RVの腕部(おもにヒジ関節など)についての考察【連載】電撃ロボラボ PLUS Vol.1

更新日:2016年2月16日 12:09

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80年代はSFロボット黄金の時代。そんな時代に生まれた数々のリアルロボットたち。電撃ホビーマガジンとサンライズがタッグを組み、大人の感性と現代科学に即したSF考証でリアルロボットを検証し立体化していく…。それが「電撃ロボラボ」です。

 

 

「電撃ホビーマガジン」2012年11月号~2015年2月号まで連載された「電撃ロボラボ」。このたびはその掲載内容に、誌面では紹介できなかったこぼれ話を加えた「PLUS」版として復活! 第一回はバイファムの生みの親であるメカニックデザイナー大河原邦男氏を訪ねて~バイファム腕部(ヒジ関節)の考証をお届けして参ります。

 

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『銀河漂流バイファム』のラウンド・バーニアン考証をテーマに始まった本企画を進めるにあたり、強力な布陣が築かれました。ご意見番として参画したのが放映当時の設定作業にも協力し、バイファムの各種メカ設定を熟知している設定考証の第一人者、サンライズの井上幸一氏。造形担当にはモデラーの枠を超え多彩に活躍中のNAOKI氏、そしてメカニカルアレンジおよび、イラストでの設定検証にはメカニックデザイナー海老川兼武氏。

 

 

まずはラウンド・バーニアンの設定やデザイン決定に至る経緯などについて井上氏にヒアリングすることからスタートしました。

「RVの装甲厚なんかは神田(武幸)監督がこだわっていた部分、バイファムなど初期機体は対RV戦を想定していないので薄く、トゥランファムあたりは厚い。監督はよく大戦中の日本軍と米軍の航空機に例えてましたね」、「(アクション参考画を見ながら……)深くヒザやヒジが曲がるのは、絵のウソもあるのだけど、今ならフレームがあり、少し浮かした状態で外装が取り付けられていて、連動して動くとイメージすればいいんじゃないかな」

井上氏の記憶と経験、そして豊かな機械工学への知識がひとつの基準として、「ロボラボ」を引っ張っていくことになりました。

そしてやはり、バイファムといえばメカデザイナーである大河原邦男氏! ご多忙な中、貴重なご意見を聞かせていただいたほか、コメントを寄せていただきました。

 

 当時は同時に4作品のアニメのメカニックデザインを担当していたので、短期間で仕上げた記憶があります。特に苦労することもなく出来上がったデザインですが、当時としてはベストに近い仕上がりだと思っています。

 まあ、今見るといろいろと直したくなる部分もありますが…。

 確かコンセプトワークからお手伝いさせていただきましたが、その後もいろいろなスタッフが入ることで、様々なアイデアが生まれ、結果とてもよい作品になりました。

 もちろん(神田武幸)監督の演出力で活かされたデザインでもあることは言うまでもありません。

 

大河原邦男

 

 

【PLUS!!】

 神田(武幸)監督は戦争を肌で体験している世代ということで、兵器への造詣が深く、ディテール描写には並々ならぬこだわりがあったそうです。例えばメカの外装イメージ等を伝える際もジュラルミンなどの具体的な材質名を示しながら、質感の違いなどを解説されていたとか。

 

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▲バイファム基本設定画(左:TVシリーズ版、右:バイファム13版)。全体の雰囲気などに差異はないが、細部ディテールを中心に変化が見られる。80年代に描かれたTVシリーズ用と90年代に描かれた13版の設定画で、微妙に頭身などのバランスが変わっているのも興味深い部分。

 

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▲初期型RVながら、地上型のディルファムは戦車的な要素が求められたために、厚めの装甲を有する設定となっている。「地上用RVはあくまで重力下での運用に合わせた仕様で、宇宙用RVとは異なる設計思想、構造で作られている、という考え方です」とは井上氏の話。

 

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▲地球側RVの特徴であるコックピット兼脱出艇となるポッド。RVの胴体に嵌るこの機体の理想のサイズ感の検証なども、本企画で掘り下げていく要素のひとつだ。

 

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続いて腕の構造についての検証を中心に進められました。まず注目したのが一部の設定画で描かれているヒジの向き、プラキットもそうですが、井上幸一氏が持ち込んだハイコンプリートモデルでも前腕がいわゆるヒジの付いていない向きに曲がることはありません。そこで井上氏は、フレームを芯に被せられたカウル(外装)との間に隙間が設けられていることで、イレギュラーな可動にも多少は対応できるのでは……という仮説を立てました。

 

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←ポーズ作画参考用画稿をはじめ、’90年代に入ってから描かれた「13」版設定画まで、通常の関節の向きとは異なるヒジの曲がり方をしている画稿の存在がいくつか確認できる。おそらく作画上での”ウソ”ではあるのだが、これの好意的な解釈、またフレームを想定した内部構造などを考察をしてみようというのが趣旨。

 

 

 

 

 

 

他に話題となったのが、前腕の色違い部分は分割されているのか、腕のバルジ、ヒジの張り出しの存在理由。分割に関しては量産化を考えると単純な仕組みのほうが生産性、剛性が高められる利点があるとし、バルジはフレームの引っ掛かりを逃すためのものと考え、立体で深く検証をする方向に。また、機種の違いによる腕部パーツのサイズ違いやマニピュレーター形状(5本指である理由)、パイプの存在と意図なども話し合われていきました。

 

ある程度、人と同じ動きの作業(ザクがハンドルを回すような)ができるパーツとしての5本指、パイプはネオファム等とのサイズ差を見るに、内蔵されていたものが宇宙用として被弾を意識する状況が薄れたことから、コンパクト化と併せて各種配線を外に逃がした等々のアイデアが提出されました。他には推進剤タンクの内蔵位置や、いまどきのアクションモデル並みによく動く関節構造、これらも立体に落とし込んで検証してみるという流れに。

 

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←ヒジの機構の話を踏まえ、描き起こされた腕部構造のスケッチ。あくまでイメージの一案であり、やや複雑な機構になってしまうので立体化に際しては要検討な部分も。細かな差異が見られるTVシリーズと13版を繋ぐディテールなどが盛り込まれている。

 

 

 

 

 

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←ロボットフレームや内部構造の把握用にと井上氏が用意したのが、実際のロボット技術者より譲り受けたというハンドメイドのロボットモデル。各部のモーターが外されているので動きはしないが、自立のために強度が高められている部分と軽量化で肉抜きされているフレームの仕組みなど、参考となる要素が多い。

 

 

 

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▲手ごろな設定との比較材料として持ち込まれた井上氏所有のハイコンプリートモデル。色々と動かしてみながら、設定画ポーズをトレースするのに必要な要素の検討をしていく。

 

 

【PLUS!!】

 ネオファムとバイファムのボリューム感の違いは、この時はフルカウルとネイキッドのバイクの違いで論じられていました。バイファムは一部のフレーム部は露出しているものの、そのぶん軽量であるという解釈です。

 重量の話については、推進剤の積載スペースに多くが配分されると仮定して、FRPやセラミック、カーボン等の金属以外の素材を外装が用いられているのでは? との補足もアイデアとして考えられました。このとき、カラーリングは部位の素材の違いでパターン化されているという案も出されています。

 

 

ROBOT魂担当・テンパコメント

皆様はじめまして! 

ROBOT魂 バイファム (ツインムーバー装備)からアイテム担当をさせていただくこととなりましたテンパです。

とうとう始まります「電撃ロボラボ PLUS」!!

過去連載のロボラボを再編集したモノにプラスして、当時のこぼれ話等も読めてしまうステキな新連載です。そんな新連載の最後に少しだけスペースをお借り出来る事になりました!

旧連載から生まれた商品との比較や、現在動いている商品のサンプル等についてお話が出来たらと思います。

これからの「電撃ロボラボ PLUS」を宜しくお願いいたします!!

 

※次回は2015年9月25日(金)更新。「RVの腕部、胴体の機構や内部構造」についての議論をお届します。

 

 

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