【新連載】ガンダムビルドファイターズD-R(第1回)ザクアメイジング アニメ本編から外伝に登場することで意義を再定義された主人公機
月刊ガンダムエース(毎月26日発売)にて連載が開始された『ガンダムビルドファイターズ』の外伝『ガンダムビルドファイターズA-R(アメイジング レディ)』は、既刊の『ガンダムビルドファイターズA』の続編としてユウキ・タツヤの新たなる戦いが描かれます!
そして、電撃ホビーウェブでも『ガンダムビルドファイターズA-R』と連動した本連載を開始! 外伝のシナリオを手がけるスタジオオルフェ 千葉智宏先生の外伝機体解説を中心に、作例をお届けします!
第1回となる今回は、現在作例製作が進められている、“RG ザクアメイジング”について。「1/144 RG シャア専用ザク」と「1/144 HGBF ザクアメイジング」を組み合わせた作例です。
なぜこの機体なのか?
そして、なぜザクアメイジングをRGを基にして作るのか?
千葉智宏先生の解説を、お読みください!
ザクアメイジング
~アニメ本編から外伝に登場することで意義を再定義された主人公機~
解説:千葉智宏(スタジオオルフェ)
ユウキ・タツヤが三代目メイジンを襲名する前、第6回の世界大会で使用したガンプラ。遠距離から近距離まで、オールラウンドでの戦闘が可能な万能機であり、戦場を駆け巡るその姿はタツヤの二つ名である「紅の彗星」を定着させることになりました。
本機はアニメ本編と外伝の両方に登場しています。外伝は本編の過去を描いているため、外伝での時間の流れがあって、このガンプラへと上手く繋がるようにそれまでの使用機体を考えました。デザインを担当された寺岡賢司さんのラフ段階の設定には、スケールモデルからのパーツ流用があるなどの記述があり、ならばタツヤはスケールモデルにも精通しているはずとの想いから、スケールモデルを研究して作ったνガンダムのリアルタイプを登場させるなどしています。
外伝の機体からこの機体へとつなげる上で、最も高い壁となるのが、ガンダム系とジオン系の違いです。外伝ではνガンダムからタツヤの愛機はスタートしています。これについては実は見切り発車して外伝の連載を開始してしまったのですが、本編でも後半にエクシアを使うことになり、別にタツヤはジオン系の機体にこだわっている訳ではないことになり問題はなくなりました。一方で、別の問題もありました。アニメではスタート時の機体であるため、ザクという「一年戦争」時代、つまりガンダムで一番古い時代の機体でも問題はありません。ケンプファー(ケンプファーアメイジング)、エクシア(ガンダムアメイジングエクシア)と視聴者の感覚としてより新しい時代の機体に乗り換えていきます(厳密には作品世界が違うので「新しい」とは言い切れませんが、感覚として)。
外伝は「一年戦争」より時代の新しい「逆襲のシャア」の時代のMSから始めているため、「弱い機体に乗り換えた」と思われない演出が必要でした。そこで機体の持つ意味を新たに提示し、両者は製作意図が違うものであることにしました。外伝で使用していたガンプラはあくまでも強さを求めていた機体であるのに対し、ザクアメイジングでは三代目メイジンの候補として、楽しいガンプラを追及するための機体であるとしています。具体的にはバトルでは敵のガンプラの能力も引き出し、相手にも見せ場を作って、戦う両者はもちろん楽しく、そして見ている観客までも楽しませる戦いを行う機体である、と。そのためにあえて汎用機であるザク、そしてライバルとして印象の強い赤ザクを使用している訳です。このようにアニメ本編で登場した機体に、新たにより深い意味を持たせられるのは、外伝のひとつの魅力でもあります。
今回製作される作例はRGシリーズのザクをベースにしています。RGの特徴の一つとして「現実世界でのプロダクトとして突き詰めた外観」があります。つまり整備や修理まで想定した装甲のパネルラインなどです。これを活かすことでスケールモデルに精通していたタツヤにとって、より正解に近いザクアメイジングが出来上がっているのではないでしょうか。
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■漫画:今ノ夜きよし シナリオ:千葉智宏(スタジオオルフェ) 原作:矢立肇・富野由悠季
■定価:本体560~580円+税
■発行:株式会社KADOKAWA
■編集:角川書店
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■発行・発売:KADOKAWA
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プレミアムバンダイ MG 1/100 ガンダムアメイジングエクシア
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