魔装機帝ゼルヴォイドをスクラッチする!<第5回>【週刊 電撃スパロボ No.033】
今週の「電撃スパロボ!」はゼルヴォイドの作例記事・後編です。ゼルヴォイドの特徴的な経年劣化した装甲を、AFV模型の技法も取り入れて再現しています。普段皆さんが施すバトルダメージとは異なる“朽ちた”姿をいかに再現したのか? お楽しみください。
古木 誠人…『スパロボ』関連ではキット改造やスクラッチを多く担当。
※これまでの製作の過程は、以下のバックナンバーをご覧ください。
■魔装機帝ゼルヴォイド(後編)
ノンスケール スクラッチビルド
製作・文:古木誠人
前回は上半身を中心にお届けしたゼルヴォイド。今回は残りの箇所について解説していきたいと思います。
●脚部
脚部はデザイン上は左右対象のようですが、左ヒザの装甲が破損しているため左右対称ではなくなっています。まず、左右のフトモモ、ヒザ関節をキットのパーツにポリパテ、市販パーツなど使用して形状出しをします。この時にヒザ関節とヒザから下のパーツの接続方法を、塗装後、組み込みが出来るように加工、変更しています。
ヒザから下のパーツは、キットのパーツをベースに、ポリパテ、プラ材で破損していない状態の形状で片側一組作ります。アンクルアーマーや足首などは新造となります。これを原型として複製し、左右揃えます。その後、左脚部の破損した状態のパーツを作り再現しました。
●腰・尾部
腰回りのアーマー類は、キットのパーツを活かしつつ、プラ材とポリパテで形状出し。尻尾は、複数必要な部位をプラ材とポリパテで1つパーツを作り原型とし、それを複製して数を揃えています。先端のパーツ類もプラ材とポリパテで作り、重量軽減のためレジンに置き換えています。また、クリア部もクリアレジンに置き換えています。各パーツの接続は、パーツの中に針金を通して対応、ある程度、可動出来るようにしています。
●ウイング
上2枚は、キットのパーツをベースにポリパテを盛り付けた後、削り込んで形状出しを行い、内側のディテールや接続部、基部の可動などはキットをそのまま活かしています。一番下3枚目のウイングは、キットのパーツと比べるとかなり違い過ぎたため、プラ材で新造。接続基部をキットパーツから移植して対応しています。
●ストレイングレイブ
キット付属のディスカッター疆と比較すると、形状も大きさも全く異なるので、プラ材やポリパテ、市販パーツで新造し、重量軽減するためレジンに置き換えて軽量化しています。
●装甲
ゼルヴォイドの特徴でもある機体表面の朽ちた表現。この装甲の雰囲気を出すため、ある程度各部の表面処理を行った後で、表面のヒビ割れと荒れた地肌の表現を施しています。ヒビ割れダメージは深いものと浅いものの2種類入れて、単調にならないようにしています。深いキズは、アートナイフなどで彫り込み、浅いキズは、リューターを使用して彫り込んでいます。
全体にキズ入れ加工を施した後、深いキズを避けながら溶きパテを装甲全体に塗布します。この時、塗布した溶きパテが均一ではなく、あくまでバラツキが出るように注意しながら作業しました。いわゆるAFV模型などに用いられる鋳造装甲の表現ですね。また、溶きパテで埋ってしまった浅いキズは、再度キズを彫り直したりしています。
●塗装
基本塗装する際、塗膜が厚くならないよう心掛けて作業しました。基本塗装後、エナメル塗料で朽ちた装甲部分中心にウォッシングを施し、その後、タミヤ「ウェザリングマスター」を使用したウェザリングを施して仕上げています。
…… という感じで完成したゼルヴォイド。サイバスターにはない魅力がある機体なので、コトブキヤさんに頑張って頂いて、是非ともキット化していただければと思います(笑)。ご検討お願い致します!
▲関節等は基キットの関節構造を活かしているため、様々なポージングをつけることができる。 |
<COLORLING DATA>
・装甲表面・・・GX3 ・ハーマンレッド + 14番・ ネイビーブルー + GX5・ スージーブルー
・赤・・・GX3 ・ハーマンレッド + GX4 ・キアライエロー + GX1・ クールホワイト(少量)
・灰(淡)・・・338番・ ライトグレーFS36495
・灰(濃)・・・13番・ ニュートラルグレー
・黄・・・113番・ RLM04イエロー + GX3・ ハーマンレッド(少量)
・クリア部・・・GX104・GXクリアグリーン
・目・34番・ スカイブルー
※すべてGSIクレオスの「Mr.カラー」「Mr.カラーGX」
<関連情報>
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