素組みでガンプラ! 【基礎】ドライブラシを使ったウェザリング塗装法 前編

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超基本からちょっとしたワザまで、ガンプラを素組みで作る“コツ”を、プロモデラー・桜井信之氏が指南する本コーナー。

 

ドライブラシを用いて、ウェザリング塗装について紹介します。まず今回は、ウェザリング塗装を施す前に、ウォッシングで陰影を強調する方法を説明したいと思います。

 

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▲HG 1/144 YMS-07A-0 プロトタイプグフ(機動実証機 サンドカラーVer.)

 

今回はHG 1/144 YMS-07A-0 プロトタイプグフ(機動実証機 サンドカラーVer.)を使って、ドライブラシによるウェザリングを施していきましょう。

 

月刊ガンダムエース』で連載中の『機動戦士ガンダム THE ORIGIN カトキハジメアーカイブス』で展開しているMSD(MOBILE SUIT DISCOVERY)のイラストは、MSV(MOBILE SUIT VARIATION)を踏襲し、各モビルスーツのバリエーションを紹介しています。特に今回ご紹介するプロトタイプグフはウェザリングが似合う機体であるため、ドライブラシを活用した、ちょっと懐かしいテイストのフィニッシュを行ってみたいと思います。

 

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 実際に作業を行う前に本キットについて紹介します。

プロトタイプグフ(機動実証機 サンドカラーVer.)は、プレミアムバンダイで限定発売されているアイテムです。このプレミアムバンダイでは、一般販売されている商品の成形色を変更したキットや、新規造型のパーツを封入したスペシャルバージョンのキットです。

このプロトタイプグフも店頭で購入できる通常版は“戦術実証機”で成形色は青を基調とした機体で、右腕はヒートロッド、左腕は三連装バルカンが装着されています。それに対して、“機動実証機”はサンドカラ―の成形色に加え、ザクと同様の通常タイプの腕が装着されています。さらにモビルスーツ用のマシンガンも封入されており、両タイプを並べると、モビルスーツが発展していく様子が手に取るようにわかります。

 

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 さて、塗装を行う前に初期のジオン系モビルスーツの特徴である動力パイプの工作をしてみましょう。1/144スケールのHGシリーズでは、この動力パイプが軟質樹脂で再現されています。

一見ポリキャップと同質素材で、加工や塗装ができないように思いがちですが、そんなことはありません。バンダイが採用している軟質樹脂は加工・塗装が可能なだけではなく、接着することも可能です。

そのため、パーティングラインも通常のプラパーツと同じように処理できるので、サンドペーパーを使ってパーティングラインを丁寧に処理しましょう。

 

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3 ウェザリングを施す前に、全体にツヤ消しクリアをコートします。この作業はプラスチック特有のツヤを消し、玩具っぽさを消すだけではなく、今後行う塗装のノリを良くする効果もあります。ツヤを消したことにより、全体のトーンも一段階明るくなっているのが確認できるでしょうか。

 

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 ここで使うのはGSIクレオスから発売された「Mr.ウェザリングカラー」。この商品は油絵の具に近い特徴をもっており、エナメル系塗料よりも塗料のノビに優れています。「専用うすめ液」も発売されていますが、こちらの成分は油絵の具の溶き油に近いようです。サンディブラウン系の明るい成形色には「ステインブラウン」、ブラウン系の暗い成形色には「グランドブラウン」を使用します。

 

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5 腰の柔らかい平筆を使って全体に薄く塗っていきます。「Mr.ウェザリングカラー」はかなり薄めに溶かれた状態なので、ビンのまま使用してもウォッシングに適した濃度といえます。

 

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薄く溶かれているので、スジ彫りや凹モールドに流れ込み、自然に陰影を強調することができます。先に吹いたツヤ消しクリアの効果も相まって、キット表面にしみ込むように塗料が定着していきます。

 

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なお、本キットにはマーキングシールが付属されています。

シールの糊成分は塗料の溶剤で粘着力が落ちてしまうので、このウォッシングの時点では貼り込まないようにしましょう。

 

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 このマーキングシールは、基本的にはこのまま貼り込んでも問題ありません。

ですが、シールド前面に貼り込む“2”のナンバリングのように、大判シールの場合、“ニス”が目立ってしまいます。そこで今回は目立つマーキングのみ“ニスカット”を行います。

 

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 ニスをカットしたことで数字は4つに分割されてしまいます。慎重に位置決めを行って貼り込むことで、“2”の文字をつなぐ部分に存在する透明のニスがなくなり、すっきりとしたナンバリングをマーキングすることができます。

 

 

■まとめ

プロトタイプグフはマーキングの存在感も大変重要な要素になっています。全てのシールを貼り込んだ後でウォッシングを行うと、シールが剥がれてしまう可能性が高いので、基本的にはウォッシングの後に貼り込むのが良いでしょう。

今回はシールドを例に説明しましたが、他の箇所では作業の状況に応じて、適切なタイミングで貼り込むことがマーキングシールを保護する大切なポイントになります。

 

 

今回はウェザイングを施す前段階の説明をしました。次回は、ドライブラシによるウェザイング塗装方法について紹介したいと思います。

 

 

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<関連情報>

HG 1/144 YMS-07A-0 プロトタイプグフ(機動実証機 サンドカラーVer.)|プレミアムバンダイ|バンダイ公式通販サイト

バンダイ ホビーサイト

機動戦士ガンダム THE ORIGIN 公式サイト

MSD(Mobile Suit Discovery)|機動戦士ガンダム THE ORIGIN

 

 

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