2023年に福岡市美術館でスタートした「日本の巨大ロボット群像―巨大ロボットアニメ、そのデザインと映像表現-」。今あらためて巨大ロボットの存在と意義を問うという斬新な試みは大きな話題を集め、大成功を収めました。そして満を持していよいよ関東へ上陸!! 現在、横須賀美術館で開催中です。
▲今回初展示となる巨大絵画と、そのアーティストである宮武一貴さん。宮武さんは1972年放送の『マジンガーZ』からロボットアニメに関わり、現在公開中の『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』でもメカニックデザインを務めるレジェンドの一人なのです。
「日本の巨大ロボット群像」は日本のアニメーションジャンルの中でも特別な位置にある「ロボットアニメ」にフォーカスして、その原点である『鉄人28号』を起点に、デザインや映像表現という視点から見つめ直すことがテーマです。日本の歴史を交えた独自の視点からの考察。ロボットの大きさを体感できる1/1サイズの展示や貴重な資料、そして宮武一貴さんや加藤直之さんによる本展覧に描かれた作品など、ここでしか見ることのできない内容が待っています!!
▲『宇宙の戦士』に登場する機動歩兵は、モビルスーツのアイディアになったことでも知られています。展示は1/1サイズで、機動歩兵に入ってフォトスポットとしても利用できます。
▲『鉄人28号』のエリア。ロボットアニメの中で、これほどリメイクが繰り返された作品も稀有といえるでしょう。実写ドラマや映画作品も含め、日本の時代背景を絡めて各作品を解説しています。
▲1970年は日本でロボットアニメというジャンルが生まれた時代です。その進化と発展を『マジンガーZ』『ゲッターロボ』『勇者ライディーン』『超電磁ロボ コン・バトラーV』『鋼鉄ジーグ』などの作品から検証します。そして宮武一貴さんによる巨大絵画(1970年代編)も展示されています。
▲宮武一貴さんが所属するクリエイター集団「スタジオぬえ」にスポットを当てたコーナーです。『ゼロテスター』『宇宙戦艦ヤマト』などの代表作をピックアップして紹介しています。
▲スタジオぬえのクリエイターである加藤直之さんによる「軌道都市」。機動歩兵と同じ世界にモビルスーツが存在したら……? そんな「もしも」のテーマを独自の視点から描いた大型の絵画です。
▲『機動戦士ガンダム』の第1話に着目し、モビルスーツの巨大感がどのように描かれていたかを検証するコーナーです。画面をレイヤー分割することで、約18メートルの巨大メカを演出するためにスタッフが試みたアイディアが伝わるアカデミックな企画です。
▲ガンダムが1/1サイズで床に敷かれています。第1話でアムロがガンダムに乗り込むときのシチュエーションが体感できるのです。
▲アニメロボットの中でも比較的コンパクトサイズの『メガゾーン23』のガーランド、『ルパン三世 PART2』のラムダを1/1サイズで展示しています。劇中では市街地に現れたロボットのサイズ感をリアルに知ることができるのです。
▲1990年代となり、巨大ロボットアニメは1970年代を思わせるスタイルに回帰する作品も生まれていきました。その回帰を時代ならではのアイディアとともに見ていきます。写真は『地球防衛企業ダイ・ガード』で、どこか懐かしいデザインの巨大ロボットと独自のリアリティを絡めた作品となっていました。
▲本展覧会の見どころとなる、宮武一貴さんによる大型壁画(1990年代編)です。ゲキ・ガンガー3、ビッグオー、ガオガイガーが宮武さんによって描かれたというだけでも大きなニュースでしょう。独特の視点で表現された巨大ロボットの魅力を、その目でご覧になってください。
▲最終章では押井守さんほか、現役クリエイターに巨大ロボットを語っていただきました。ロボットアニメの今後を考えるうえでも貴重な証言となっています。ぜひじっくりお読みください。
▲「巨大ロボット群像」に合わせて、横須賀市ではVR企画「メタバースヨコスカ」も行われています。その目玉は宮武一貴さんデザインの「みかさロボ」。横須賀市出身の宮武さんだからこそ描けたその勇姿をVR空間で体験してください!! ちなみに「みかさロボ」のデザインは横須賀美術館に展示されていますからお見逃しなく。
なお、本展の図録は会場で発売中。展示資料を掲載するだけでなく、宮武一貴さん、加藤直之さんのインタビューも行いました。さらに現役クリエーターの方々のインタビューがロング・バージョンで収録されています。加えて注目なのが音声ガイドです。声優の銀河万丈さんと水樹奈々さんが各作品を丁寧にわかりやすく、ときどきマニアックに語っておりますから、展示とともにご活用ください。水樹奈々さんの「パイルダーオン」も聴けます!!
開催概要
日本の巨大ロボット群像-巨大ロボットアニメ、そのデザインと映像表現-
- 会場:横須賀美術館
- 会期:2024年2月10日~4月7日 開館時間10:00~18:00
休館日 3月4日(月)、4月1日(月)
※以降、高松市美術館(2024年4月20日~6月16日)、京都文化博物館(2024年7月6日~9月1日)など追加巡回を調整中
- 観覧料(税込):一般 1,300(1,040)円、高校生・大学生・65歳以上 1,100(880)円、中学生以下無料
*所蔵品展、谷内六郎館も観覧できます。
*( )内は20名以上の団体料金
*高校生(市内在住または在学に限る)は無料
*身体障害者手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳をお持ちの方と 付添1名様は無料
- 企画協力:廣田恵介、タルカス(五十嵐浩司)
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