【全特撮ファン必読!】映画『破裏拳ポリマー』イベントに坂本浩一監督と中村浩二さんが登場 『仮面ライダーW』『ウルトラマンガイア』の撮影秘話も披露
人気俳優・溝端淳平さんを主演に迎え、タツノコプロの同名アニメを実写化した映画『破裏拳ポリマー』。2017年10月27日(金)には、本作のBlu-ray&DVDがいよいよ発売となります。それを記念して、10月19日(木)には坂本浩一監督と、劇中最初の敵となるジンを演じた中村浩二さんが登壇する記念イベントが行われました。本稿では、その模様をレポートしていきます!
監督:坂本浩一
1970年9月29日生まれ。倉田アクションクラブで学び、89年に単身渡米後、スタントマンやアクション俳優として、『サイボーグⅡ』(93)、『リーサル・ウェポン4』(98)、『ウィンドトーカーズ』(01)などに参加。93年には、成家班(ジャッキースタントチーム)から技術を学んだことも。95年、アメリカの人気TV番組『パワーレンジャー』シリーズのアクション監督を務め、その後、プロデューサー、製作総指揮を歴任。日本では、『大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE』(09)、『仮面ライダーW』『仮面ライダーフォーゼ』シリーズ、『トラベラーズ 次元警察』(13)、『赤×ピンク』(14)などの監督を務める。
ジン(ポリマーレッグカスタム)役:中村浩二
1967年9月22日生まれ。倉田プロモーション所属。主な映画出演作に、『黄龍 イエロードラゴン』(03)、『仮面ライダーW FOREVER AtoZ/運命のガイアメモリ』(10)、『アウトレイジ ビヨンド』(12)、『トラベラーズ 次元警察』(13)など。『ウルトラマンティガ』(96)、『ウルトラマンダイナ』(97)、『ウルトラマンガイア』(98)、いわゆる平成ウルトラシリーズ3部作ではウルトラマンのスーツアクターを務めた。
挨拶も早々に、まずMCが2017年10月19日はタツノコプロの創立55周年であることに言及。その流れでゲスト2人のタツノコアニメ歴が話題となり、坂本監督は「『ガッチャマン』を始め、『キャシャーン』『テッカマン』『ポリマー』とドンピシャ世代でした」と回想。同じ流れをたどったという中村さんは、当時の情報源がテレビか雑誌くらいしかなかったと前置きし、「そういうアニメの影響を受けてアクションを始めました」とトーク。当時はアニメだけでなく、特撮作品でも肉弾戦をメインとするヒーローが流行ったことに触れるなど、思い出話に花を咲かせました。
続いて、ジン役に中村さんをキャスティングした理由を問われた坂本監督は「だって中村さんしかいないでしょう!」と即答。ポリマースーツが格闘に特化しているということを、いかに表現するかが台本の作成段階から課題だったと振り返りました。「完璧なスーツを作るには、まず足技を覚えさせて、次に手技、寝技。全部くっつけたら最強のポリマーになるという考えは、割りと早い段階からありました」と坂本監督。「足技ですごい人といったら、僕の中では中村さんしかいない。しかも変身したら裸になるんですよ(笑)」と、役を演じる上で上半身をさらすことが多い中村さんの特徴を引き合いに出し、笑いを誘いました。
「足技を使うのに何故裸にしたんですか!」と抗議する中村さんを横目に、坂本監督は「一番始めに、変身すると上は裸ですよってことは(中村さんに)伝えました。2人とも倉田保昭の弟子ですから、やっぱその辺は継いでおかないと!」と冗談で返答。「監督の作品では必ず脱いでます(中村さん)」「僕が一緒にお仕事してきた、どんな女優さんよりも露出度が高い(坂本監督)」と、笑いの絶えない時間が続きました。
そんな中村さんですが、実は撮影は2月の福島県で行われていたとのこと。「撮影中ずーっと体動かして、待ち時間もないくらいトレーニングしてました」と、寒さとの戦いを思い返しました。しかし、そんなことを感じさせない堂々とした演技を見せる中村さんに対し、「カットをかけるとみんな女優さんたちに真っ先にコートを持っていって、その後で『中村さん裸だった』って思い出すんです。山田(裕貴)くんが『人生で一番寒い』と言ってました(笑)」と坂本監督。それを受けた中村さんが「筋肉鍛えてても寒い。痛いものは痛いし、みんな一緒なんですよ!(笑)」と主張する場面もありました。
その流れで、話題は本作の主役・溝端さんへと移ります。共演した感想を求められた中村さんは、「運動神経がすごく良くてですね。スタントマンがいるんですけども、本人の演技がほぼメインでした。僕も一緒にやってて、『もうアクション俳優じゃないかな』というくらい良かったです。勘が良いんですかね?」とコメント。すかさず同意した坂本監督は「撮影の前に1カ月間、一緒にトレーニングをしたんですけども、どんどん吸収していって。劇中では、中村さんとのアクションが溝端くんのポリマーとしての初アクションシーンだったんです。それでも中村さんについていけるくらい頑張っていたので、すごいなと思いました」とこの上ない賛辞を送りました。
撮影時の思い出がひと通り語られた後は、坂本監督と中村さんが日本で一、二を争う有名なアクションスタント系芸能事務所・倉田プロモーションの兄弟弟子関係であることが話題に。当初は大阪で活動していた兄弟子の中村さんに対し、坂本監督は東京出身。後に中村さんが上京した際には、坂本監督はすでに渡米していたといいます。そんなすれ違いから、当時のお2人は実際に会ったことがなかったものの、互いの活躍は耳にしていたそう。「アメリカに行っても、日本で活躍している同期や仲間の情報はいつも伝わってきました。向こうでも日本の特撮作品は必ずチェックして、もちろん平成ウルトラマン3部作も見ていたし、中村さんたちがやっているのを見ながら『パワータイプがすげえな』って思ってました」と坂本監督。
一方の中村さんも、坂本監督が関わった作品のビデオテープをダビングし、擦り切れるくらい何度も見返したと当時を回想。それを受けた坂本監督は、帰国の際に『ウルトラマンティガ』のレーザーディスクを秋葉原で購入したエピソードを披露しました。「飛行機に乗る時、預けると心配だから席まで持ち込みました」とニッコリ。新しいメディアで発売されるたびに買い直したそうです。
ここからは、坂本監督と中村さんが初めて会い、一緒にお仕事をしたという作品『仮面ライダーW FOREVER AtoZ/運命のガイアメモリ』についてトーク。忘れもしないと切り出した中村さんは「(坂本監督と)初めて会ったのは東映の衣装部屋だったんですよ。で、もうその頃には監督ですから」とこぼしました。「偉くなってから呼んだ方がいいかなと思って」とジョークで受けた坂本監督は、『運命のガイアメモリ』に登場する不死身の傭兵部隊・NEVERについて言及。「僕の中で不死身の傭兵といったら『ユニバーサル・ソルジャー』(※)なんですよ。なので、日本のユニバーサル・ソルジャーは誰かといったら中村浩二しかいない! と思って。一緒にお仕事もしたかったので、オファーをしたという流れです」と裏話を語りました。
※1992年公開のアメリカ映画。ベトナム戦争で戦死した兵士が、軍部の極秘裏実験により蘇るSF作品。
またブルース・リー主演で知られる『死亡遊戯』が大好きだという坂本監督は、『運命のガイアメモリ』でもそのオマージュを盛り込んでいると明かしました。物語終盤で風都タワーを駆け上る演出や、敵を倒した後にWが疲れを見せる一幕がそれに該当するといいます。ほかに『大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE』や『劇場版 ウルトラマンギンガS 決戦!ウルトラ10勇士!!』でも、『死亡遊戯』から着想を得た要素があると語りました。
その後設けられた来場者との質疑応答の時間では「『破裏拳ポリマー』の続編を作るとしたら?」と展望を尋ねられた坂本監督。今作では尺の問題で、どうしても大規模の多人数戦闘シーンを入れることができなかったことを例に挙げ「今回できなかったことをやりたい」と答えました。
『ポリマー』に限らず、ほかの作品についての質問でも良いとアナウンスがあると、ウルトラマンガイアの最強形態であるスプリーム・ヴァージョンで、投技が多用された伝説について切り込む質問が中村さんに“投げ”かけられました。
中村さんはその苦労について「怪獣の大きさによる」とコメント。重量感がある怪獣の中には、人が入ってるままなのでとにかく重いことに触れました。回数については、単純にアクション監督から「投げろ」という指示が多かったんだとか。撮影前日に観戦したプロレスの試合に影響を受けた監督が、中村さんに投げをリクエストすることもあり、中村さん自身は投げやすい方法で投げていたとのこと。また、投げること自体については「気持ち良さしかないです」と笑顔を見せました。
続けて行われた坂本監督によるアクション講座では、観客の中から希望者が登壇。正拳突きに対するアクションを3パターン、動作ひとつひとつを細やかに解説するという貴重な体験に、来場者は大盛り上がりとなりました。坂本監督自身が、解説した一連の動作を目にも留まらぬ速さで披露した際には大きな拍手が送られるなど、特撮ファンにとってはたまらない時間となりました。
最後の挨拶では、Blu-ray&DVDにおける『破裏拳ポリマー』の見どころや、特典の豪華さについてアピールする中村さんと坂本監督。トークショー後は来場者に向けてのサイン会も催され、イベントは終了となりました。
DATA
破裏拳ポリマー 豪華版 Blu-ray
- 本編Blu-ray1枚+特典Blu-ray1枚 合計2枚組
- 映像特典:特報/劇場予告編/メイキング映像/イベント映像(完成披露舞台挨拶、初日舞台挨拶)/TVアニメ『破裏拳ポリマー』第1話「怪盗むささび党」
- 音声特典:オーディオコメンタリー(溝端淳平×山田裕貴×坂本浩一監督)
- 封入特典:特製ブックレット(32P予定)
- 発売・販売元:KADOKAWA
- 価格:7,700円(税抜)
- 発売日:2017年10月27日(金)
破裏拳ポリマー DVD
- 映像特典:特報/劇場予告編
- 音声特典:オーディオコメンタリー(溝端淳平×山田裕貴×坂本浩一監督)
- 発売・販売元:KADOKAWA
- 価格:3,800円(税抜)
- 発売日:2017年10月27日(金)
関連情報
- 映画『破裏拳ポリマー』公式サイト
- TVアニメ『Infini-T Force(インフィニティ フォース)』公式サイト
- 破裏拳ポリマー 豪華版 [Blu-ray]
- 破裏拳ポリマー 通常版 [DVD]
- タツノコプロ創立55周年記念 劇場版「破裏拳ポリマー」オリジナルサウンドトラック
- 破裏拳ポリマー Blu-ray BOX
- SUPREME HEROES 破裏拳ポリマー 1/6スケール PVC製 塗装済み完成品フィギュア
- タツノコヒーローズ ファイティングギア 破裏拳ポリマー
関連記事
- 正義の怒りが俺を呼ぶ!『破裏拳ポリマー』、ソフビ完成品トイ「タツノコジェネレーション」に参上!!
- 映画『破裏拳ポリマー』本日公開!実写で復活した“超個性派アクションヒーロー”のグッズ情報をまとめてお届け!
(C)2017「破裏拳ポリマー」製作委員会
6,181円
3,051円
20,066円
2,880円
9,912円
18,588円