番という感じ。最初はみんなとの接し方について戸惑うところもあるんですが、そのなかで自分の才能を覚醒していける、というところも。裏表のない女性なので、そういう面での人間模様にも注目してほしいです」とアピールしました。
伊藤さんは「ウルトラマンを本当に愛してくれているみなさんに、作品ができましたとご挨拶できるのが本当に嬉しいです。副隊長をやらせてもらっていますが、ひとことで言うと縁の下の力持ち。怪獣生物学を専門にしていて作戦立案を担当するという役どころなので、キャストやスタッフさんにとっても頼りになる存在になりたいと思いながらやってきました」と静かながら熱いコメントを残しました。加藤さんは「ウルトラマンは初代から見ているので、私にとってウルトラマンは見るものであって出るものではないという感覚。(出演が決まり、自分が)“やるんだ”という驚きと、こんなにも人気があるんだという驚きがありました。私の役は色々と語ることができない役なんですが、ひとつ言えるのは……私はウルトラマンにはなりません」とジョークを交えて会場の空気を掴みました。
田口監督は「本作でウルトラマンを担当するのは10本目、10年目です。今までに培ったものを全部ぶち込みました。今回は脚本の段階から携わっているので、もちろんキャスティングする前にそれぞれのキャラクター像を作っていくんですが、SKaRDのみんなは台本からそのまんま出てきたのかと思うくらいで。特に蕨野さんは、ゲントさんと話しているのか蕨野さんと話しているのか分からなくなるくらい(笑)」と各キャストのハマり具合に太鼓判を押しました。田口監督は続けて「本作のテーマはコミュニケーション。それは現場でも実践しようと自分に課してきました。特報で“これまでとは違う作品を作ろう”という面を押し出しましたが、ウルトラマンの明るく楽しい部分はそのままに、いい意味でいつものウルトラマンになっていると思います。ただ、下敷きにしているものにはすごく手の込んだことをやっています」とファンの心をくすぐります。また本作の撮影は現時点ですべて完了しており、特撮パートも撮り切っているとのこと。現在は仕上げの段階に入っていることも明かしました。
序盤からボリューム満点なトークパートの次なるお題は「キャストから見た本作の見どころ」について。加藤さんが「ゲントに子どもがいるのは衝撃的ですよね。どんな人物なのか、ウルトラマンは普段どんな思いでご飯を食べているのか……」と話すと、客席からは笑い声が漏れました。パスを受けた蕨野さんは「隊長が変身するというのも初の試みだったので、撮影ではとにかく責任を感じていました。新しいことに挑戦する責任感というか……」と自身の心境を振り返りました。
伊藤さんは「僕たちは初めましての状態でSKaRDに集まって、そこから輪を深めていくことになります。僕らがどういう距離感で進んでいくのかというつながりや、僕らとブレーザー、僕らと怪獣の関係も変化していく。キャストやスタッフさんとたくさん話し合いながら作りました。その変化の先に何があるのかに注目して欲しいです」と、本作の根幹に関わる魅力をアピール。続く内藤さんが「本作の見どころといえば、“彼”がいないと始まらないですよね?隊長、お願いします!」と切り出すと、蕨野さんが「了解。アースガロン、出撃!」と合図を送り、ステージにはSKaRDが擁する23式特殊戦術機甲獣・アースガロンが登場!
内藤さんは「アースガロンのコクピット内部がすごく細かくて、本当に情景が浮かぶような作りなんです!」と興奮気味。さらに「目がかわいくて、SKaRDのワッペンもアースガロンの目がモチーフになっているんですよ」と劇中設定についても触れました。梶原さんは「やっぱりアースガロンとでっかい怪獣との戦いは見どころです。これでマッハ4で走れるんですよ!戦闘機でもマッハ1です。さっき調べました(笑)」と目を輝かせました。
搗宮さんは「本作はやっぱりウルトラマンブレーザー、ゲント隊長の物語なんですけど、そのなかでも各キャラクターの心の動きが細かく描写されていて、どんどん成長していきます。彼らがどんな思いで生きてきたのか、ちょっとした変化や摩擦、葛藤など、俳優陣でたくさん話し合いました」と役作りに関する取り組みを回想。蕨野さんは「本作のテーマはコミュニケーションですが、では“コミュニケーション”とは?各々の解釈もありますし、ゲントとして、上司としてどんな距離感で(隊員たちに)接すればいいのか、そういうことを考えながら取り組みました。ブレーザーにいつ変身するのか、どう戦い、どれくらい強いのか?というところが見どころではありますが、そこまでには僕たち(SKaRD)がバトンを渡さなきゃいけない。もしかしたら、ブレーザーからバトンを渡されることもあるかも知れない」と熱の込もったメッセージを送りました。
発表会では、蕨野さんによるウルトラマンブレーザーへの生変身ポーズも披露! 感想を問われると「少し恥ずかしいですね。こんなにたくさんの方に見られながらの変身は恥ずかしいですが、地球を守るためですので」とはにかみ混じりで応えました。
蕨野さんのポーズに応えて登場したウルトラマンブレーザーについては「羨ましいです、僕も変身したい!(梶原さん)」「腕のところの筋肉や、胸筋がすごくて……(内藤さん)」「変身した後に胸で呼吸するんですよね。そこがたまらないです。ぜひ放送開始したらドアップで確認してください(伊藤さん)」「僕も昔は変身したかったです。今変身するならキングですかね。で、何もせずに帰っていく(加藤さん)」とそれぞれにコメントを送りました。
また、キャスト陣全員でバンダイから発売される玩具「電光変身 DXブレーザーブレス」を用いた変身にチャレンジするコーナーも。蕨野さんからは変身に対するレクチャーも行われ、「まず、強く願う。“俺が行く”と。それからストーンを取り出して……ストーンには向きがあって、ここに小さな三角形のマークがあります」と玩具ならではのポイントについても触れると、会場は笑い声で包まれました。加藤さんが三角形の目印を見つけられなかったり、梶原さんがブレーザーブレスを逆向きで装着していたというトラブルがありながらも、最後はキャスト全員で変身完了することができました。
発表会の終盤には、エンディングテーマ「BLACK STAR」を生ライブで初披露! タイ出身のアーティスト・MindaRynさんが登壇し、ガールズロックテイストに仕上がっている曲を歌い上げました。
ライブ後は改めて発表会の出演者全員が登壇し、きただにさんとMindaRynさんに向けて、それぞれのテーマ曲を担当することが決まった時の気持ちについて問われました。「男子に生まれたからにはヒーロー、ウルトラマンへの憧れはありました。そのテーマ曲を歌わせてもらえるのは嬉しいですね。あと、母親が喜んでいました」ときただにさん。MindaRynさんは「私が行っていた幼稚園でもウルトラマンの歌が流れていましたし、ウルトラマンはタイの子どもたちにとって初めてのヒーローです。知らない人はいないし、言葉が出ないくらい光栄です」と語りました。それぞれの楽曲については「仲間とのコミュニケーションがメインテーマになっています。困難を乗り越える時、一人じゃ難しい時もある。仲間を信じること、仲間に信じてもらうこと、ひとつになって戦うぞ!という気持ちを歌っています」とMindaRynさん。きただにさんは「ストレートに、ブレーザーへの応援歌として仕上がったかなと思います。よろしくお願いします!」と力強くアピールしました。
発表会の最後には、本作で今後登場するという怪獣がなんと14体もお披露目! そのなかでも7月中に放送される第4話までに登場する怪獣、バザンガ・ゲードス・レヴィーラ・タガヌラーについては名前が明らかになりましたが、その他の怪獣については姿のみの紹介となりました。
発表会を締めくくる最後の挨拶を任された蕨野さんは「これまでに多くのスタッフさんや裏方さん、多くの人たちに支えられて、僕は今ここに立っています。『ウルトラマンブレーザー』をひとことで表現するのは難しいですが、“信じる心だけを信じて”やってきました。いつかみんなを守れる存在になりたいと思っていたから、ブレーザーが僕のところにやってきてくれたんだと思っています。走り切るために、俺たちと一緒に戦ってくれ!」と熱い血潮を感じるメッセージを送りました。
発表会の後には、『ウルトラマンブレーザー』第2話の先行上映も行われました。会場ではなぜ第1話ではなく第2話を上映するのかについて説明があり、第1話はSKaRD結成前のエピソードゼロ的な内容になっていること、また本日登壇したSKaRD隊員たちの登場が第2話からであり、本作のテーマを感じてもらえる内容になっているからと案内がありました。また上映後には、改めて登壇者全員が姿を見せ、会場のファンに向けて挨拶をする場面もありました。
「第2話を見て、“意外と王道だな”と思った方も多いかもしれません。なぜ1話を上映しなかったのかは、放送で第1話を見てもらえたら分かります。25話まで突っ走るので、お楽しみに(田口監督)」
「ウルトラマンの数ある歌のなかで、みなさんのお気に入りプレイリストに入れてもらえたら嬉しいです!(きだたにさん)」
「ブレーザーの力を借りて、いつもよりパワフルに歌うことができました。早く世界中のみなさんにこの作品を見て欲しいです!(MindaRynさん)」
「本当に話が深い。ウルトラマンと怪獣を通して、絶対に楽しめる作品になっていると思います(加藤さん)」
「先程より近くでみなさんを見ることができて、嬉しいです。この作品を良くするにはどうしたらいいのか、本当にたくさん話し合いました。それをみなさんにお届けできて良かったです(伊藤さん)」
「第1話は正直、度肝を抜かれると思います。最後までみなさんと駆け抜けられると嬉しいです!(内藤さん)」
「これまでとは良い意味で違ったところが多くて、みなさんにとってたくさんの初めてに出会えると思います(梶原さん)」
「内藤さんもさっき言っていたように、私もようやく実感がわいてきました。(言葉につまりながら)精一杯作ってきました。本当に……楽しみにしていてください! ありがとうございました!(搗宮さん)」
「ここに来るまでに様々なことがありました。『ウルトラマンブレーザー』はメッセージ性のある作品ですが、それは僕たちから教えるのではなく、みなさんの気持ちで受け取って欲しい。現場の空気がカメラを通して伝わると信じてやってきました。日本だけじゃなく、世界中の人たちにこの熱量を届けたい。第1話を見てもらったら「やべぇぞこの作品」と、みんなを僕たちの世界に引き込めると信じています(蕨野さん)」
DATA
ウルトラマンブレーザー
- 放送開始日:2023年7月8日(土)
- 放送時間:毎週土曜日 午前9時~9時30分
- 放送局:テレビ東京系6局ネット ほか
- 製作:円谷プロダクション・テレビ東京・電通
- 出演:蕨野友也 ほか
- メイン監督:田口清隆
- メイン脚本:小柳啓伍
- シリーズ構成:小柳啓伍・田口清隆
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