『クロスアンジュ』スタッフ、ROBOT魂<SIDE RM>ヴィルキスを大いに語る!<前編>【クロスアンジュ解体新書/バンダイ02】

更新日:2019年5月9日 14:50
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今夏発売となったバンダイコレクターズ事業部「ROBOT魂<SIDE RM>ヴィルキス」。差し替え変形とシャープな造形を両立させたこのトイを囲んで、メカニカル作画監督の重田智氏、監督芦野芳晴氏、そしてクリエイティブプロデューサーの福田己津央氏の3人の鼎談が実現!

 

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▲左よりメカニカル作画監督の重田 智氏、監督である芦野芳晴氏、クリエイティブプロデューサーの福田己津央氏。

 

電撃ホビーウェブの連載「解体新書」では、その鼎談の模様を、前後編に分けてご紹介していきます。ROBOT魂を始めとするトイ関連の話はもちろん、メカデザインについて、アニメにおけるメカ演出について、ちょっぴり危険な内容も飛び出す、刺激的なトークをお楽しみあれ。

 

■「ROBOT魂」から見るヴィルキスデザイン

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▲今回のインタビューもサンライズへお邪魔してきました。

 

――本日はよろしくお願いします。まずはヴィルキスについておうかがいしたいと思います。

 

重田: 自分が言うと文句しか出てこないかもしれないですよ(笑)。ヴィルキスって変形が前提だから、腰のパーツが「Z型のブロック」になっているんですよね。でも、福田さんがやりたいような『機動戦士ガンダムSEED』的なアクションって、腰を捻ってなんぼだから、「(殺陣をやるのは)たぶん無理なんじゃ?」と思っていたら……案の定無理でしたね。

 

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重田: これはあくまで作画で動かしている側の感覚なんですけどね、剣を持った手を大きく振り下ろすときに伸びなきゃいけない場所が「これ以上伸びません」っていわれると、ええーっ!? て。身体って伸びたり、縮んだりするから動きが出るのであって、とか思うわけです。

 

芦野:(ROBOT魂 ヴィルキスを触りながら)一応、腰は回せますよ(笑)。

 

重田: 水平回転だけじゃなく、スイング機構が欲しいところですね。

 

 

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福田: 腰にあたるブロックがないのが辛いよね。腰があれば剣戟の構えってできるんだけど。

 

重田:人間でいうと、骨盤にあたるところがないんですよね。ヴィルキスのような、股関節が丸見えなほうがリアルなロボットになるのかな。

 

福田:映像では上手く帳尻を合わせているけど、限界はあるよね。

 

重田:例えば、胸ブロックの張り出しは、アングルによっては邪魔なんですよ。アオってみたら顔が見えなくなっちゃうし、パース感を阻害するというか。あと、武器を両手で持たせようとしても、下げるか上げるかどっちかにしないと、胸ブロックにつっかえちゃうんですよ。

 

福田:武器も片手持ちが基本だよね。原則として両手持ちは無理だったのでさせなかった。ヴィルキスは両手で持つのが様にならないんだよ。腰がない、腰が入らないんで、腰ダメに構えられない。だから無しにした。ライフルも片手持ちにして、両手に武器を持たせる方がサマになった。

 

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芦野:やっぱりヴィルキスは横アングルの格好良さじゃないですかね。

 

重田:確かに横からのアングルが映えるんですよね。

 

福田:まあ、顔が細長いし、ヒサシも長いですし。デザイン上、俯瞰にすると顔が見え無くなっちゃうんですよね。

 

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重田:阿久津さんのデザインエンジンを全開にするとこうなるんだなという雰囲気がよく出ていますよね。背面側のメカニカルな内部を見せたい! というデザインですよね。

 

芦野:金魚と同じ鑑賞法ですよね。金魚鉢は上から見るものだというように、見るアングルが決まっている……(笑)。

 

福田:多方向から映えるデザインにしたいんだけど、それはなかなか難しいよね。

 

――さて、ROBOT魂のヴィルキスについてお聞かせください。今回は福田さん、芦野さんで監修されたとお聞きしました。

 

福田:……あまり何もしていないけれど(笑)。

 

芦野:設定と見比べて、色を確認したりはしましたよね(笑)。

 

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福田:徹底的に監修をするんだったら、『機動戦士ガンダムSEED』のときの重田さんみたいに、最初から手を入れてやらないと。

 

重田:そんなには入れてませんよ!(笑)

 

福田:いやいや、重田さんが本気を出せばね、この程度じゃないですよ。

 

重田:……どんなにパーツごとの形が格好良かろうが、全体としてアンバランスだったら格好良くないでしょう? アニメのメカデザインって意外と、画像映えを計算に入れた上での頭身やプロポーションにあまり気を使ってくれていないような気がするんですよ。もっとも、その部分の解釈や表現は現場の作業に委ねられているとは思っているんですけどね。

 

福田:重田さんがどれだけヴィルキスのCG出力に手を入れて、カッコ良くしていったことか(笑)。

 

重田:でも、立体物を作るんだったらまた話は違ってきますよね。『機動戦士ガンダムSEED』のROBOT魂を作ったとき、バンダイさんにはそういった話をさせていただいています。あとは可動との兼ね合い。「METAL BUILD」シリーズの『ガンダムSEED』系のアイテムは、立ち姿は腰が長くて、手が長い、すこし不思議なプロポーションに思われるかもしれないけれど、でもあれは、アクションポーズを格好良くキメるためなんです。

 

――今回はパーツの差し替えによる変形ですよね。

 

重田:トイとしてはそれで大丈夫だと思うんですけど、飛翔形態と駆逐形態でもそれぞれ画面上での理想の形が違うと思っていますから、どっちつかずになるんじゃないかな、と。だから、本当は別バージョンで両方作るのがいいんでしょうけど、やっぱり手間やコストが倍になってしまいますしね。

 

福田:すこし真面目な話をすると、ヴィルキスは最初から商品化を前提にしていないロボットだったから、逆にやりたいことができたというのはあるかもしれないよね。その分、立体化するときにも苦労したと思うけど。でも、そういう負荷、ままならない部分があったほうがメカとしては面白い。CG前提だから立体は意識しているけど、トイは意識していない。頭部のフィギュアのような、こんな細かなパーツを使ってもいる。そういう部分では、あえてこのデザインが良かったのかもしれないね。

トイ前提のデザイン、トイのためのギミックを考えたりはしていないから、値段が高めにはなってしまうけど、そういった良さ、面白さはある。商品化前提の企画だったら、そもそも俺はこのデザイン通さないし(笑)。

見せ方も含めて、立体を作って売るなら立体を作って売るためのメカ、というものがある。だけど、それが無かったことによって、かえってトイでは今までに無い新しさが出たりする。だから、俯瞰や横は非常に格好良いし、オモチャのサイズならば上からの視点が増えるので見栄えも良い。しかも、これだけパーツが細かいトイってなかなか無いじゃないですか。それもひとつの差別化になったと思うんですよ。

だから、そのスタートの考え方の違い、商品化を前提にしていないデザインがヴィルキスにはあって、それが魅力になっていると思いますよ。そのぶん少し、マニアックにはなってしまいましたけど。

 

芦野:阿久津さんのデザインを心ゆくまで楽しめるトイになってますよ。

 

重田:だから、もう一つヴィルキスを作りましょうよ (笑)。『機動戦士ガンダムSEED』のときのように「設定版」と「アニメ版」という棲み分けということで。

 

 

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福田:そこは「設定版」と「重田版」じゃなきゃダメじゃないですか!

 

重田: ええーーっ!? バージョン○○とかいうヤツですか? イヤだなぁ……。

 

福田: 次は大きいサイズで、それこそ、1.5倍くらいのサイズになって、再現性が高くなるといいなという気はする。

 

重田:メタリックな塗装も含めて、そういったことはコレクターズ事業部さん、得意なはずだから、ぜひお願いしたいですね。

 

(後編に続く/11月中旬のアップを予定しています)

インタビュアー:佐野達郎、電撃ホビーウェブ編集部

10月30日から11月1日まで秋葉原にて開催中のイベント「魂ネイション2015」では、ROBOT魂<SIDE RM>の新作が展示中! このほかのシリーズも一同に会した豪華な展示となっています。

(関連記事はこちら⇒速報レポート!魂ネイション2015(まとめ)

 

 

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▲「ROBOT魂<SIDE RM> ヴィルキス《最終決戦仕様》」。参考出展。

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▲「ROBOT魂<SIDE RM> レイジア」。参考出展。

 

注目はなんといっても最終決戦仕様のヴィルキスでしょう。ぜひ魂ネイション会場へと脚をお運びください!

 

 

<DATA>

ROBOT魂 <SIDE RM> ヴィルキス

■ノンスケールアクションフィギュア

■発売中

■全高:約140ミリ

■価格:8,500円(税抜)

■発売元:バンダイコレクターズ事業部

 

<関連情報>

『クロスアンジュ 天使と竜の輪舞(ロンド)』公式サイト

http://crossange.com/

ROBOT魂『クロスアンジュ 天使と竜の輪舞』スペシャルページ | 魂ウェブ

http://tamashii.jp/special/crossange/

 

(C)SUNRISE/PROJECT ANGE

 


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