1/144 HG ガンダムバルバトスをプロからアマまで言いたい放題! 【プラスチックキット クロスレビュー】(第1回)

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新連載「電撃ホビーウェブ プラスチックキット クロスレビュー」は、新発売のプラスチックキットを、プロモデラーのみならず、さまざまな立場の人がレビューするコーナーです。

 

レビュアーには、プロモデラー田村和久をはじめ、ガンプラ新製品の編集をしてきたフリーライター、自由時間の限られている社会人、そして小中学生といった方々に登場していただきます。みなさん、頻度の差はあるものの、プラモデルが好きな方ばかり。結果、バラエティに富んだ内容になりました。

 

今回は、話題の新製品「1/144 HG ガンダムバルバトス」をレビューします。

 

 

●今回のレビューキット

HG 1/144 ガンダムバルバトス 発売中 価格:1,080円(税込)

毎週日曜日午後5時から、MBS/TBS系列全国28局ネットにて放送されているガンダムの最新作『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』主役機「ガンダム・バルバトス」の1/144スケールプラスチックキットです。

 

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『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』シリーズ第1弾のガンプラということもあり、そのフレーム構造の再現や広範な可動域、そして細かいディテールなど見所の多いキットですが、スキルも経験もバラバラな各レビュアーがそれぞれの立場でどのように感じたのか? クロスレビューならではの、多彩な意見をご覧ください。なお、各コメント横のガンプラ写真は、各レビュアーが製作したものです。

 

 

 

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■レビュアー01

プロモデラー田村和久

 

このキットは模型として表面上の形を追うだけでなく、ガンダム・バルバトスがどういった構成で成立しているのかを示しています。部分的に外装パーツと一体化されている部分はありますが、ガンダム・フレームが立体として存在しています。そこに装甲を取り付けていき、実際に組み立てることで、モビルスーツへの理解が深まります。

 

▲キットの外装を取り外したところ。

▲キットの外装を取り外したところ。※組み立て説明書の手順とは違っています。

 

細い腹部も、特徴的な部分です。強度的に少し危うさを感じましたが、実はしっかりとしていて、各関節の可動範囲も広く、バルバトスの近接武器を構えた派手なアクションが決まります。足首の構造が特によくできていて、どんなに足を開いても確実に足裏が接地します。

 

設定通りの色彩を再現するには、細かい塗り分けが必要になりますが、下地が白色のプラなら塗料が発色しやすいでしょう。また、特に評価したいのが、ランナーA1、A2の黒(ガンメタル)色パーツとポリパーツの色がほぼ同じである点です。首、肩など完成後にポリパーツが見える部分があっても、プラ素材のフレームと違和感なく同化しているのは、素晴らしいと思います。

 

手に取ると本当にかっこいい。塗装剥げを気にせず遊べるように、私は成型色を活かした部分塗装の仕上げで作ってみます。

 

 

tamuraICON田村和久

電撃ホビーマガジンにて、ガンプラを中心に、スクラッチをはじめとした数々の作例を発表してきたプロモデラー。

 

 

 

 

 

 

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レビュアー02

“ガンプラ世代の素組み派” 宮原徹 43歳(IT企業経営)

 

今回は久しぶりのガンプラ作りでしたが、ゆっくり作っても全部で3時間ぐらいで完成させることができました。組みやすさは、さすが最近のキットとい うべきか、ランナーからの切り離しも楽々でした。特に白いパーツはニッパーで切らなくても一部のランナーが外せてしまうぐらいでした(タッチゲートではないので、もちろんニッパーを使用するのが正しい外し方ですが)。ただし、一部の パーツではランナーが邪魔して、綺麗にニッパーを入れられなかった部分もありました。このようなパーツも焦らず少しずつランナーを切っていけば、綺麗に仕上げられると思います。

 

▲全体的に、パーツが切りやすかったです。

▲全体的に、パーツが切りやすかったです。

 

可動も、パーツ分けが細かく、ポリキャップをふんだんに使っているので、かなりポーズの自由度が高いです。付属の刀を両手で持つポーズを取ることができました。アクションベース2を組み合わせることで、色々なポーズでのディスプレイが楽しめます。

 

色分けは、元々のデザインがガンダムらしく白基調で、ガンダムの基本色である赤青黄色の使用部分も随分と抑え目なので、無理なくパーツ分けされていました。 それ以外の色も一部にシールを貼るだけなので、塗装まではやらない私のような素組み派には嬉しいところです。ただし、シールはかなり細かいのでピンセット 必須です。

 

また、第4形態用の肩シールドに貼るステッカーは、丸みを帯びたパーツに細いシールを貼らないといけないので、大変でした。ランナーから切り離す前にシールを貼ったほうが貼りやすいと思います。

 

総合的に見て、細かいパーツを沢山使って、可動部分も多く、素組みだけでかなり満足のいくできあがりが楽しめると思います。ただ、細かいパーツなどは、オジサンモデラーの、老眼が入り始めた目にはキツイものがありますね(笑)。

 

 

miyaharaICON宮原徹 43歳(IT企業経営)

プラモ歴と作り込み度:ガンプラブーム世代。ただし、あまりプラモ作りは得意ではない。PGやクリアバージョンなど、組み立てるだけでいいものを作って部屋に飾っている。

近況:ガンダムについて語り合うガンダム勉強会を開催しています。

 

 

 

 

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■レビュアー03

“部分塗装までを楽しむ永遠のルーキー” 外村克也 41歳(会社員)

 

『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』のキモとなるガンダム・フレームから先に組み立ててみました。製作には時間がかかるほうですが、それでもフレームを作るまで48分、装甲や武器などすべてが組みあがるまで、1時間20分ほどでした。

 

 

装甲部分の色分けに関しては、膝や肩、胸にある赤いマーク(こちらは付属シールで再現が可能です)と、太モモやフクラハギなどにあるグレー以外はカンペキ。仕事が終わったあとに組むことが多いの で、なかなか塗装まで手が回らないけれど、最低限の数のシールでほぼ満足いく仕上がりになったと思います。フレーム部分はほぼグレーなので問題ないのです が、唯一、ツマ先のみフレームがなかったのが残念。バルバトスはつま先が薄いので仕方がなかったのかも。

 

▲足首の可動範囲が広いので、踏ん張るようなポーズでも足の裏が接地します。

▲足首の可動範囲が広いので、踏ん張るようなポーズでも足の裏が接地します。

 

可動に関しては、それほど期待していませんでした。けれど、意外にもよく曲がる! 腕に関しては軸が1つなのに、モノによっては2重関節のキットよりも曲がりました。 肩の付け根は外れにくいけれど、ボールジョイントとなっているので若干不安は感じました。できれば、しっかりと軸で固定してほしかったところ。HGにして はめずらしく、つま先とかかと部分が独立していて、ふんばるようなポーズも違和感がないのは◎です。

 

 

全体的に華奢な見た目ではあるけれど、肩やヒザなどが大き目になっているので力強さが感じられます。内部にあるガンダム・フレームのしくみを再現しつつも、これまでのHG同様の組みやすさを維持していて、楽しく作ることができました。

 

 

hokamuraICON外村克也 41歳(会社員)

 

プラモ歴・作り込み度:小学校のころから30年ほど。素組み~部分塗装くらいまで。永遠のルーキーです!

近況:オルフェンズを、毎週楽しみにしています。最近はドローンを飛ばすのに夢中。

 

 

 

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 ■レビュアー04

“バリバリ改造塗装派” 佐藤朋樹 32歳(フリーライター)

 

毎度思うことなのですが、新作ガンダムの主役キットってバンダイさんの気合がひしひしと伝わってくるというか、オーラが違いますよね(笑)。

 

さて今回、「1/144 HG ガンダムバルバトス」を組むにあたって、特に注目していたのが頭部です。いわゆる“2次元のウソ”(悪い意味じゃないですよ)でさまざまな表情を見せるフェイス部分が、どのように立体化されるのか? とても楽しみなところでした。結論からいえばどこから見ても破綻のないひじょーーに素晴らしい出来。「お! こ の角度から見ると設定画っぽいぞ!」とか「正面から見るとこうなってるのか!」とか、ぐるぐる回しながら小一時間眺めちゃったもんね。

 

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▲頭部の出来がひじょーに素晴らしい!

 

組みやすさや色分けも良好で、可動に関しても、もー“よく動く”のひとこと。足首のリング状パーツにより、どこまで開いても接地する足首、ポリキャップにより上下スイングできる肩関節……色を塗るのが無粋にすら思えてきちゃいます(笑)。

 

 

OLYMPUS DIGITAL CAMERA佐藤朋樹 32歳(フリーライター)

 

プラモ歴・作り込み度:バリバリ改造塗装派。最近は一周回って筆塗り大好き。たまーに電撃ホビーマガジン、ガンダムホビーライフで作例を作ってました。ガンプラの新製品紹介ページも担当。

近況:グレイズのフトモモにムラムラしたのは俺だけじゃないはず!

 

 

 

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 ■レビュアー05

“中学生のハイレベルモデラー” 六笠詩音 14歳(中学3年生)

 

まず最初に驚いたのがランナーのパーツ番号が見やすかった点です。特に難しいところはなく、全体的に組みやすく、組み立てが楽しかったです。

 

次に驚いたのは可動です。肩の受けのポリキャップが上下に動き、銃を両手持ちできるようになっています。ほかの部分もよく動きます(肩アーマーを付けるとその分は干渉しますが)。

 

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▲肩のポリキャップは上下にスイングします。

 

色分けについてですが、とても細かく、特に顔は目のシール以外パーツでの色分けになっていて驚きました。

 

総合的にバルバトスはHGとしてすごくできがよく、誰でも簡単に組み立てられると思います。僕も楽しく組めました。欲を言えば、やはり肩パーツの干渉でしょうか。僕はシールを貼るのが少し苦手なので、いつか目を色分けパーツにして欲しいです(笑)

 

 

mukasaICON六笠詩音 14歳(中学3年生)

 

プラモ歴・作り込み度:改造をしてエアブラシで塗装して、汚しまで。

近況:鉄血のオルフェンズがおもしろい!! バルバトスの登場シーンがカッコイイ!!

 

六笠詩音さんの受賞歴:GBWC2012、2013ファイナリスト

 

 

 

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■レビュアー06

“小学生のハイレベルモデラー”  畑めい 12歳(小学6年生)

 

「パーツの少なくなったRGシリーズみたい」。全体的な印象としてはそう感じました。

このお値段でこの可動は驚きです。動きすぎてポーズをつけるのが難しいくらいです(笑)。

 

 

ランナーの数字がとっても大きくなったように感じます。すごく見やすくて、しかも組みやすいキットです。子供の私でもあまり力を入れずに楽しく組めました。スナップフィットは楽でいいんだけど、たまに子供の力じゃ無理だよーって思うパーツがあるんですよね(汗)。

 

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▲ランナーのタグが見やすくてよかったです。

 

色分けも最近のHGらしく細かくパーツが分けられていて塗装もしやすそう。塗装しなくたって凸凹が多いのでスミ入れと簡単な汚しだけで十分見ごたえのあるものになりそうです。ただ、フレームは全部同じ色です。ここを自分なりにいろんな色を入れてみるとかっこよくなりそう!

 

 

バルバトスはアニメの中でもかなりウェザリングされて描かれているので、「これから汚しもやってみたいなぁ」という友達にこのキットを勧めたいです。

 

 

 

hatameiICON 畑めい 12歳(小学6年生)

プラモ歴・作り込み度:プラモ歴は5年半ほど。ウェザリングが一番好きですが、最近はプロポーション変更やディテールの追加も。

近況:釣りにハマってます! プラモ仲間が釣り仲間にもなって嬉しいです!

畑めいさんの受賞歴:2012年ガンプラ王小学生部門1位、2015年ガンプラ王小学生部門1位、GBWCジュニア部門日本大会4連覇(2011~2014)、GBWC2014世界大会2位

 

 

 

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以上でレビューは終了です。同じキットでも、立場や経験によってさまざまな意見が出てきました。ご自分に近いスキルのレビュアーの意見を参考にしてみるのも、面白いのではないでしょうか?

 

 

 

 

 

(c)創通・サンライズ・MBS

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