1/144 HG ガンダムMk-IIをプロからアマまで言いたい放題! 【プラスチックキット クロスレビュー】(第2回)
「電撃ホビーウェブ プラスチックキット クロスレビュー」は、新発売のプラスチックキットを、プロモデラーのみならず、さまざまな立場の人がレビューするコーナーです。今回は、話題の新製品「HG 1/144 ガンダムMk-II(エゥーゴ仕様)」をレビューします。
●今回のレビューキット
HG 1/144 ガンダムMk-II(エゥーゴ仕様) 発売中 価格:1,620円(税込)
HGUCで展開中の新生-REVIVE-の第4弾として、HGUCでガンダムMk-II(エゥーゴ仕様)が登場! 話題の新作となっています。キットはティターンズ仕様も同時発売! 2個買いしても楽しいでしょう!
注目の新生-REVIVE-のニューキットとなり、誰もが知っている機体であもあることから、今回もスキルも経験もバラバラな各レビュアーがそれぞれの立場でどのように感じたのか? 気になるところです。クロスレビューならではの、多彩な意見をご覧ください。
■レビュアー紹介
プロモデラー田村和久:「注目したいのは、細かい部分」(レビュー回数:2回)
“部分塗装までを楽しむ永遠のルーキー” 外村克也 41歳(会社員)
「新しい試みが数多く見られるキットだなーと」(レビュー回数:2回)
“中学生のハイレベルモデラー” 六笠詩音 14歳(中学3年生)
「とにかく、プロポーションが最高です」(レビュー回数:2回)
“小学生のハイレベルモデラー” 畑めい 12歳(小学6年生)
「これならサイコガンダムも見上げられるよね♪」(レビュー回数:2回)
■レビュアー01
プロモデラー田村和久
ガンダムMk-IIを組むのは約20年ぶりで、ガンダム、Mk-II、Z、ZZと続いた最初期のHGシリーズ以来です。最新シリーズである新生-REVIVE-のMk-IIを、昔の思い出と共に感慨深く組み立てました。今作はメリハリの効いた造形が目を引きます。自分の中にあるイメージと一致した、マッチョな体型のMk-IIがここにあります。
可動と色分けが高いレベルにありながら、組み立てやすさもあり、優れたバランスでキットが構成されているのも感心する所です。最新のスタンダードモデルとして歓迎したいMk-IIですね。
注目したいのは、細かい部分。1/144スケールとして適度なモールドが各部に入っています。マイナスモールドは数種類の線幅で刻まれていて、このわずかな差が全体の印象を引き締めます。
シールドの紺色パーツは、シールド裏に抜けるピンにもディティールが入っているのも良い点です。また、パーツを切り離した跡をなるべく目立たなせないゲート配置や、金型からランナーを打ち出す際の丸ピン跡も見えないような位置にするなど、本当に細かな配慮がされています。モデラーとして、こういったメーカー側の気配りは本当にありがたいですね。
子供の頃は完成したMk-IIを、ブラウン管テレビの上に乗せて飾ったりしていましたが、今の時代、テレビは薄く上に乗せるわけにはいきません。デスクトップPCの上など、よく目につく場所を見つけて飾りたいと思います。
電撃ホビーマガジンにて、ガンプラを中心に、スクラッチをはじめとした数々の作例を発表してきたプロモデラー。
近況:寒くなってきて鍋の季節です。豆腐のおいしさに最近気付きました。
■レビュアー02
“部分塗装までを楽しむ永遠のルーキー” 外村克也 41歳(会社員)
小学生のときに初代キットが発売されてから、もう何体組んだかわからないほどさまざまなガンダムMk-IIを作ってきました。エゥーゴ仕様なら白いパーツが多く、ニッパーだけで粗めに組んでも切断の跡がほとんど気になりません。関節のグレーや胸部などの紺色のパーツも、切断箇所がうまく隠れるようになっているので、手早く作ることができました。所要時間は本体だけだと1時間28分。ライフル、バズーカ、シールド、バルカンポッドまで含むと、トータル1時間49分で完成しました。
色分けについては、今まで組んだことのあるHGの中ではいちばんいいように感じました。ガンダムMk-IIは、胸部や肩、フクラハギなどに黄色いダクトがありますが、色分けがきちんとされています。唯一、シールドの左右のみ、黄色いシールを貼る必要があります。
感心したのは、カメラアイがクリアパーツになっていたことと、裏側に貼る銀色のホイルシールが用意されていたこと。カメラアイには別途シールが用意されていますが、これは使わずに裏側のホイルシールを使ったほうが、光が反射してかっこよく見えます。
可動に関しては、腕、脚ともに二重関節となっているためよく動きます。肩と胸の接合はボールジョイントになっているので不安でしたが、外れにくくなっているようです。バックパックのビームサーベルにも楽々と手をかけられます。首の付け根が前後に動くようになっているため、かなり上のほうに視線を向けられます。おかげで、ポージングの幅がかなり広がりました。
全体的に、ガッチリとした見た目で、本体のみ組んだ時点での第一印象では太モモが太すぎるかなという印象。ですが、バルカンポッドやシールドなどを付けるとバランスがよく、以前に作ったMG Ver2.0やRGと並べて比べてみても、安定しているように感じます。思った以上に満足度の高いキットでした!
プラモ歴・作り込み度:小学校のころから30年ほど。素組み~部分塗装くらいまで。永遠のルーキーです!
近況:オルフェンズを、毎週楽しみにしています。最近はドローンを飛ばすのに夢中。
レビュアー03
“ガンプラ世代の素組み派” 宮原徹 43歳(IT企業経営)
製作時間は2時間ほど。パーツ点数もそれなりに多いが、脚など左右対称で2セット作るようなものはランナーが分けられているなど、組みやすさ重視で作りやすいですね。個人的には、左右、裏表などになるパーツは「27、29」みたいな飛び番ではなく「27、28」のように連番で配置してもらえたほうが一気に切り出せて嬉しいな、と感じます。1つのパーツのサイズ的にも無理なく並べられそうだけど、同系統のパーツは並べるルールなのでしょうか。それから、大きいランナーの一部分が飛び出ているので、動いてしまってややパーツが切り出しにくかったですね。
ポリキャップを随所に使っているので、腕、脚ともにかなり可動範囲が広く、色々なポーズが楽しめそう。
適度に色分けされているので、無塗装でかなりイケます。ただし、胸などの紺色のパーツは、ゲート跡の白化に注意が必要でした。特に肩関節をカットした際、白化がかなり目立ってしまいました。ゲートを脇の側にしてほしかったところです。とりあえず「ガンダムマーカー黒極細」で白くなったところを擦っておいたら目立たなくなりました。ほか、バックパックが紺一色なので、バーニア部分は灰色にしてほしかったとは思いました。
組み上げてみると、なかなか重厚感のあるプロポーション。持ってみてもかなりドッシリした重みが感じられます。エゥーゴ仕様なので白部分が多く、軽くスミ入れしてもいいかな、という感じがします。ZガンダムやZZガンダムなどよりもガンダムらしい、かっこいいガンダムが好きな人にはお勧めできると感じました。
プラモ歴と作り込み度:ガンプラブーム世代。ただし、あまりプラモ作りは得意ではない。PGやクリアバージョンなど、組み立てるだけでいいものを作って部屋に飾っている。
近況:ガンダムについて語り合うガンダム勉強会を開催しています。
■レビュアー04
“バリバリ改造塗装派” 佐藤朋樹 32歳(フリーライター)
旧キットから秀作ぞろいで、新作は毎度ハードルが高い(笑)ガンダムMk-IIですが、今回の-新生- REVIVE版も、期待を裏切ることない素晴らしいデキです。なにより、新しい試みが数多く見られるキットだなーと感じました。
特にそう思えるのは全体のプロポーションで、これまでMk-IIのキットは上半身に重心を置いたマッシブ体型が多かったと思うのですが、今回のキットは、タイトな上半身から下半身へ向かって段々と裾野を広げていく、いわゆる“Aライン”のスタイリングになっています。
これはやはり、キット開発にNAOKI氏が参加しているのが大きいんだろうなぁと思えるところで、氏の作品群に近いプロポーションだという印象を受けました。なんでしょうねぇ、前のHGUC Mk-IIが“昭和のナイスガイ”だとしたら、今回のREVIVE版は“平成のイケメン”という感じでしょうか(笑)。
そして、各所にモデラー目線の細やかな配慮がなされているのも特徴です。具体的には胴体と肩をつなぐ箇所にカバーがついていて、ポリキャップが露出しないようになっていたりするところですね。このカバーに代表されるように、徹底的ともいえる「ポリパーツを露出させない配慮」は、今回のキットの中でも特筆すべき部分だと思います。……それにしてもこの目のクリアーパーツ、塗るとわからなくなっちゃうけど、やっぱり嬉しいですよね(笑)。
プラモ歴・作り込み度:バリバリ改造塗装派。最近は一周回って筆塗り大好き。たまーに電撃ホビーマガジン、ガンダムホビーライフで作例を作ってました。ガンプラの新製品紹介ページも担当。
近況:オルフェンズメカって、90年代メカ好きの琴線に触れる何かがありますよね。なんか無性にパワー■ーダーが作りたくなっちゃった。
■レビュアー05
“中学生のハイレベルモデラー” 六笠詩音 14歳(中学3年生)
色分けはだいたい完璧です。目もクリアパーツでできていて、ほとんどシールはなく、とてもよくできていました。
特に肩がよく動きます。肩の根元のポリキャップが動いていて、そのポリキャップに付いている肩パーツも動いているので、二重に動くためポーズも取りやすいです。
ニッパーの切り跡が分からないようになっています。迷うところがなく、ポリキャップも少なくストレスなく組めました。これなら誰でもすぐに作れると思います。
とてもシンプルなデザインですが全体的なスタイルが良く、モールドなども細かくてよく出来ています。とにかく、プロポーションが最高です。
プラモ歴・作り込み度:改造をしてエアブラシで塗装して、汚しまで。
近況:鉄血のオルフェンズがおもしろい!! バルバトスの登場シーンがカッコイイ!!
六笠詩音さんの受賞歴:GBWC2012、2013ファイナリスト
■レビュアー06
“小学生のハイレベルモデラー” 畑めい 12歳(小学6年生)
組んでいて楽しいキットでした。わかりにくい、うまくいかない、というのが全然なくスイスイと組めました。本当によく動くキットで、組みながら「へぇ~、こんなところも動くのかぁ」って感心してばかりでした。
可動については見所いっぱいです! 首や頭もよく動いて、見上げるポーズが簡単にとれちゃう! これならサイコガンダムも見上げられるよね♪ ラストシューティングだってかっこよくキマります。あ、ラストシューティングは頭無かったっけ……。
肩の可動も特徴的で、肩をすくめるような動きが可能です。MGが小さくなったみたい。1/100のMGで再現されていた機能が1/144でも再現できているなと思ったのは、この肩の可動と、バックパックのサーベルの可動、腰というかお腹の関節(前かがみができちゃう!)、そしてバズーカの収納機構(後腰の部分)です。
いろいろ可動するんですけど、関節がほどよく固いのでポーズが崩れないのもすごいところです。これはたくさん遊べそう! 色分けも完璧で、スミ入れだけでカラーリングは再現できそうです。
合わせ目消しが必要な場所を一生懸命探しましたが、目立たない手首の部分とバックパックしか見つけられませんでした! このキット、すっごくモデラー思いのやさしい子です♪
プロポーションについては、組んでいるときは頭が小さくて寸胴かなぁって思っていたけど、組みあがったらさほど気にならないし、バルカンポッドを装着すると頭の大きさはこれがちょうどいいんじゃないかなって思いました。なにより、このキットはただ立たせているより、アクションポーズをとらせるとすごくかっこいいんです! ぜひ、手にとって動かしてみてください。ポーズを決めて色んな角度から見てみてください。たぶん「おー! かっこいいー!」ってなると思います♪
プラモ歴・作り込み度:プラモ歴は5年半ほど。ウェザリングが一番好きですが、最近はプロポーション変更やディテールの追加も。
近況:今年もGBWC日本大会ファイナルに進出できました! 東京に行って観光するのが楽しみ~♪
※原稿執筆当時:日本大会ジュニア部門優勝、おめでとうございます!
畑めいさんの受賞歴:2012年ガンプラ王小学生部門1位、2015年ガンプラ王小学生部門1位、GBWCジュニア部門日本大会5連覇(2011~2015)、GBWC2014世界大会2位
以上でレビューは終了です。初心者から上級者まで、それぞれの楽しみ方ができそうな製品ですね! 久々にガンプラを作ってみようという方、パチ組でも十分楽しめそうなので、いかがでしょうか? なお、本コーナーのレビュアー 畑めいさんが、ガンプラビルダーズワールドカップ2015日本大会のジュニア部門で、見事優勝されました!
GBWC2015、日本大会優勝者決定! オープン部門は「トールギスA(アレス)~闘神~」のROKU氏、ジュニア部門は「ラストシューティング」の畑めいさん!
優勝おめでとうございます!
(c)創通・サンライズ
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