『攻殻機動隊 新劇場版』BD＆DVD発売記念　秘話も飛び出す“生コメ上映会”開催！

10月28日に発売となる攻殻機動隊25周年記念作品『攻殻機動隊 新劇場版』のBlu-ray＆DVDを記念して「最高の部品＜パーツ＞たちによる生コメ上映会」が開催されました。

 

 

 

 

これは、『攻殻機動隊 新劇場版』の総監督・キャラクターデザインを務めた黄瀬和哉氏、監督の野村和也氏、スーパーバイザーの藤咲淳一氏、製作総指揮の石川光久氏が、アニメ評論家の藤津亮太氏の司会のもと、映像を見ながらコメントをしていくというイベントです。

 

 

 

冒頭の舞台挨拶では、藤津氏がコメンテータの4人に、25年間の総仕上げとなるBlu-ray＆DVDについて、質問をしました。

 

『攻殻機動隊ARISE』から総監督を務めた黄瀬氏に、藤津氏が「ここまでたどり着いていかがですか？」と問うと、黄瀬氏は「（終わったことで）喪失感みたいなものはあった」との答え。

 

また、監督の野村氏は、劇場版という大任を担ったことについて「劇場版というだけで密度が求められると思いますし、攻殻機動隊ということでより密度を求められたと思います。どうやったら厚みが出るかを一生懸命考えました」と、当時の心境を振り返りました。

 

スーパーバイザーの藤咲氏は、現在も月刊ヤングマガジンにて『攻殻機動隊ARISE ～眠らない眼の男 Sleepless Eye～』や、11月5日から東京芸術劇場プレイハウスで開演される舞台『攻殻機動隊 ARISE ： GHOST is ALIVE』の脚本を執筆するなど、現在進行形で攻殻機動隊に関わっている方です。その藤咲氏に、スーパーバイザーという関わり方を問うと、藤咲氏は「企画の段階から、“攻殻”をやるけどどうする？　と言われてアイデアを出しました。原作から来ている設定、士郎正宗先生からいただいた設定をズレないようにチェックしました」とのことです。

 

舞台については、「ARISEがベースのお話で、正味2時間半の中にギュッと詰めています」と、その内容についても少し触れました。

 

製作総指揮の石川氏は、攻殻機動隊のシリーズを25年引っ張ってきて、一区切りついたことに対して、「スタッフも総監督も顔では笑っていますけれど、内面ではプレッシャーやストレスも相当あって、頑張ってくれたと思います。野村監督は新劇場版で、辛いという言葉では言い表せないくらいたいへんだった」と、制作陣の苦労を明かしました。
石川氏はまた、「次の目標が間違いなく見えてきた」とも。ファンとしては今後の新展開に期待したいところですね。

 

続いて始まった生コメ上映会では、各シーンの意図や裏話も飛び出し、貴重な製作秘話が披露されました。

 

 

 

素子が冒頭で笑顔になるシーンについては、『攻殻機動隊 新劇場版』の見所のひとつでもあります。これは、人間っぽく素子を描きたいという意図や、原作マンガの雰囲気も盛り込みたいという意図があったとのこと。脚本には、“満面の営業スマイル”と記されていたのだとか。

 

 

 

そして、『攻殻機動隊 新劇場版』のキーワードとも言える「ファイヤースターター」ですが、定義ははっきりと書かれていないものの、野村監督の個人的な解釈では「自然発火的な、なにもないところに突然化学反応が起こって“炎”という生命を感じる現象が起きる。誰も信じていないし理論も証明されていないけれど、無機質な電脳世界に生命が生まれることもあるのではないか？　ということを信じて付けられた名前なのかなと」とのコメント。クルツ達にとっては、ある種希望が持てるワードなのでは？　とのお話でした。

 

 

 

 

また、『攻殻機動隊 新劇場版』は、このエピソードの後に『GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊』に繋がっていくこともあり、“青春の卒業式”というテーマがありますが、“ARISE”が素子達にとっては青春でも、その青春を味わうことのできない者達もいた、という視点もあったとのことです。

 

 

 

こうして、生コメ上映会は終了となりました。まさにこの場限りの生のコメントが続き、集まった熱心なファンは貴重な体験をされたことでしょう。『攻殻機動隊 新劇場版』は10月28日リリース。攻殻機動隊ならではの密度感を、たっぷり味わってみてはいかがでしょうか？

 

 

 

『攻殻機動隊 新劇場版』ストーリー

2029年3月、総理大臣暗殺事件という戦後最大の事件が発生した。被害者の中には草薙素子のかつての上司、501機関のクルツもいた。バトーやトグサたち寄せ集めメンバーと捜査を開始する草薙。「お前たちは私のパーツだ。パフォーマンスを発揮出来ないヤツはパージする」と言い放つ草薙に、「俺たちはパーツか？」と反発するメンバー。事件の背後にあったのは、戦後の義体開発の行く末を左右する技術的障害【デッドエンド】をめぐる政治的取引。さらに「洗脳・ゴーストへの侵入・疑似記憶の形成」を一度に行う電脳ウィルス【ファイア・スターター】の存在も見え隠れする。そして、事件を捜査する中で掴んだ手がかりは、草薙の秘められた生い立ちにも繋がっていたのだった……。

暗躍する謎のサイボーグ。総理大臣暗殺の真相。“第三世界”の存在。その先に待ち構える罠。たった1人で己の“戦場”に向かう草薙は、後に残すメンバーに最後の“命令”を告げる。「自分のゴースト（魂）に従え」。残された６人が己のゴーストに従う時、はぐれ者の寄せ集め集団は最高のパフォーマンスを発揮するチームへと変化する。“攻殻機動隊”誕生の瞬間に、世界は震撼する―。

 

 

 

＜関連情報＞
『攻殻機動隊 新劇場版』Blu-ray＆DVD

■発売日：10月28日
■価格
特装限定版BD：9,800円（税抜）
DVD：7,800円（税抜）
■収録時間
特装限定版BD：286分（本編：105分(本編100分＋映像特典5分)＋特典DISC：181分）

DVD：105分(本編100分＋映像特典5分)

■特装限定版BD特典：
●豪華スペシャルブックレット
●『攻殻機動隊 新劇場版』ノーカット完全版シナリオブック（脚本：冲方丁）

■特装限定版BD映像特典
●特典 DISC：
1　特別番組『「攻殻機動隊 新劇場版」6.20 公開!!25 分でわかる ARISE SP【ディレクターズカット版】』（出演：坂本真綾／津田健次郎／黄瀬和哉／冲方丁）
2　特別番組『「攻殻機動隊 新劇場版」公開記念!!25 年を 25 分でおさらい SP【ディレクターズカット版】』（出演：坂本真綾／NAOTO（EXILE/三代目 J Soul Brothers）／黄瀬和哉／冲方丁 他）
3　攻殻25周年記念オールナイトイベント「GHOST IN THE NIGHT」トークショー（出演：黄瀬和哉／冲方丁／押井守／神山健治／石川光久）
4　劇場公開初日舞台挨拶（出演：坂本真綾／黄瀬和哉／冲方丁／野村和也／石川光久）
5　Production I.G プロデュース「攻殻機動隊 新劇場版 完全解析 Night」（出演：黄瀬和哉／冲方丁／藤咲淳一／松田健一郎／押井守）

■特装限定版BD＆DVD映像特典
●特報1●特報2●劇場予告編●プロモーション映像●TV-CM

■DVD特典：特製ブックレット

■特装限定版BD＆DVD仕様：黄瀬和哉（総監督・キャラクターデザイン）描き下ろしデジジャケット

 

 

 

 

 

 

 

（c） 士郎正宗・Production I.G/講談社・「攻殻機動隊 新劇場版」製作委員会