コンパチブルカイザーを徹底製作!<第2回>【週刊 電撃スパロボ No.023】
2011年にコトブキヤから発売となった「コンパチブルカイザー」「Gコンパチブルカイザー」。アニメ版のデザインを担当した大張正己氏による監修を経て発売となった本アイテムは、可動範囲・プロポーション共に優秀なキットとなっています。そんな本アイテムを改めて製作する作例記事第2回は、股関節とヒザ関節の工作をお届け。プロポーション変更と可動範囲の拡大が一気に行えるお得な工作となっています。
富永高志(とみなが たかし)…電撃ホビーマガジンでも『スパロボ』関連作例を多く担当。
※これまでの製作の過程は、以下のバックナンバーをご覧ください。
【週刊 電撃スパロボ No.020】コンパチブルカイザーを徹底製作!<第1回>
■股関節とヒザ関節の一石二鳥の工作をお届け!
富永: 今回は、股関節とヒザ関節の工作を中心にお届けします。少し地味かもしれませんが、
編集部: 前回、股関節から延長してプロポーションを変える、と言っていたところですね。
富永: はい、股関節に関してはプロポーション変更と同時に、可動範囲を広げる工作を一緒にやってしまおうと思います。元々ボールジョイント接続である股関節を、軸接続式に改めます。まずはフトモモ側に軸関節の受けを追加します。下の写真をご覧ください。
富永: ポリパーツはコトブキヤの「ライン・ヴァイスリッター」のものを流用しています。「ライン・ヴァイスリッター」のフトモモから切り出したパーツをポリ受けにして、エポキシ接着剤で固定しています。キットパーツの内部にはポリパーツの凸部の受けを彫り込んで作りました。
富永: そのフトモモの上部に接続する関節ブロックは、ちょうど前に製作した「S.R.D-S ダイゼンガー」のものが見た目的にも近く、強度的にも優れていたので、これを流用しています。こうすることでフトモモの上部に可動軸が増える上、股関節そのものも軸接続になるので可動範囲が劇的に拡大できます。
編集部: プロポーションの変更と可動範囲を広げる工作が一度に出来る、まさに一石二鳥ですね。
富永: 「S.R.D-S ダイゼンガー」の関節はかなり強度が高いので、ヘタリもかなり防げると思います。後は、当然、腰側の関節軸についても形状を変更する必要がありますが、股関節は負荷がかかりやすくどうしても強度が必要な部分なので、少し工夫が必要です。
編集部: これはプラパイプを使用している…わけではないですよね?
富永: 5ミリのプラ棒をに3ミリの穴をピンバイスであけたものを使用しています。3ミリ径の穴を開けたのは、中にはキットのABSランナーを入れて、強度を確保するためですね。ちょうどランナーの直径が3ミリなんですよ。
編集部: なるほど。
富永: 次にヒザ関節の後ハメ加工も進めていきますね。といっても、フトモモ側に関しては、ヒザ関節の赤矢印のダボをこのように切り飛ばすことで簡単に後ハメ加工ができるのですが。
編集部: スネ側のポリ軸の凸部もカットしていますよね?
富永: はい。これはヒザ関節から2ミリ延長するために行った工作ですね。スネ側の受けを脚を伸ばすためにポリ軸受けの底にプラ板を接着して2ミリ底上げし、上部にもガタツキを抑えるための補強として2ミリ分プラ板を接着しています。これによってスネ側も後ハメ加工が行えるだけでなく、若干の引き出しも可能になっています。
編集部: なるほど。
富永: この工作をおこなった結果が、こちらになります。
富永: ここまでの改修により、前述の引き出しとの併用でヒザの可動範囲が若干ですが、向上しました。
編集部: フトモモの工作も合わせればかなりダイナミックなポージングも可能でしょうね。
富永: はい。そして最後にここまでの時点で確認してみましょうか。
富永: (コンパチブルカイザーの)拳ひとつ分、とまではいきませんでしたが、素組みの状態に比べて脚が長くなったことで、スタイルが変わったのは確かかと。前回の素組み写真と比べてご確認いただければ。
編集部: でも今回、関節を別キットから移植しているのでサンコイチどころか、ゴコイチになっていますよね。
富永: まぁ究極のコンパチブルカイザーを作るにはそれだけ色々と入用だということで……(笑)。このあとはポリ受けの補強や細部の調整を、一連の表面処理と共に進めていきますのでお楽しみに。
<DATA>
Gコンパチブルカイザー
■ノンスケールプラスチックキット
■全高:約240ミリ
■価格:6,800円(税抜)
■発売元:コトブキヤ
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コンパチブルカイザー
■ノンスケールプラスチックキット
■全高:約200ミリ
■価格:4,800円(税抜)
■発売元:コトブキヤ
<関連情報>
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コトブキヤ
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