『仮面ライダーX』のBlu-ray BOXが発売決定！神敬介役・速水亮さんとスーツアクター・新堀和男さんが再会し過酷な撮影現場を振り返った会見をレポート！

公開日：2019年12月4日 10:10更新日：2019年12月5日 12:45

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電撃ホビー編集部

1974年にTV放送された、『仮面ライダーX』のBlu-ray BOX化が決定！　仮面ライダー1号・2号、V3、ライダーマンに続いて登場した5人目のライダーである仮面ライダーXは、それまでのシリーズになかったメカニカルな要素を取り入れ、「仮面ライダー」というヒーロー像に新たな光を当てた名作です。発売が決定したBlu-ray BOXには、映像特典として仮面ライダーX／神敬介役・速水亮さんと、スーツアクター・新堀和男さんへのインタビュー＆対談を収録。このたび、再会を果たしたおふたりがマスコミからの質問に応じた模様をお届けします！

――撮影当時の思い出を教えてください。

速水さん：なにしろ、撮影現場に女性がいないってことですかね（笑）。男ばっかの、工事現場みたいなとこでしたよ。

新堀さん：Xライダーをやらせてもらった当時は右も左も分からなくて、本当に頭がパニクってましたね。

速水さん：俺も一緒だよ。子ども番組の主役をやるのなんて初めてなのに、立ち回りから何から経験のないことをやるわけじゃない。それなのに剣友会の命知らずたちが、そのへんに買い物に行くような気軽さで高いところから飛び込むんだから、最初のうちは相当プレッシャーを受けたよね。そんな30人くらいいる命知らずたちに舐められないように、足が震えているのに平気なフリして突っ張るわけよ。そういう思い出、いっぱいあるよな？

新堀さん：ありますね……。

速水さん：彼（新堀さん）なんか、ライダー見たら分かるでしょ？　「とおーっ！」ってジャンプしたらすごい高いところにいて。エンドタイトルのマンションの屋上だって、落ちたら死ぬような場所ですよ。そんなところで日々戦ってるから、楽しみはお弁当くらい（笑）。

新堀さん：アクションは速水さんがセリフを入れてくれますけど、俺もセリフを言わなきゃいけない時は一言二言でもドキドキでしたね。

速水さん：皆さん体験したことないから分からないでしょうけど、カチンコを鳴らすと「いらっしゃいませ」というセリフが言えなくなっちゃう人もいたんですよ。その一言だけで、二十何回もリテイク。そんな経験したことないでしょ？　それが撮影ってもんなんですよね。

新堀さん：俺なんかスーツを被って本番に入るとさ、途中で間違えちゃうと「馬鹿野郎！この野郎！」って怒られましたよ（笑）。だから、人前で恥をかかないとダメなんですよね。芝居とアクションの難しさを痛感しましたよ。

速水さん：まともにしゃべれるようになるだけでも相当かかるし、甘くないですよ。ただ、昔と今は現場が違う。ちょっと前『仮面ライダー大戦（※）』に出たでしょ？　なんと現場の優しいこと！（笑）

※『平成ライダー対昭和ライダー仮面ライダー大戦 feat.スーパー戦隊』（2014年公開）

速水さん：ビックリしちゃったよ。最初のロケが府中だったかな？　11月で、ちょっと寒かったのね。テストが終わると、メイクさんや衣装さんがバーってコート持ってきてくれるわけ！　しかも俺だけじゃなく、ほかの出演者にも被せてあげるわけ。こんなことあったか？

新堀さん：ないですよね（笑）。

速水さん：俺なんか、冬の多摩川に落とされてガタガタ震えて心臓がおかしくなってるのに、誰も何もしてくれなかった。今の東映の現場はなんと優しいこと（笑）。

（『仮面ライダー大戦』のシーンで）半田くん（※）と絡みのあるアクションシーンで、セメントの上で転んで立ち上がるところがあるのね。それを見てたら、首の骨を折りそうなくらい頭から突っ込んでいくから「半田くん、大丈夫か？（アクションを）やったことないのか？」って聞いたら「ありません」って言うのね。俺たちみたいに柔道をやってなくて、前転で頭から突っ込んでいくの。

※半田健人さん。『仮面ライダー555』乾巧役。『平成ライダー対昭和ライダー仮面ライダー大戦 feat.スーパー戦隊』では速水さん演じる神敬介と多く共演。

速水さん：ライダーをやる一番の特典はね、半年・一年もやると立ち回りをかなり覚えるのよ。そうすると他の現場に行っても、殺陣師が文句言わないんだよな。

――Blu-rayになることで、当時より綺麗な画質で皆さんに『仮面ライダーX』を見ていただく機会が増えます。特に注目して欲しいシーンやポイントはありますか？

速水さん：8話に崖で怪人を投げるシーンがあるんだけど、その場面を撮ったあとに頭から落っこちちゃって。よく見ると分かるから、探してみて欲しいですね（笑）。足が引っかかっちゃって頭から落ちたんだけど、柔道をやってなかったら完全に首の骨を折ってたね。「ヤバい！」って体を捻って受けたわけ。その時、奥さん（※）が笑ったんだから。本人は違うって言うのよ？　でも、俺が「ううーっ」て苦しんでるのに、誰も心配してなかったからね。「大丈夫？」なんて一言もなかったよ。

※美山尚子さん。元女優で、『仮面ライダーX』では水城涼子＆水城霧子役を務めた。本作での共演がきっかけとなり、速水さんと結婚。

新堀さん：ありましたね。俺はね、中屋敷さん（※）もやってるし「どっちがどっちやってるのかな？」って改めて見直してくれるといいかなと思います。

※中屋敷鉄也さん。仮面ライダーXは中屋敷さんがメインスーツアクターを務めたが、代役として新堀さんが演じることもあった。

――先ほど平成ライダーが話題にあがりましたが、おふたりは平成ライダー作品をご覧になったことはありますか？

速水さん：部分的に見たことはある。半田くんと共演することになったので、半田くん（『仮面ライダー555』）だけはちょっと見たね。

新堀さん：俺は見てますよ。うちの若いのが戦隊とライダーをやってますから。「福沢くん（※）頑張ってるかな？」って（笑）。

※福沢博文さん。新堀さんが代表取締役を務めるレッド・エンタテインメント・デリヴァー所属。スーツアクターとしてスーパー戦隊シリーズを始めとする数多くの作品に出演し、放送中の『騎士竜戦隊リュウソウジャー』ではアクション監督を担当。

――新堀さんが注目されているスーツアクターさんがいれば教えてください。

新堀さん：今の『ゼロワン』をやってる、縄田くんとかいいですよね。また違ったカラーが出て。それでも経歴が長い高岩と永徳がパッと出てくると、雰囲気を持ってるからすごいですよ。俺も仮面ライダーと、戦隊を14年間もやらせてもらったから恵まれてますよね。

――Blu-ray BOXの発売を楽しみにしているファンの方へ、メッセージをお願いします。

新堀さん：今も続くライダーの歴史に、新堀和男が1ページでも入れたのが嬉しいです。これからのスーツアクターにももっともっと頑張って欲しいし、見ている人にももっともっとスーツアクターに注目して欲しいですね。

速水さん：そうだよね。昔はスーツアクターがレジェンドになるなんて、考えたこともなかった。俳優の何が大変って、緊張からどうやって自分を解くか。例えば500人の前で「ちょっと挨拶してください。30分くらい」って言われたら嫌でしょ？　断るでしょ？　いつもこんな風にリラックスしながら演技できたらいいけど、そうなるにはもうカメラに慣れるしかない。仮面ライダーの良いところはね、疲れてようが何だろうが、毎日カメラの前にいなきゃいけないわけね。だから、カメラの前で芝居をすることが日常になるんですよ。そうすると、ライダーが終わっても次の現場で緊張しなくなる。それが利点。これが、歴代の新人にとってめちゃくちゃ利点になるのね。

速水さん：今って、新人がいっぱい出てくるでしょ？　この経験は一生モノなのね。ライダーは日常がカメラの前で、ここが俺の原点かな。ここで芝居、現場というものに慣れていった。まぁ、奥さんも捕まえたしね（笑）。

だから、ライダーの力がいかに強いかっていうのを実感してる。だから俺は、ファンにとっても感謝しています。だって、ファンがいなかったら始まらないわけだからね。

速水さんと新堀さんによる昔話に花が咲いた『仮面ライダーX』。Blu-ray BOXに収録される本編映像は、東映チャンネルで放送されたマスターをもとにフィルムの粒子感を軽減＆パラゴミや傷などを修正し、レストア作業をしたリマスター版となります。2020年3月11日（水）に発売されるBlu-ray BOX1には、映像特典として当時放送されたポピーの「Xライダー変身ベルトライドル」CMも収録予定です！

DATA

仮面ライダーX Blu-ray BOX1

収録話数：【Disc1】第1話～第6話／【Disc2】第7話～第12話／【Disc3】第13話～第18話
特典（予定）：【初回特典】全巻収納BOX／【封入特典】ブックレット（16P）／【映像特典】キャストインタビュー＜速水亮（神敬介役）、新堀和男（スーツアクター）＞、ポピーCM「Xライダー変身ベルトライドル」
販売元：東映
発売元：東映ビデオ
価格：22,000円（税別）
発売日：2020年3月11日（水）
BSTD20321／COLOR／本編450分（予定）／2層3枚組／リニアPCM（モノラル）／4：3【1080i Hi-Def】／18話収録

※全巻収納BOXは限定生産品です。在庫がなくなり次第、通常の仕様での販売となります。

仮面ライダー X Blu-ray BOX2