『クロスアンジュ』スタッフ、ROBOT魂<SIDE RM>ヴィルキスを大いに語る!<後編>【クロスアンジュ解体新書/バンダイ03】

更新日:2018年6月26日 16:45

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好調にシリーズ展開の続いている、『クロスアンジュ 天使と竜の輪舞(ロンド)』のROBOT魂シリーズ。先のTAMASHII NATIONで、より一層のラインナップも展示されました。今回も引き続き、メカニカル作画監督の重田智氏、監督芦野芳晴氏、クリエイティブプロデューサーの福田己津央氏の3人の鼎談をお届けします。

(鼎談前編はこちら⇒『クロスアンジュ』スタッフ、ROBOT魂ヴィルキスを大いに語る!<前編>【クロスアンジュ解体新書/バンダイ02】

 

お話は、 『クロスアンジュ』の企画の成り立ちから、ふたたびヴィルキスの話へと……?

 

■リマスターやパラメイル総選挙? 人気となった『クロスアンジュ』について語る!

 

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▲左より、『クロスアンジュ』メカニカル作画監督の重田 智氏、監督である芦野芳晴氏、クリエイティブプロデューサーの福田己津央氏。

 

重田: それにしても、『クロスアンジュ』のキービジュアルを昨年描いていたときには、まさかこんな風にROBOT魂が会議室に置かれることになるとは思わなかったなあ。雲散霧消ではないけど、放映が終わったら、静かにフェードアウト……かと思っていましたけど。
アニメ業界の中で「枚数を気にせずに描きました!」みたいな、熱量の強い作画仕事がときどきあるけれど、今回の「ヴィルキス」もそれに近いものを感ますよね。枚数がかかりすぎるのは、いいことではないんだけれど(笑)。

 

福田: 基本的には、しっかりとした世界観がないと立体化は難しいよね。でもせっかくここまで来たのだから、「リマスターをやろうよ」っていっておこうか。

 

重田: ええ!? そうしたら、僕はもうリマスターの人になっちゃいますよ、もう(笑)。でも、そうなったらムキになって、メカは全部手描きになおしちゃうかもしれない。

 

福田: リマスターするときは、メカのモデリングも全部変えちゃいましょうか(笑)。

……それとも、『ガンダムSEED』と『機甲戦記ドラグナー』と『クロスアンジュ』を一緒に戦わせようとか。

 

重田: え、一緒に戦うんですか? 富士山をバックにお互いのロボットが握手しつつ「すごいな、君のロボットの名前は何て言うんだい?」とか。(笑)

 

――『クロスアンジュ』は女性ファンが多いという話もお聞きします。

 

重田: 想定していた層と真逆ですよね。でも、男だらけのファンミーティングはちょっと暑苦しい感じなのでコレは嬉しいかも。

 

福田: キャーッ、ていわれるのは嬉しいよね。女性ファンのほうは熱気があるし。『機動戦士ガンダムSEED』のときもイベントの蓋を開けてみると女性のほうが多い、ということもありました。でも、それくらいが一番健全。男女対比が1:1くらい。

 

重田: でもメカものですからねぇ……。

 

福田: いや、女の子だって(メカものを)見るよ。男の子みたいに「メカものだから」って無条件に観てくれはしないけど、キャラクターも話も見てくれている。メカは格好良くなければダメだというか、むしろマニアックに、わけが分からない単語を並べると女の子は引いてしまう。

 

重田: 例えば「男の子はカメラを買ったときにそのスペックを気にするけれど、女の子は何処に持っていって何を撮るかを気にする」というのは言われますね。男女では興味の対象の持っていき方が全く違うんですよね。

 

福田: 基本的に女の子は人間関係ですね。そういう意味では女の子の視聴者が多いのが、作品としては健全ですよね。……もしも、『クロスアンジュ』を最初に全年齢に向けて、男女比も同じくらいのターゲットで作って、と言われれば全く違うものになっていたでしょうね。でも、みんな「男性に向けて作って」っていうから……(笑)。「わかりました」って今の形になりました。

 

――完全に男性向けの企画だったんですね。

 

福田: でなければ、こんなにたくさん女の子を出さないですよ。男も全然いないし。

 

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芦野: 男だけ、女だけだとドラマの作り方がすごく歪になる。内容がどうしても偏るから、普通はあんまりしないんですよね。全年齢と言われたらもう少し男女比を調整したでしょうね。

 

福田:「女の子が戦う話です」といって作っても(視聴者のターゲットが男女比1:1なら)、男のキャラクターがふたりだけ、ってことはないですよね(笑)。

 

重田: 舞台を孤島であるアルゼナルにしたから、男がいなくてもまだ自然ではあるけれど……一種の閉鎖空間なので。男は街に行かないといないという感じで。

 

福田: まあ、アルゼナルに男を置くのも面倒な話になりそうだけど。ドラゴンの世界も、成人の男子はいないという設定だったし。もし、男子を出して良いんだったらエンブリヲの下に、悪の幹部的に3人くらい側近の男子を出したなあ。

 

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――そういえば、ロボットもの的な”通り名”を持っている子も、『クロスアンジュ』にはいませんでしたね。

 

福田: そういうの敵につけるのって女の子のセンスじゃないかな、と思って。

 

重田: ヴィルキスの動力とか、そういう部分もキャラクターがあまり気にしていないですね。飛べばいい、動けばいい、みたいな。

 

――そのヴィルキス、カラーリングも大変だったとお聞きしています。

 

福田: 色は大変だったね。最終的にはトンボ鉛筆の色に落ち着いたんですが、当初のはかなり地味なんです。一応金は入ってますけど。白い色っていうのは派手に見えて、立体になるとよく分かると思うのですが、ガンダムだって「白いモビルスーツ」と言いながら、ボディには青と赤がしっかり入っているでしょ?

 

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重田: 白いボディカラーは宇宙空間が舞台なら良いんですけど、『クロスアンジュ』ではいつも舞台が空でしたからね。なので空の背景を撮影処理でアンダー(やや暗い色)に落としてもらっています。そうでないと青空の背景に溶け込んでしまって、見えずらくなってしますんです。

 

福田: (カラーリングは)フリーダムガンダムだって、芦野監督に言われてね(笑)。

 

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芦野: (笑)。

 

福田: まあ、フリーダムなら縁起がいいからいいや、と。(笑)

 

重田: 最終決戦時のバージョンは、赤のラインがボディに入るだけでずいぶんと派手になって見えますよね。最終巻用のパッケージ作業を進めていて、完成したCGをチェックしてみたら「……コイツずいぶん派手になったな」と。赤のラインが追加されただけなのに、なんだか妙にきらびやかに(笑)見えちゃってるんですよ。

 

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▲「ROBOT魂<SIDE RM> ヴィルキス最終決戦仕様」。

 

――最後に、読者の皆さん、ROBOT魂『クロスアンジュ』シリーズのカスタマーの皆さんにメッセージをいただけますか。

 

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芦野: 購入していただいて、ありがとうございます、ですね。

 

重田: あちこち尖ってるパーツが多いので気をつけてください(笑)。

 

福田: 基本的にはすごく良く出来ているし、世界観を良くあらわしています……高いからね(笑)。大事にしてあげてください。10年したら価値が上がることと思います。

 

芦野: これまでの話をまとめることになりますが、『クロスアンジュ』はロボットのために作った話ではないですし、ヴィルキスは立体化のために作られたデザインではない。そういう部分で計算はしていないので、非常に貴重な作品であり、デザインになっていると思います。ほかではない楽しみ方が出来ると思うので、阿久津さんのデザインを楽しんでほしいと思いますね。

 

福田: 阿久津さんの執念が実った、というね。

 

重田: この後のことを考えても「ヴィルキス」1体だけではつまらないし、いろいろな派生を考えても、この「ヴィルキス」を買ってもらってROBOT魂の『クロスアンジュ』シリーズが先へ続くモノだと思うので、買ってもらった皆さんは本当に有り難いですね。本来、アニメって実際に手で触れられないモノですからね。
今、ガンプラは発売されるのが当り前みたいな部分があるけれど、本来、アニメの画面のなかのものは触れられないのが当然で……それが出るって言うのは、観ていた人にとってはとても嬉しいのかなって思います。

……ああ、そういえばシリーズ前半で活躍していたヒルダ、ヴィヴィアン、サリア、エルシャ、クリス、ロザリー機とかは、ファンの方にはどんな人気順位なんですかね? これから先にROBOT魂のサイド・パラメイルシリーズが続くとしても、どの機体にどの位の人気があるのか知りたいところですねぇ。どうも物語を引っぱっていった後半で活躍した機体に強い印象が残っちゃっているとは思うんですけど、前半で活躍したパラメイルもなかなかのキャラクター性の強いデザインで、このまま忘れられていっちゃうのは、もったいないですよ。AKBとかみたいに「クロスアンジュ・パラメイル総選挙」とかやって、ファン投票とかやってみたいですね。こんな企画が立体化への近道かもしれないですよ。コレを読んでいるファンのみなさん! すぐにウェブで反応して下さいね!!

 

芦野福田: (笑)!!

 

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重田: ROBOT魂「ヴィルキス」ですけど、せっかく買ったのだから、箱から出して、ところどころ尖っていて触ると痛いとは思いますけど(笑)、なめ回して、裏側とかいろんなアングルも見て欲しいなと思います。映像ではパラメイル、ラグナメイルの細部も見れなかったと思うし、なんとなくしか形がわからないヴィルキスをじっくりと見て、触ることができるのがひとつのウリだと思うので、とにかくいじくり回してもらった方が良いんじゃないのかな、と。
……というか、ヴィルキスのフォルム、ウイングがどこにどうついていて、こういった構造になっていたのか、ということに驚く人が多いんじゃないのかなって思いますね。よっぽど好きなファンの方が設定を眺め回しても、それでも分からないことじゃないかと。制作者側にいる自分もそうなんですから(笑)。

 

福田: とにかくギミックはすごいよね。可動する部分とか、変形する部分とか、そういう仕込みがすごい。差し替えではあるんだけど、飛翔形態も押さえてあるし。オモチャっぽくないデザインで、眺めて良し、触って良しという意図には合ってると思います。これからいくつ出るか分からないけど、コンプリートしてね。

 

重田: ボークスのアンジュ・フィギュアともぜひ、並べて飾ってみてください。

インタビュアー:佐野達郎、電撃ホビーウェブ編集部

いろいろと刺激的なお話も多かった鼎談を前後編2回に分けてお届けしました。いかがでしたか?

ROBOT魂ではこの鼎談で話題になった「ヴィルキス」以外にも、「焔龍號」に「ヒステリカ」「テオドーラ《ミカエル・モード》」「クレオパトラ《アリエル・モード》」とリリースの続くROBOT魂クロスアンジュシリーズ。現在魂ウェブ商店限定アイテムとして「 ヴィルキス 最終決戦仕様」が予約受付中です。こちらも要チェック!

 

<DATA>

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ROBOT魂 <SIDE RM> ヴィルキス

■ノンスケールアクションフィギュア

■発売中

■全高:約140ミリ

■価格:8,500円(税抜)

■発売元:バンダイコレクターズ事業部

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ROBOT魂 <SIDE RM> ヴィルキス 最終決戦仕様

■ノンスケールアクションフィギュア

■魂ウェブ商店限定販売(URL: http://p-bandai.jp/tamashiiwebshouten/item-1000100739/

■全高:約140ミリ

■価格:9,200円(税抜)

■発売元:バンダイコレクターズ事業部

 

 

<関連情報>

『クロスアンジュ 天使と竜の輪舞(ロンド)』公式サイト

http://crossange.com/

ROBOT魂『クロスアンジュ 天使と竜の輪舞』スペシャルページ | 魂ウェブ

http://tamashii.jp/special/crossange/

 

『クロスアンジュ』スタッフ、ROBOT魂<SIDE RM>ヴィルキスを大いに語る!<前編>【クロスアンジュ解体新書/バンダイ02】

https://hobby.dengeki.com/news/116349/

 

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