映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー(BTTF)』で描かれた“未来”の日にデロリアンがやって来た!
文/にゃかむら
もうニュースなどでご存知の方も多いと思いますが、映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』でマーティとドクが向かった“未来”である2015年10月21日16時29分、まさにその日その時刻に東京・お台場にデロリアンが現われました。
しかもこのデロリアン、生ゴミならぬ古着を燃料にして走るという、劇中さながらの仕様。製作をした日本環境設計の岩元美智彦社長によると、不要になった衣料品に含まれる綿繊維を工場でバイオエタノールに変え、そのバイオエタノールをガソリンと混合して使用しているとのことです。
岩元社長は、大学生のときに『バック・トゥ・ザ・フューチャー』(以下BTTF)を見て「いつかはゴミが燃料になるんだ」と思ったものの、5年経っても10年たっても20年経っても一向にその気配がないので、自分でゴミを燃料にリサイクルする会社をつくってしまったというツワモノ。目標はもちろんデロリアンをゴミで走らせることだったそうです。
なんせ2015年10月21日という期限が決まっているので、それはもう必死だったことでしょう。そして2007年の会社設立からわずか8年で実現してしまったのだから、その情熱たるや計り知れないものがあります。まさに和製ドク!
その情熱は映画の配給元であるNBCユニバーサルをも動かし、今回のイベントの公認も快諾してくれたとのこと。そして、ハリウッド映画のプロップを作っている会社で製作されたデロリアンが2015年8月に無事日本に到着。かくして30年の時を経て、岩元社長の夢が実現したのでした。
でもデロリアンを走らせることは最終的な目標ではありません。古着を店頭で回収し資源にするというリサイクルの輪が、ようやくできあがり始めたところなのです。“ゴミの無い世界”への第一歩となるリサイクル技術。今後に注目していきたいところです。
気になるデロリアンですが、写真で見てもわかるとおり、その作り込みは映画そのもの。日時をセットするタイムサーキットやタイムトラベルを実現させる次元転移装置、デジタルスピードメーター、ゴミを入れるミスター・フュージョンなど、どこを取っても完璧で、模型ゴコロをくすぐられます。1/1で作りたくなりますね!
ちなみにこの日はBD BOX/DVD BOX『バック・トゥ・ザ・フューチャー トリロジー 30th アニバーサリー デラックス・エディション』の発売日でもあり、BTTFデーにふさわしい1日となりました。デロリアンは来年1月には車検を取るとのことなので、いずれ街中を走る姿を見ることができるかも!?
イベント名にある”FUKU-FUKU”は、不要な服を小売店等の店頭で回収してリサイクルするプロジェクト。イオンモールなどで実施しています。
ステージでトークショー。左から司会の映画評論家・有村昆さん、日本環境設計岩元美智彦代表取締役社長、元中日ドラゴンズの山本昌さん、野球解説者の山崎武司さん。山本さんは、BTTF公開の1985年にはプロ野球選手であり30年後の未来である2015年まで現役で活躍した球界のレジェンド。その大親友の山崎さんもまた球界のレジェンドと呼ばれています。
1分前からのカウントダウンののち、いよいよ16時29分! ガソリン+バイオエタノール燃料で走り出します。
劇中の2015年では、ナンバープレートはバーコードになっています。
ガパっとあけて古着を投げ込みます。ただし現状は燃料への変換は工場で行なっているため、これはあくまでもイメージ。いずれはデロリアン単体で燃料への変換も行ないたいとのこと。
中央にあるのが次元転移装置を制御するタイムサーキット。3段重ねで、上から行き先の時間、現在の時間、最後に操作した時間。ハンドルの上にあるのはスピードメーター。88mile/h(約140km/h)まで加速するとタイムトラベルが始まります。
助手席にはドクことエメット・ブラウン博士役のクリストファー・ロイドのサインと、脚本のボブ・ゲイルのサインが。
ドアの内側、天井になる部分にはミスター・フュージョンのロゴ。
運転席と助手席の間の後方にあるタイプトラベルの要、次元転移装置。英語ではフラックス・キャパシター。動作には1.21ジゴワットの電力が必要です。
<関連情報>
FUKU-FUKUプロジェクト
http://www.jeplan.co.jp/project/fuku-fuku-project/
日本環境設計株式会社
http://www.jeplan.co.jp/