タカラトミーの『ダイアクロン』シリーズ「DA-65 バトルコンボイV-MAX」の開発経緯に迫る!玩具デザイナー・高谷元基さんインタビュー・後編〈バトルコンボイV-MAX:未来編〉

更新日:2020年9月26日 11:34

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身長僅か約3センチ(1/60スケール)の可動フィギュアが織りなすタカラトミーのオリジナルSFトイ『ダイアクロン』シリーズに、高いプレイバリューを誇る大ボリュームの戦闘移動基地「ダイアクロン DA-65 バトルコンボイV-MAX」が登場しました。

 

ボレットコアや各部のジョイント等ヴァースシステムにも連携可能な機能も搭載しており、搭載するオプション機能ユニットの構成選択により「作戦司令基地」「戦闘機動基地」「格納輸送基地」「整備工作基地」「ボレットコア/Vムーバー格納基地」「PSチェンバー格納基地」「トライヴァース母艦」等、目的に応じた様々な特化運用が可能となった、この商品開発の中心人物であるタカラトミーの玩具デザイナー・高谷元基さんに本商品にまつわるお話をお伺いしました。

 

今週は、本商品の開発経緯のお話を中心とした前篇<バトルコンボイV-MAX:誕生編>の続きとなる、今後の『ダイアクロン』の展開についてのお話を中心とした後篇<バトルコンボイV-MAX:未来編>をお届けします。

 

 

――いきなりですが、<バトルコンボイV-MAX>の色変え商品の発売は計画されているのでしょうか? また、当時のバトルコンボイはパワードコンボイというパワーアップをしていましたが<バトルコンボイV-MAX>もそのような方向の拡張商品を開発されるのでしょうか?

 

 

リカラーは今のところ、直近の発売計画にはありませんが、これまでのダイアクロンライン同ように、なんらかの形であるとは思います。カラーリングについては過去に囚われる事なく、現行ダイアクロンの世界観に準拠した方向にしたいと思っています。

 

パワーアップにつきましても、それに準じたアイテムの直近の開発計画はありませんが、<バトルコンボイV-MAX>のボディは先程の開発経緯の中もお話したように、あらかじめどのようなニーズが課されても対応できるあんばいの構造で作っていますので、あくまでも個人的な見解ですが、実績や反響次第で開発の可能性は充分あると思います。

 

 

――バトルコンボイはカーロボットシリーズの大型アイテムでした。他のカーロボットも復活していくのでしょうか?

 

 

かつてのダイアクロン由来のカーロボットシリーズという意味では、現行ダイアクロンに組み込んでいく計画はありませんし、その必要性もないと思っています。

 

 

「現行のダイアクロン世界は実車に偽装する必然性がなくなった世界なので……」という言葉だけの設定で「ない」という訳ではなくて、それを取り払った純粋な製品という面でも、かつてのカーロボットシリーズのライン導入方向はないと思っています。

 

 

憧れのクルマを自分の手の中で小気味良い感触と手順でカチャカチャと形を変えていくと、あっという間にカッコいいロボットになる、という変形させる事の楽しさとカタルシスを確立させ、世に広めたカーロボットは変形玩具ジャンルのエポックメイキング的なアイテムだと思います。

 

 

ダイアクロン由来のカーロボットの概念は、「実車に準じたリアルなフォルムのクルマが、クルマの構成要素を効果的に活かした人型のロボット形態に変形する」という事だと私的には捉えています。

 

もし現行のダイアクロンラインに組み込む事になれば、その概念に1/60スケールと、隊員フィギュアの乗り込みというハードルや、今現在のハイターゲット向けのロボ玩具レベルの関節可動等も必要になると思います。

 

「トミカサイズのリアルなクルマが隊員をシートに座らせた状態でフル関節可動のロボットに変形する」と想像すると、とても魅力的に思いますが、現実には、構成パーツの分割が目立つボコボコした感じの外観で、小さな精密機器を壊さないように恐る恐るいじる感覚の変形遊びというか、変形作業になると思います。変形遊びの楽しさとか、人間が指で行える作業の限界を置き去りにした、単にクルマをロボットの形に変えるという目的だけを形にしたような感じですかね。

 

このサイズでは物理的に無理があり、一般的な製品として量産化したり、まして変形パターンが車種ごとに異なるシリーズ展開は、非常に厳しいと思います。

 

かつてのカーロボットは1/60統一スケールという縛りを外す決断をしました。当時は子供向けのラインでしたのでスケール感の矛盾は曖昧でも大した問題ではなかったのでは、と察します。

 

その方向に舵を取る事で、遊びやすさと魅力あるコンセプトを両立させて大ヒットとなり、さらにトランスフォーマーという世界的なコンテンツの代表的なアイテムに昇華して、現在に至っています。結果的にその方向で大正解だった訳ですので、かつてのダイアクロン由来のカーロボットについては、無理のある現行ダイアクロンラインではなく、引き続きトランスフォーマーラインの生態系の中で、進化発展を続けていって欲しいと思っています。

 

 

現行のダイアクロン世界での「変形」は、マシンの形状を目的にあった機能形状に変化させる為の手段としています。

 

外観フォルムの均整よりも機能剥き出しの荒削りなカッコよさ、という考え方ですね。その考え方に基づき「単独の人型のマシンがビークルに準じた機能を持つ形態に変形する」というコンセプトで、トライヴァースシリーズを展開しています。中型の人型戦闘マシンというサイズ的な意味では、カーロボットやダッシャーシリーズに相当する商品として位置づけていますが、カーロボットの概念とは文脈の違う方向なので、これを現行のダイアクロン版カーロボットとして捉えている訳ではありません。

 

現在この機能優先変形コンセプトは、Vムーバーというパワードスーツ系の小型マシンにも反映させています。このVムーバーのフレーム的な考え方で機構やフォルムを詰めていけば、それ程ストレスを感じない変形で1/60スケールのカーロボットのサイズ感に近い「小型ビークルから人型戦闘マシンに可変するアイテム」になるかも、とは思っています。もちろん、実車偽装なしのSFビークルですが。特に開発を急ぐ訳ではありませんが、もしも現行ダイアクロンにカーロボット的なアイテムを組み込むとすれば、そういったパワードスーツの進化体系の延長上にあるのかもしれませんね。

 

 

また、商品仕様的な意味での「変形」についての考え方ですが、現行ダイアクロンでは変形遊びの充実を追求するよりも、シチュエーション遊びの充実を重視していますので、極力変形工程は簡素化するように心掛けています。例えば変形機構を複雑にするためにパーツ数を増やすくらいなら、そのコストを隊員の乗り込みギミックに回すとか、イメージ遊びがさめてしまうような肉抜き部分を塞ぐパーツに回す選択を取る、という考え方ですね。遊ぶ時にも、難易度の高い変形遊びで大幅に時間をとられるよりも、シチュエーション遊びの方に時間を使って欲しいという事でもあります。

 

 

ちょっと話は変わりますが、現行のダイアクロンは初期ダイアクロンの時代も含めて全て地続きの世界観になっています。そこでよく面白半分にツッコまれるのは、1/60統一スケールを外す選択をしたカーロボットやトレインロボ等の商品サイズと隊員サイズとの矛盾なのですが、それについていろいろと苦しい理屈や設定を後付けして正当化するつもりはありませんし、気になる方は各自好きなように解釈していただければ良いかと思います。

 

ただ、カーロボやトレインロボも、間違いなく数十年前のダイアクロン世界で、実車サイズのダイアクロンマシンとして存在し大活躍していたという事は、ダイアクロン史の中では揺るぎのない事実だとイメージしていただければ幸いですね。

 

 

――今回のお話の中でトランスフォーマーという言葉がたびたび出ていますが、今後の展開でトランスフォーマーシリーズと融合していくのでは? という見方があるようですがじつのところどうなのでしょうか?

 

 

再起動発表時から、なぜかそのような質問をたびたびいただいており、今回の<バトルコンボイV-MAX>の発売で「トランスフォーマーのキャラクターがダイアクロンになった」とか「これでトランスフォーマーとダイアクロンが繋がった」とかいった誤解がさらに増えてしまうような気がしますので、この機会に説明させていただきます。

 

 

まず、同じメーカーからリリースされている同じようなラインなので、どちらも自由に行き来した展開できるのでは? と捉えている方々が非常に多いのですが、双方のコンテンツの権利構造は根本的に異なり、商品計画や企画開発のプロセスも完全に異なりますので、実際にはそれぞれ関連性のない独立したラインなんです。

 

トランスフォーマーの初期アイテムの一部に、ダイアクロンアイテムを流用した物がありますが、工業製品としての形状としては同じでも、世界観を含めた商品ブランドとしては全く異なる商品となります。よくトランスフォーマーの歴史が語られる際に「ダイアクロンとミクロマンがトランスフォーマーに統合された」という表現をされる場合が多いのですが、正確にはブランドや世界観が統合された訳ではありません。ダイアクロンとミクロマンで発売した製品のいくつかがピックアップされ、それらの金型を流用して生産が行われ、新たな設定と世界観が添付されたトランスフォーマーブランドの商品として販売されたという事です。その際にそれぞれが活躍する世界観設定、ブランドを担っていたミクロマンフィギュアやダイアクロン隊員は排除されています。

 

 

現行のダイアクロンとトランスフォーマーの製品の外観的には、確かにロボット、ビークルという類似点はありますが、製品指向やプレイパターンは似て非なる物ですので、商品を作り送る立場としては、双方のブランドを一つにまとめ、共通の世界観に統合していくという方向は考えていません。

 

もし、そのような狙いや意向があるのであれば、最初から現行の方向でダイアクロンシリーズを立ち上げていませんし、むしろ商品仕様を考える時に、いかに遊びを差別化させるか、いかに違った製品満足感を提供できるか、を毎回考えながら進めているくらいです。ダイアクロンラインは100%自社オリジナルコンテンツで、外からの制約や制限に縛られる事なく、商品企画の立案・製品仕様決定・世界観の構築・プロモーション展開等が自由に行えます。それは今のダイアクロンラインを立ち上げた目的の一つでもあるんです。

 

もちろん、これは単に商品を作り送る立場としての見解をお話しただけですので、ユーザーの皆さんは、ぜひとも自由な発想でストーリーや設定を考えたりして、双方分け隔てなく一緒に楽しんでいただければ、と思っています。

 

――金型を流用してそれぞれのブランドのアイテムを生産し、それに準じた世界観やキャラクターを添付したとのことですが、それぞれのシリーズの商品としての違いはどのようにお考えでしょうか。

 

商品の企画開発という視点でお話ししますと、トランスフォーマーの基本的な製品指向は、ビークル形態優先の技巧を凝らした変形合体機構、単体で完結して即興的に楽しめる変形合体が遊びの中心、既知度が高い実車/実機モチーフ指向、スケールは基本的に統一せずバラエティ感のある商品展開を重視、操縦席は無人、等と言った方向です。

 

それに対し、ダイアクロンは、ここでは今現在展開している方のダイアクロンの事ですが、人型形態優先の可能な限り簡素にした変形機構と自由度の高い合体機構、ワールドを広げて楽しむロールプレイが遊びの中心、遊びを組み込み易いSFモチーフ、全ての商品は1/60統一スケール、操縦席に必ず隊員フィギュアが乗り込む、というように商品展開の伸びしろとなる守るべき要素が、綺麗に真逆関係の製品指向です。

 

 

世界観もかたや「人格を持ちビークルに変形するミラクルなロボットが戦う世界」、かたや「ミラクルではない人が作り、人が操縦するマシンで戦う世界」というように、世界を構成するフィクションラインもレギュレーションも異なります。

 

ですので、もしも「両方とも同じ変形合体モノだから一緒にしたら、遊びが倍になっていいよね」的な軽い思いつきで2つのラインを永年的に融合する企画開発をする事になれば、先ほどのそれぞれの守るべき重要な要素を否定し合わなければならなくなりますので、相乗効果どころか相殺効果で即時に行き詰まるか、初期ダイアクロンラインの顛末をもう一度繰り返す事になると思います。隊員サイズが商品毎に異なるとか、モールドとして操縦席に彫り込まれるとか、一瞬考えただけでも泣きたくなりますよね。

 

――実車/実機とSFモチーフ、無人と有人、非統一スケールと完全1/60スケールと、綺麗に真逆の関係である以上、シリーズ融合は、それぞれのコンセプトの長所を崩しかねないので難しいですね。

 

商品の企画開発的には、今後もそれぞれの持つ世界観の中でそれぞれの優れた守るべき製品特性を伸ばしつつ独自に発展していくべきだと思いますが、クロスオーバー的な期間限定コラボレーション企画という形であれば、可能性は充分あると思います。

 

例えば、「ミラクルではない人間が操縦するマシンと人格を持つミラクルな超生命体が共闘する」といったクロスオーバーシチュエーションは継続展開するのは無理ですが、パッと見の一枚絵としてのイメージであれば、24時間程度のでき事とかの時間制約付きストーリーとして切り取るのであれば、お祭り的な商品企画として成立すると思います。

 

 

もしも、やるとなった場合は、言葉だけの設定を貼りつけただけで「コラボですよ」という事には絶対にしたくないですし、現ダイアクロンの玩具として最も重要なレギュレーションである1/60スケールの厳守と、ダイアクロン隊員の乗り込み遊びは最低限マストにして欲しいところです。

 

とにかく、コラボする対象が何であれ、双方のメリットが共鳴するようなアイテムとなり、何よりも玩具として遊びがより楽しくなるような物でないと、コラボレーションさせる意味がないと私は思っています。

 

先程も少し触れさせていただき、繰り返しになりますが、いままでお話しさせていただいた事は、あくまでも「商品の企画開発的な観点」でのお話です。

 

まずないとは思いますが、2つのラインの商品のバックボーンが違うからといって、一緒に遊ぶのは間違いだ、とは、くれぐれも思わないでいただきたいと思います。玩具で遊ぶ時は常に自由であり、楽しみ方にルールはありません。

 

玩具を作る際には、ブランド・製品志向・世界観等の拠り所となる制約が必要になりますが、皆さんが玩具を手に入れた瞬間から、それらの制約や境界線はフリーとなり、皆さんの想い次第になります。世界観に沿って遊ぶのも良し、ブランドを越えたコラボレーションで遊ぶのも良し、とにかく玩具ですので思うがまま自由に楽しんでいただければ、と願っています。

 

 

――「ダイアクロン」再始動から5年、シリーズ40周年ですね。

 

 

現在のような社会状況になっていなければ、再始動から5年、シリーズ40周年を祝して年内の折々のイベント毎に様々なインパクトのある情報を順次公開して、スペシャルな1年を盛り上げるという計画だったのですが、全てのイベントの開催が不可能となり、スケジュールも大幅に遅れ続けているため、計画通りに実現する事が不可能となってしまいました。すでにご案内しているように期間を来年度まで延長し、全てオンラインを基本とした<ダイアクロン隊・結成40年記念5大作戦>として仕切り直して展開させていただいています。

 

 

今回の第2弾<バトルコンボイV-MAX>の情報公開方法もその状況下の中で、より大きなインパクトを生み出すために画策し、あえて情報を小出しにせずに、異例の一点集中型の全貌公開と同時の予約解禁という形をとらせていただきました。

 

続く5大作戦の第3弾の「オンラインEXPO」や、公開してない第4弾、第5弾も、進展があり次第ダイアクロンホームページ等で随時情報を公開していきますので、もうしばらくお待ちください。期間が延びた分、内容もより充実したものになると思います。

 

また5大作戦とは別枠のオンライン企画として「フォトミッションコンテスト」も開催しますので、ぜひともお手持ちのダイアクロン隊員と共に参加していただきたいと思います。なんだか一等賞が10万円相当の商品詰め合わせ、とかいう景気のいい話を聞きましたので、こうなったら私もこっそり参加して一等賞を勝ち取ってやろうと思っています、というのは冗談ですが、皆さん気軽ご参加いただければと思います。

 

 

 

――「ダイアクロン」の今後の展開についてお聞かせください。

 

 

最初におことわりしておきますが、このご質問の回答の中では、未だ明かしていない5大作戦の4弾、5弾については一切触れられない事になっていますので、その旨ご了承ください。

 

 

今後の展開ですが、直近ではヴァースライザーシリーズ系やワルダロス・ソルジャータイプ等の発売が控えています。予約開始の新製品では、弊社のタカラトミーモール限定発売となりますが、間もなくヴァースライザーシリーズや、ワルダロスソルジャー等のリカラーの発表があると思います。

 

 

<バトルコンボイV-MAX>以降の次年度の具体的な展開計画は、まだ検討中の段階ですが、<バトルコンボイV-MAX>の基地遊び要素が好評であれば、ダイアクロン初の<基地アイテムシリーズ>として本格的に展開していければと思っています。コストの都合で採用しなかったベース部の構造バリエーションや、オプションユニット等、基地アイディアのストックは脳内の記憶領域に潤沢に備蓄してありますので、ぜひとも全品大放出といきたいところです。

 

 

また、好評のヴァースシステムシリーズも引き続き継続していきたいと思っています。極力飽きのこないパターンのアイテムを検討中です。もちろんワルダー側もさらなる大攻撃を打って出るような気配ですので油断禁物です。

 

 

冒頭でもお話した<バトルコンボイV-MAX>自体の今後の展開は本当に未定で、バトルスV2やビッグパワードGVパターンなのか、それ以外なのか、と色々考えられますが、結局は商品パワーがどの程度あるのか次第、というか実績次第なので、その結果を見ながらじっくりと方向性を決めていきたいと思っています。

 

と、いうところで4弾、5弾には全く触れていませんが、今回はご容赦いただきたく思います。

 

 

――「ダイアクロン」ユーザーへのメッセージをお願いします!

 

 

1980年にスタートしたダイアクロンラインはカーロボットの登場で2つの異なる製品志向が混在するライン構造となり、最終的には初期ダイアクロンの製品志向を排除し、変形合体志向に絞るという選択をしました。もちろん、当時の子供達の遊びの志向は間違いなくその方向にあり、結果として世界的なビッグコンテンツとなるトランスフォーマーの誕生にも繋がりましたので的確な判断だったと思います。

 

 

それから数十年後、改めて初期ダイアクロンの製品志向を紐解き、新たな視点で捉えてみると、とても魅力的なエッセンスが凝縮された新鮮なコンセプトを見出す事ができました。

 

 

具体的には<基地・ロボット・乗り物・人形を使ったごっご遊びができる、TVでやっていない、おもちゃシリーズ>という子供の視点から、大人の視点に切り替えて<遊び手の自由なイマジネーションを玩具に投影する事で遊びとワールドが広がっていくオリジナルSF玩具シリーズ>と捉えてみるという事です。

 

 

さらにそこから導き出したキーワードは<大人の為のイマジネーション・エンターテインメントとしてのオリジナルSci-Fi-TOYシリーズ>であり、ベタに言うと<大人の男玩>ですが、それを具現化したものが現在展開中のダイアクロンシリーズです。

 

 

目指す所は、過去に留まり郷愁に浸るための復刻玩具のような方向のダイアクロンではなく、今現在の大人達を魅了するようなイメージの強襲が体現できる、今現在のダイアクロンです。

 

遊び方も、子供のような無邪気なごっこ遊びではなく、まあ、そうしても良いのですが、これまで大人が見聞きして脳内に蓄え続けた膨大なイマジネーションを駆使して、様々なドラマティックなシチュエーションやストーリーを想定しつつ、統一スケールのミニチュアモデルでのシミュレートやハイレベルなシーン構築を行うという、大人だからこそ本気で遊べる知的なエンターテインメントとしての<大人のロールプレイ>です。

 

たんに「ごっこ遊び」を小難しく言い換えているだけではないか、と言われればごもっとも、なのですが、言い回しはともかく、結果として大人である皆さんが、“楽しい!”と、感じていただければ何も言うことはありません。それが玩具たるものの本懐ですので。

 

最近、今のダイアクロンは、カーロボという特異点が出現しなかった場合のダイアクロンラインが持っていた「もうひとつの未来」を時を超えた数十年後の現在に、大人向けにアップグレードさせて実体化させているのだ、という見方もできるのかな、と考えたりしています。

 

そう考えると只の商品展開が、なんだかロマン溢れる特別なミッションに思えてきたりしますが、これも大人のイマジネーションのなせる業だと思います。

 

実際にはカーロボがなかったら、とんでもない未来になっていたはずですが……。

 

 

現行ダイアクロンラインは、初期ダイアクロンラインの展開年数を追い抜き、お陰様で、展開5年目に突入する事ができました。始める前は色々と不安もありましたがスタートしてからは特にシリアスな状況に陥る事なく、ほんとうにスムーズな商品展開で走り続けられ、今に至っている次第です。このタイミングでバトルコンボイ君も帰ってきてくれましたので、そろそろリミッターを外しても良い時期ではないかと思っています。

 

と言うことで、ダイアクロンメカは世界観的にはフリーゾンというミラクルなエネルギーで動きますが、玩具的には皆さんがお持ちの膨大なイマジネーションが原動力です。皆さんの無限のイマジネーションが共鳴活性化し続ける限り、ダイアクロンワールドも果てしなく広がり続けるという理論に基づき、これからダイアクロンは<完全版モード>に移行したいと思います。

 

ご期待ください。

 

●PROFILE

高谷元基(たかや・もとき)

株式会社タカラトミー、玩具デザイナー。
主な参加作品:『電脳警察サイバーコップ』『トランスフォーマーZ』『機甲警察メタルジャック』『電光超人グリッドマン』『B’TX』、ハイターゲット向けの商品として注目された1/6スケールのアクションドール『CoolGirl』など、数多くの商品企画や開発に携わっている。現在はダイアクロンのシリーズを担当。ユーザーのアンケートやリクエストにも目を通しつつ、再始動した『ダイアクロン』シリーズの商品開発に情熱を注ぐ日々を送っている。

 

DATA

ダイアクロン DA-65 バトルコンボイV-MAX

  • コンテナ本体×1、バトルコンボイ本体A×1、バトルコンボイ本体B×1、メンテナンスデッキ×1、司令機×1、銃×2、ボレットコアA×1、ボレットコアB×1、デッキ×4、コンソールA/コンソールB×2、コンソールC×2、クレーン柱×4、クレーンレール×2、クレーンレールジョイント×1、チェンバーハンガー/ボレットコアハンガー×6、戦闘バイクベース×2、武器×2、イス×4、クロー×2、連結パーツ×4、ダイアクロン隊員×2、シール×2、スチールシート×1、パンフレット×1、取扱説明書×1
  • 対象年齢15歳以上
  • 発売元:タカラトミー
  • 価格:32,000円(税抜)
  • 2021年2月下旬発売予定

※画像は試作品の為、最終仕様と形状、カラーリングが異なる場合があります。

(C)TOMY

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