調布FMで放送中『高寺成紀の怪獣ラジオ』10月16日&23日ゲストの葛山信吾さんにインタビュー!
調布FM(83.8MHz)にて、毎週金曜24時から好評放送中の『高寺成紀の怪獣ラジオ』。東映のヒーロー作品などを数多く手がけた高寺成紀さんが、ご自身が関わった作品にまつわる豪華ゲストを招いて当時の裏話などを語り合う、特撮ファン必聴の番組です。
現在は、高寺さんがプロデューサーを務め、2000年1月から2001年1月にかけてに放送された、平成仮面ライダーシリーズ第1作『仮面ライダークウガ』15周年を記念し、当時のキャストやスタッフが続々登場。そして10月16日と23日のゲストは、ファン待望のあの方がついに登場!
「遅いぞ、五代!」
このセリフにしびれたファンも多いことでしょう。
今回のゲストは、主人公である五代雄介=仮面ライダークウガを支えた相棒であり、“もう一人の主人公”とも言える敏腕刑事・一条薫を演じた葛山信吾さん! ラジオでは、たくさんの思い出や裏話を語っていらっしゃいますが、ここでは高寺さんも交え、ラジオ収録の感想についてお聞きしてきました!
――それではまず、『仮面ライダークウガ』の放送終了から15年が経った今、改めて『クウガ』という作品、そして一条薫という役柄を振り返った感想をお聞かせください。
葛山:非常に嬉しいですね。今回のラジオ出演のお話は高寺さんからいただいたんですが、「収録前に『クウガ』の本編を全部見ておいてくれ」って言われて全部見返したんです。こういう機会がないと、なかなか自分から『クウガ』を全部見てみようと思うことも、時間もありませんから、とても良い時間を過ごせたと思います。
自分の芝居に関しては、出だしは「目も当てられない」という恥ずかしい思いでいっぱいでした(笑)。でも、3日間ぐらいかけて全話見ていったら、話が進むにつれてそういうことは気にならなくなり、一年以上かけて作り上げた世界に引き込まれていました。すばらしい作品だと思います。
――では、記憶をさらにさかのぼっていただきますが、一条薫の役に決まった時のことをお聞かせください。
葛山:一番最初にお話をいただいたのは、五代雄介の役のオーディションに呼んでいただいた時でした。でも、今回探している五代雄介像には合わない、ということで、「ダメだったか……」と思ったんですが、高寺さんに「雄介の隣で一緒に戦う刑事の役があって、そのイメージにぴったりだからやってもらえないか」と言っていただいたんです。
――ということは、高寺さんにとって、葛山さんは一条刑事のイメージぴったりだったんですね。
高寺:そうですね。一条さんはストイックで、どんな時でもベストアンサーを出せる人なんです。例えば、『クウガ』の作品中で言うと、ゴ・ザザル・バという怪人が、オレンジの動く箱(JR中央線)を襲撃しようとした時、念のために同じ色をした他の路線も封鎖する。こういうことを常に考えられるのが一条さんで、葛山さんがそのイメージに合っていたんです。葛山さんに演じていただいたことで、自分の思った通り……というか、想像よりさらに格好よくなったと思います。『クウガ』はそれまでの子ども向け番組とは少し異なった、大人向けのハードな作りでしたから、そこにちょうどフィットしたんでしょうね。
――一条さんのおかげで、とてもリアリティのある警察像ができあがったと思いますが、それだけにセリフの中には難しい警察用語が多かったですよね。覚えるのに苦労なさったりしましたか?
葛山:ラジオの中でも話したんですが、会議のシーンが特に大変だったな……というのは、今見返しても思います。共演者の皆さんも苦労されたんじゃないでしょうか(笑)。でも、NGは多少あったと思いますが、詰まって止まるということはそれほどなかったですね。
高寺:用語関係の説明は、警察側では一条さんか榎田さんでしたね。医療関係は椿先生、古代文字関係は桜子さんという分担。一条さんは、いつも「一条君。」と、松倉本部長に振られて話し出す、という感じでした(笑)。
葛山:新しく開発した装備の説明なんかもしなきゃいけませんでしたね(笑)。松倉さんも、お硬いセリフが多くて大変そうでした。
――それでは、葛山さんから高寺さんへの当時の印象は……?
葛山:とにかく、いつもニコニコしながらいろんなことを説明してくださったんですけど……(笑)。
高寺:ニコニコしてる時点で怪しいよね(一同笑)。
葛山:ずっと『クウガ』のことを考えてるんだろうな……と思っていました。何を質問しても答えてくださるんですよ。脚本に書かれていることの裏側だったり、「ここの説明は抜けてるな」とこちらが思うことも、高寺さんの頭の中には全部ちゃんと答えが入ってるんです。ただ、その笑顔で「葛山さん、一条さんというのはこうじゃないんですよ」と言われたりしました(笑)。本読みは毎回あったんですけど、いつも最初に高寺さんがいろんなことを説明してくれました。
高寺:台本の狙いとか、シリーズが今後どんなふうに進んでいくかという話もありましたし、(作品中で)前の回と数日時間が経っている回については、その間に何が起きていたのかを説明していました。
――『クウガ』はそこまで設定が細かく練られていた作品だったんですね。デザイン面にもとてもこだわりがあったと思いますが、“仮面ライダークウガ”というキャラクターや、作中に出て来る文字などのデザインについて、葛山さんからの印象はいかがでしたか?
葛山:ファンの皆さんからいただくお手紙などに古代文字が書かれていたりしますが、読めないです(笑)。でも、いろいろなものが細かくきちんと考えられているな……と思います。
僕は子どもの頃に仮面ライダーシリーズをちゃんと見たことがなく、『クウガ』が初めて見たライダーに近いんですが、素直に「かっこいいな」と思いました。グロンギ怪人は怖かったですね(笑)。
――今見ても斬新な部分がたくさんあると思います。レンタルDVDやネット配信などで見る機会も増えました。今になって初めて『クウガ』を見る、という方もまた増えると思いますが、葛山さんから「ここを見て欲しい」という部分はありますか?
葛山:ポイントとして挙げるのは難しいですね。とにかく「見て欲しい」と思います(笑)。「人として」というテーマがとても大きな作品だと思うので、いつ見ても必ず感じてもらえることが、たくさん散りばめられていると思うんです。分かりやすく大きなテーマが一年を通して突き進んでいますから、最初から最後まできちんと見ていただきたいです。
高寺:葛山さんもレンタルショップ、何軒か問い合わせてやっと見つけた……というぐらい、どこも貸出中だったらしいんですよ(笑)。配信で見られる環境があるなら、配信でも見ていただきたいです。
葛山:こんなに見てくれている人がいるんだ、と思いましたね。電話で地元のお店以外にも確認してもらったんですけど、何軒かたずねて、やっと見つけたんです。
――あれから15年を経て、今の一条さんはどんなふうになっていると思いますか?
葛山:どうでしょうね、現場にいるのか、偉くなっているのか……。今のところは全く考えていませんが、その後の一条薫を考えてみたら面白いかもしれないですね。
僕が一番気になっているのは、五代雄介がまた冒険の旅に戻り、一条の前からいなくなった時、一条はどんな心境だったんだろう……ということです。“未確認生命体”という大事件を終え、一緒に戦ってきた五代雄介という存在がいなくなり、一条はその後の職務に関してどういう気持ちになるか……。事件が起これば当然現場に向かうんでしょうけど、あまりにも事が大きすぎて、喪失感みたいなものはあったと思います。最終話にもそうした様子が少しありましたが、そこは改めてゆっくり考えてみたいですね。
――それでは最後に、今回のラジオのアピールなど、ファンの皆さんへメッセージをお願いします。
葛山:『仮面ライダークウガ』は、自分が役者として起点となった大きな作品だったと思います。もう15年も前の作品で、でも15年経った今も、こうして『クウガ』にまつわるお仕事をいただけるということを、本当に嬉しく思っています。こうした機会をいただけるのも、ずっと作品を見てくれて、いろんなことを感じて、盛り上げて、応援してくださる皆さんがいるからこそだと思いますから、またこれから先、20年30年と語り継いでいってもらって、僕たちが作った作品をまた思い出して語れるような時間を持たせてもらいたいです。本当にありがとうございます。
高寺さんも、ずっと『クウガ』に関わった人たちをいまだに結んでくれています。普通は撮影が終わるとなかなか会えなかったりするんですけど、何かある度に電話やメールで声をかけてくれるお陰で、いろんな人と会えたり、作品について話せたりもするので、大変感謝しています。うまく話せませんけど、またラジオにも呼んでください(笑)。
高寺:今回のラジオでは、リスナーの方々から、本当にたくさん質問をいただいたんです。どのメッセージにもそれぞれの思いが詰まっていました。平成仮面ライダーの第一作として、2000年に新たな仮面ライダー、新たなヒーロー番組として作られた、その息吹のようなものを感じてもらえれば嬉しいです。普段は一年よりちょっと短いぐらいの期間で撮るんですが、『クウガ』は一年以上かけて撮りました。手塩にかけてこだわりを持って作った作品なので、改めていろんなことを感じていただけるとありがたいですね。
葛山:15年前を見るのは面白かったですよ。中でも公衆電話と携帯電話が一番印象的でした。五代君が公衆電話に駆け込んで電話かけてましたから(笑)。
高寺:スマホなんてもちろんなかったし、折りたたみ式の携帯電話すら少なかったですから、時代を感じますね(笑)。今回の『怪獣ラジオ』ではその頃の裏話なども聞けますので、皆さんぜひ楽しんでください!
――本日はお忙しい中、ありがとうございました。
そして、この収録後、ついに『仮面ライダークウガ Blu-ray BOX』の発売が発表されました! 15年経っても色褪せない名作を、美しい映像で見ることができます。このBlu-ray BOXには、これまではCS放送でしか見られなかった「超古代語対訳(グロンギ・リント)日本語字幕」が収録されているほか、1・2話の未放映シーンを追加したディレクターズカット版なども収録。ファンなら必ず手に入れたいスペシャル版です。
1話から16話、映像特典などを収録した『仮面ライダークウガ Blu-ray BOX1』は、2016年1月6日発売予定。DVDに収録されていた新番組特報やインタビューなどもボーナスディスクに収録。以後、『仮面ライダークウガ Blu-ray BOX 2』は3月9日、『仮面ライダークウガ Blu-ray BOX 3』(完結)は5月11日発売予定(価格はいずれも税別22,800円)となっています!
<プロフィール>
【葛山信吾】(かつらやま・しんご)
1972年4月7日生まれ。三重県出身。1990年、第3回「ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト」でグランプリを受賞。翌年、テレビドラマ『ヴァンサンカン・結婚』で俳優デビュー。2000年、『仮面ライダークウガ』で、主人公の五代雄介をサポートする刑事・一条薫役で出演。子どもや特撮ファンだけでなく、主婦層からの人気も集め、メディアから注目される。現在もテレビや映画などで活躍中。株式会社CES所属。主な出演作:『仮面ライダークウガ』、『大奥』、『真珠夫人』(テレビ)、『相棒 -劇場版II- 警視庁占拠! 特命係の一番長い夜』(映画)など。
<関連情報>
高寺成紀の怪獣ラジオ アーカイブ公開 – 調布FM
http://www.chofu-fm.com/41346
高寺成紀の怪獣ラジオ(@kaiju_cfm)さん | Twitter
https://twitter.com/kaiju_cfm?lang=ja
(c)石森プロ・テレビ朝日・ASATSU DK・東映