55ミリのHi-νガンダムやナイチンゲール、バイアラン・カスタムなどはまさに工藝品!極小サイズの食玩ガンダムプラ製ミニキット「ガンダムアーティファクト」。開発画稿を交えながらサンプルレビューで魅力を徹底解剖!
発表直後から注目度も高い『機動戦士ガンダム』シリーズのプラ製ミニキット食玩、「ガンダムアーティファクト」。約55ミリとは思えぬ精密な造形、アレンジの独自性の強さ、見事にツボを突いてくる機体のセレクトとコレクターにもモデラーにも大注目のアイテムとなっています。
電撃ホビーウェブでは、製品サンプルで発売直前にこの「ガンダムアーティファクト」をリック・ディアス、Ex-Sガンダム、Hi-νガンダム、ナイチンゲール、バイアラン・カスタムの全5種をレビュー! 封入されるレアカラー、クリアレッドVer.の機体も公開いたします。さらに、秘蔵の開発画稿と製品版とあわせてご紹介、本アイテムのデザインがどのように作られたのかにも迫っていきます。「ガンダムアーティファクト」のすべてに迫るサンプルレビュー、発売直前の予習にぜひ本稿をお楽しみください。
まずはパッケージ画像。デザインはかつての人気食玩「ガンダム ミニフィギュアセレクションプラス」を思わせるレイアウト。イラストを担当するのは、同シリーズや「GUNDAM ADAPT」など食玩ガンダムのレジェンドシリーズを数多く手掛けてきたイラストレーター・木下ともたけ氏。「ガンダムアーティファクト」でもパッケージに加え、イラストやフィギュアのデザインを担当されています。
パッケージを開けると、パーツ数約50にもおよぶランナー4枚と組み立て説明書がお出迎え。このみっしり感、それだけでテンションが上がります。本格派のつくりなので、ニッパーとカッター、できればピンセットも用意して臨みたいところです。なお、パッケージ天面には機体名が表示されているので、購入前に選べます(※カラーは選べません。また、写真はサンプルのため、ボックス表記と内容物が異なっています)。
ランナー状態でもアップショットでちょっと見どころをご紹介。まずはやはり目を引く頭部から。Hi-νガンダムは3パーツ構成で、マスクからトサカまでのパーツに側頭部を左右から貼り合わせます。このサイズながらHi-νガンダムの切れ長のツインアイが見えてくるよう。
Hi-νガンダムの総パーツ数は圧巻の58(赤丸部分の数字をご確認ください)!
脚部はフレームが太腿からふくらはぎまで一体化、強度を確保しています。またスネ部分はこのサイズでフレーム+装甲の構造になっているなど、工夫と執念には脱帽です。
リアスカートには裏面用のパーツを贅沢に投入するなど、こだわるところにはしっかりこだわっています。ランナーを眺めるだけでもかなり楽しい食玩なのです。
それではいよいよ各アイテムをご紹介。まずは001のリック・ディアス。『機動戦士Zガンダム』に登場したエゥーゴの高性能量産機で、クワトロ大尉ことシャアの乗機でもあります。シンプルな機体ながら、各部には円状ディテールが盛り込まれ新鮮な印象に。アレンジされてもリック・ディアス独特の体型は健在、背面に抱えた多数の武装もチャームポイントです。
脇で抱えたバズーカは、しっかり本体に密着。地味なポイントですが、こういった「練られた美しい立ち姿」は固定モデルならではですね。
背面ショットはバインダー、ビーム・ピストルで密度感高し。じつは別パーツ化されたビーム・サーベルも腰裏に付いている重武装ぶりです。
002のEx-Sガンダム。『GUNDAM SENTINEL』の主役メカ、宇宙世紀の大ボリューム機体の代名詞ともいうべきガンダムが、プロペラント・タンクを背負った姿で出撃。武装こそありませんが迫力は第一弾でも随一です。膝部インコム・ポッドは展開状態となり、その立ち姿に華を添えています。頭部も小サイズながら前後に長く、顎が大きめと特徴をしっかり捉えています。
背面の強化型パックをアオリで見ると、もはやサイズを忘れてしまう迫力。バックパック内側はもちろん、ノズル内部や各所のフィン状ディテールも細かく、目を飽きさせません。
脚部はユニットが多い複雑な形状ですが、展開状態のインコムも含め美しい脚線を描きます。足首には転倒防止用の補助パーツが装着できます。
003はHi-νガンダム。小説版である『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア ベルトーチカ・チルドレン』でのアムロの乗機で、翼のようなフィン・ファンネルやヒロイックな体型で人気の高い機体です。さまざまなアレンジが存在する機体ですが、イメージをうまく統合し、かつ「ガンダムアーティファクト」ならではのアレンジを施したシリーズの看板と呼ぶべき完成度となっています。
ガンダムらしい頭部のバストアップ。頭部は驚くほどのイケメンぶり、各所も非常にシャープで腹のVマークなどもクッキリです。
脚部はさまざまなディテールを、ミゾの幅や深さに変化をつけて表現しています。また他の機体と同じく円状のパネルラインが配されているのにも注目です。
004はいったん飛ばしまして、005のバイアラン・カスタム。『機動戦士ガンダムUC』に登場、その異形と劇中での大活躍で一躍人気機体となりました。独特のフォルムはアレンジが施されてさらに先鋭化しており、コードとフレームだけのように見える腰部や膝の逆関節など外連味あるアレンジが心に刺さります。
腕部のクローとメガ粒子砲はそれぞれ独立していて立体感も抜群。
接続軸にも固定モデルならではの工夫があります。バイアラン・カスタムの肩は写真でわかるとおりやや後方に開いた角度で接続され、胸を張った立ち姿を演出しています。
最後は004、ナイチンゲール。Hi-νガンダムと同じく『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア ベルトーチカ・チルドレン』でのシャアの乗機で、ジオン系MAの系譜を感じさせるシルエットを持ちます。「ガンダムアーティファクト」ではよりモビルスーツらしい体型へとアレンジが加えられました。背部ファンネルコンテナや、脚部のフレームなど、キットとしても見どころ多め。本機体は開発画稿も交えてガッツリご紹介いたします。
俯瞰で見ると頭部のラインと胸部ユニットのラインが美しくつながっているのがわかります。それにしてもこの角度はシールドの裏をはじめ情報量が多く、見惚れてしまいます。
まずは開発最初期のコンセプト画稿と、実際の製品サンプルを見比べてみます。このコンセプトがいかに完成品へと変化していったか、すべてではないですがその過程を追いかけてみましょう。
開発中の3DCG画像と、これに対する木下ともたけ氏の頭部、胸部、股間ユニットへのデザインワーク。修正指定を踏まえて製品版を見ると、反映されたことでより色気のあるフォルムとなっています。立体に落とし込んだスタッフの豪腕も伺えますね……!
脚部のデザインワーク。脚部は鳥足状のフレームに小ぶりながらグラマラスな装甲が張り付くデザインとなっており、製品版でも見どころです。
ファンネルとそのコンテナのデザインワーク。コンテナとなるバインダー裏は曲面が複雑に絡みあうメカニクスで、どこか有機的なのが魅力です。ファンネルそのもののデザインも画稿と指定を汲み取り、ニュアンスがしっかり伝わる形状に。
正面カットからの肩や腕部、脚部のデザインワーク。腕部、フロントスカートなど変更のほぼすべてが反映されているのがよくわかります。肩は初期稿から大胆な変更が入ったのが見て取れますね。
最後にレアカラーVer.(クリアレッド)を公開! 今回のレアカラーがクリアレッドなのは開発担当氏いわく、リック・ディアスやナイチンゲールなど機体色のイメージと合致する機体が多かったから、とのこと。また赤いHi-νガンダムを個人的に見たかったとの思いもあるそうです。キット自体は同じなので、例えばシールドやファンネルだけをクリアにしてみる……といった、ミキシングビルドも面白そうです。
本格プラ製ミニキットとなった「ガンダムアーティファクト」。小サイズながらしっかりモチーフを捉え、また立ち姿での(ほぼ)固定モデルということもあり、ガンプラとは一味違う組み味が楽しめます。内容も「GUNDAM ADAPT」など、かつて話題をさらった“攻めた”食玩の直系と呼べるもの。この機会を逃さず、ぜひ一つつまんでその完成度をご堪能ください。くれぐれも工具のご用意をお忘れなく!
DATA
ガンダムアーティファクト
- 全5種
- セット内容:プラ製ミニキット、チューインガム1個
- 全高:約55ミリ
- 販売元:バンダイ キャンディ事業部
- 価格:各450円(税別)
- 2021年1月25日(月)発売予定
(C)創通・サンライズ
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