「おじさんやおじいちゃんと呼ばれる人たちに楽しんでもらえる(山路和弘さん)」「ジジイの時代がきた!(チョーさん)」映画『SAND LAND』ジャパンプレミアレポート

本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

取材・撮影・文●キャプテン住谷

『DRAGON BALL』をはじめとする数々の名作やキャラクターデザインを手がけ、世界中にその名を知られる漫画家・鳥山明先生。そんな先生の作品のなかでも、“圧倒的完成度を誇る名作”とファンに称される『SAND LAND』の映画化作品が、いよいよ2023年8月18日(金)より公開となります。8月15日(火)にはTOHOシネマズ日比谷にてジャパンプレミアが開催され、田村睦心さん、山路和弘さん、チョーさん、鶴岡聡さんたち声優陣に加えて主題歌アーティストのimaseさん、横嶋俊久監督が登場。本編鑑賞前の観客に向けて、トークショーや主題歌の生ライブを披露しました。

 

本作の主人公・ベルゼブブ役に決まった時の心境を問われた田村さんは「小さい頃から『DRAGON BALL』を見て育ってきた私が、まさか鳥山明先生の作品に出られるなんて! オーディションはコロナ前にあって、PVの収録をした後、しばらく(本編のアテレコまで)時間が空いたんですよ。なので、もしかすると受けたのはPVのオーディションで、本編では違う人がやるのかと……」とコロナのあおりを受けた制作について回想。また自身が演じるベルゼブブについては「悪魔の王子で、悪魔といったら悪い存在というイメージがあるんですけど、ベルゼは心根がピュアなんです」と語りました。

 

鳥山明先生が「一番好き」と公言しているという、ラオ役の山路さんは「悪い役ばかりやってきて、(ラオのような)世の中のために動く役をやることがあまりないんですよ。田村くんが言っていたように、PVのオーディションだったのかと思っていました」と続けます。「(キャラクターの)平均年齢が高いアニメで、あまりない作品。世の中の“おじさん”や“おじいちゃん”と呼ばれる人たちに楽しんでもらえると思います」と茶目っ気たっぷりにコメントしました。

 

それを受けたシーフ役のチョーさんは「ジジイによるジジイのための作品です! ついにジジイの時代がきたか!」と大喜び(?)。客席から沸き起こる拍手を身振り手振りで締める(タモリさんのチャッ!チャチャチャ!のリズムで)という体を張ったパフォーマンスでトークを盛り上げます。

 

敵役となるアレ将軍を演じた鶴岡さんは、「鳥山明先生の作品に一度は飛び込んでみたい」という願いが叶った心境について言及。「正直、やっている最中はついていくので精一杯でした。キャラクターと心をあわせることが最優先だったので、自分の浮ついた気持ちを出すような余裕はなく……。完成を見て、“この世界に飛び込むことができた”んだと実感しました」と話しました。

 

本作の大きな見どころである、ベルゼブブ・ラオ・シーフのトリオによるやりとりが話題になると「なかなか3人そろっての収録はできなかったんですけど、(かけあいが)軽妙で楽しい。ピンチになったり大変なシーンもあるので、3人がどう乗り越えるかに注目してください」と田村さん。山路さんは「人間よりも、魔物の方が純粋な気持ちを持っていると思いました。ベルゼブブとシーフの漫才のようなやりとりを穏やかに見守っていると、つくづく幸せな気持ちになれます」と笑顔を見せました。チョーさんは「みなさん、転覆トリオとかナンセンストリオとか知らないでしょ? 昭和はトリオの時代だったんですよ! ボケがいて、ツッコミがいて、真面目がいる、この3人で上手いことやっていくんです。この3人が織りなす模様を楽しんでもらえれば」とユニークに作品の魅力を伝えました。

 

そんな3人を見て、鶴岡さんは「収録中、この輪の中に入りたかったです!」と正直な胸中を吐露。その一方で「(自身の役が)国王軍ということで、いかにその空気を破壊するか。いかに大きく壊せるかがテーマでした」と振り返ると、「アレは良かったよね(山路さん)」「良いよね!(チョーさん)」「私も大好きなキャラなんです(横嶋監督)」と男性陣からそれぞれに賛辞が送られました。

ジャパンプレミアの前にはサンディエゴ・コミコン、ファンタジア国際映画祭と本作が海外のイベントにも参加してきたことを振り返る場面もありました。ファンタジア国際映画祭では審査員特別賞を獲得したことについて、改めてお祝いするシーンもありつつ、横嶋監督からは「参加する直前まで作業していてヘロヘロな状態で、2,000人入る会場でお客さんが来てくれるのかと心配もありました。多くのお客さんに見てもらえましたし、ギャグシーンは笑ってくれたり、良いシーンでは拍手も起こったり。字幕だったので(席が)後ろの方の人は見えなかったのではと思うのですが、みなさん本当にリアクションが良くて……」と海外のファンのあたたかさに触れた思い出を語りました。

 

ここからは、主題歌「ユートピア」を担当したimaseさんが合流。挨拶では本作に参加できたことの喜びを語りつつ、作詞作曲を手がけた主題歌については「(原作を)読んで、(本作を)見て、本当に大切なものは近くにあるんじゃないか。そして自分を愛することも大事なんじゃないかと思った気持ちを込めました。作品が持つワクワク感やアドベンチャー感、華やかできらびやかな感じを目指しています」とトーク。さらにはその主題歌を観客の前で生披露し、会場を盛り上げました。

 

感想を問われた田村さんは「『SAND LAND』は骨太な戦いもあるんですけど、最後はこういった爽やかなユートピアを感じさせる物語だと思うので、とても合っていて良いと思います」とコメント。また最後は登壇者を代表して「みなさん、(トークショーは)楽しかったですか? この後、さらなるワクワクがみなさんを待っています。絶対絶対、楽しんでいただけると思います。いろんな世代の方が楽しめる作品になっていますので、ぜひ公開後も劇場へ足を運んでみてください」と挨拶し、ジャパンプレミアを締めくくりました。

 

関連情報

 

関連記事

上に戻る