西武園ゆうえんち「ウルトラマン・ザ・ライド 世紀の大決闘」がスタート!新たにデザインされたウルトラマンやゼットンにまつわる裏話をはじめ、アトラクションに乗ってみた感想をレポート!
埼玉県所沢市の西武園ゆうえんちにて、ウルトラマンをテーマにした新ライド・アトラクション「ウルトラマン・ザ・ライド 世紀の大決闘」が2023年7月14日(金)からスタート! その前日となる7月13日(木)には、100名以上のファンを招待したプレスイベントが行われました。イベントでは本アトラクションの稼働を記念するフォトセッションや、その映像製作を担当した山崎貴さん・津野庄一郎さんに対するクリエイターズインタビューを実施。この記事では、「ウルトラマン・ザ・ライド 世紀の大決闘」でしか味わうことのできない映像体験に対するこだわりや裏話が語られたインタビューを中心に、当日の模様をレポートしていきます。
この日集まった取材陣の前には、『ジュブナイル』で監督デビューし、『ALWAYS 三丁目の夕日』『永遠の0』『STAND BY ME ドラえもん』など数々の代表作を世に送り出してきた山崎貴監督(写真右)、そしてユニバーサル・スタジオ・ジャパンのV字回復の契機となった「ハロウィーン・ホラーナイト」では総合プロデューサーを務めるなど、卓越した実績を誇るショークリエイターの津野庄一郎さん(写真左)が登場。「ウルトラマン・ザ・ライド 世紀の大決闘」にまつわるトークを展開しました。
──制作秘話やアトラクションにかけた情熱、ウルトラマンへの想いや考え方について
山崎さん:『ウルトラマン』は子どもの頃に初めて見た特撮作品なので、僕の原体験といえるものです。子どもの頃の自分に「ウルトラマンの仕事やるぞ!」と教えてあげたいです(笑)。
津野さん:こういった映像作品は、大体が海外のクリエイターによって作られることが多いです。西武園ゆうえんちという場所で、このクオリティと完成度の映像体験を日本のクリエイターが作り上げたということに意味があると思います。日本の底力を改めて示すことができたと。
──制作プロセスやバックボーンについて
山崎さん:ウルトラマンもゼットンも、本作にあわせたオリジナルデザインになっています。ほぼ180度の視界を覆うスクリーンでの体験となり、きっとファンのみなさんもウルトラマンやゼットンを近くで見たいだろうと思ったので、超高精細なディテールで制作しています。手間のかかる作業で大変でしたが、スタッフが頑張ってくれました。「そこにいる体験」を味わってもらえるかと。
津野さん:ウルトラマンのデザインはすごく重要ですし、直感的にカッコいいと思えるものを目指しました。普段ではあり得ないほどの距離や角度で見ることができるのがポイントです。特に登場シーンでは、鳥肌が立つほど神々しいウルトラマンがご覧いただけると思います。
──ゼットンの造形に対するこだわりは?
山崎さん:「ゴジラ・ザ・ライド」でも頑張ってくれためちゃくちゃ優秀なスタッフが、ものすごく怖いゼットンを作ってくれました。ウルトラマンを追い詰めるのにふさわしいゼットンです。ラフのイラストでOKが出てから3Dデータを作成するのですが、最近はデータができたら3Dプリンターでオリジナルのフィギュアを作って、角度の調整などを行っています。ほぼ趣味に近いですね(笑)。
津野さん:僕も子どもの頃に『ウルトラマン』を見ました。ゼットンは日本の子どもたちに衝撃とトラウマを与えた、唯一の存在。若い人のなかにはゼットンを知らない人もいると思うので、登場した時に、直感的に「ヤバいヤツが出てきた」と分かる不気味さを意識しています。唯一無二のゼットンができているんじゃないかと。
──ゲストが科特隊の隊員として味わう体験について
山崎さん:はじめにゲストはコミューターという乗り物に乗って、巨大なトンネルを移動していきます。錯視を利用しているんですが、これが結構上手くいっていて。秘密基地の内部やジェットビートルが離陸していく横を通っていくという、ファンにはたまらない体験をリアルなサイズ感で味わうことができます。
津野さん:ゲストのみなさんがいかに没入して飛び込めるか、傍観者でなく、物語に登場する当事者として体験してもらいたいということを第一に考えた時、ウルトラマンと一緒に戦う科特隊員が一番いいのではないかということになりました。ものすごい速さで空を飛ぶ疾走感や浮遊感、バトルに飛び込んでいく体験が楽しめる仕上がりになっています。
──最後に、ゲストのみなさんへ一言
山崎さん:一度乗ってしまったら逃げられない、ものすごい体験が待っています。自信あります! 身を任せて、100%楽しんでもらえたら。
津野さん:「ゴジラ・ザ・ライド」を導入した時に、たくさんの方から「西武園ゆうえんち舐めてた!」と感動の言葉をいただきました。そんなすごい満足度を獲得してるゴジラと並んでも遜色ない、しかしまた異なった体験が待っています。ぜひ、たくさんの方に体験してもらいたいと思います。
イベントの最後には、実際に「ウルトラマン・ザ・ライド 世紀の大決闘」を体験することもできました。導入部分では科特隊の制服に身を包んだ西武園ゆうえんちのスタッフさんによる手引きで、新入隊員として出撃することになるゲストたちへ世界観の説明が行われます。山崎監督の言葉にもあったように、錯視によって基地内を昇降したり、出撃ポイントへと移動する演出を楽しみながら、ゼットンが現れるまでにも登場してきた怪獣たち……アントラーやレッドキング、グビラにゴモラなどの映像も登場。またブリーフィング中には科特隊のキャップとして、『ウルトラマンZ』ではバコさんの愛称で親しまれるイナバ・コジロー役を演じた橋爪淳さんの映像出演もありました。
ゲストが実際に乗ることになる乗り物は、富士急ハイランドの「ええじゃないか」と同じく(とはいえこちらは回転するような動きはなく、映像にあわせて激しく揺れる程度)足が完全に宙に浮くタイプ。しかし、搭乗後は乗り物が大きな半球状のスクリーンに向かって乗り出す形となり、これだけで高所が苦手な方が心配になるくらいの浮遊感があります。いざアトラクションが始まると、声優の大塚明夫さんが声での演技を務めるキリヤ隊長についていき、昭和レトロな街に突如出現した謎の物体へと急行する流れに。街中のビルや電線、路面電車などをスレスレに飛んでいく体験はスリル満点。それなのに、ウルトラマンとゼットンの戦いに放り込まれたらどうなってしまうのでしょうか……その真相は、ぜひ実際に味わっていただきたいところです。
アトラクションを振り返り、個人的にもっとも強く印象に残ったのは、やはりゼットンの不気味さ。本アトラクションのために新たにデザインされたゼットンは、歴代のものよりも体表のテクスチャーがより生物っぽい質感になっており、それが眼前にまで迫ってくる体験は誇張抜きで背筋が冷えるような感覚がありました。ファンはもちろん、絶叫系のアトラクションが好きな方も間違いなく楽しめるものになっていると感じます。
アトラクションのほかには、西武園ゆうえんち内の独自通貨「園(セイブエン)」を使って買うことができるフードや物販アイテムも。鮮やかなフルーツと夏にピッタリな甘酸っぱいソースが添えられた「ウルトラマンのプティング アングレーズソース仕立て」や、後ろ半身の赤い部分がクリア素材になっている「指人形 ウルトラマン 西武園ゆうえんちスペシャルカラーver.」、来園の記念やおみやげに適した「ナリキリカチューシャ」「ウルトラマンサブレ(ウルトラマン・ザ・ライド版)」など、西武園ゆうえんちでしか買うことのできない限定商品が用意されています。こちらもお見逃しなく!
DATA
ウルトラマン・ザ・ライド
- 場所:西武園ゆうえんち 夕陽館
- オープン日:2023年7月14日(金)
- 体験時間:約10分(プレショー含む)
- 対象:4歳以上かつ、身長100cm以上(130cmに満たない場合は18歳以上の保護者の同伴が必要)