『野望のルーツ』版スコープドッグ ターボカスタム改造キットを原型師自ら製作!
4月1日に販売開始となった「1/35サンサ戦 改造パーツ」。ウェーブの「スコープドッグ ターボカスタム[ザ・ラストレッドショルダー版]4機セット」のキットを『レッドショルダードキュメント 野望のルーツ』版のターボカスタムに改造するためのパーツセットです。
(関連記事はこちら⇒『野望のルーツ』版スコープドッグ ターボカスタムを再現できる改造キット登場!)
本改造キットの原型を担当の市野裕己が自ら作例を製作! 今回は実際のパーツの設計からお届けしていきます。
スコープドッグ ターボカスタム(サンサ戦)
モデラーズアットワーク「 1/35ターボカスタム用サンサ戦」改造パーツ使用
製作・文:市野裕己(ノリモータース)
先日発売されたウェーブ「スコープドッグ ターボカスタム[ザ・ラストレッドショルダー版]。
ファンとしてはやはり『レッドショルダードキュメント 野望のルーツ』に登場したサンサ戦版のターボカスタムも並べたい! というわけで、特徴的なミッションパックまわりの装備をキリコ機、ムーザ機、グレゴルー機、バイマン機で再現することにしました。
●サンサ戦です!
劇中終盤の惑星サンサでの戦いでは、どの機体もミッションパックから多くの装備を吊り下げています。その都合か設定画でも『ラストレッドショルダー版』のターボカスタムと比べるとミッションパックの形状が少々異なっているため、ここを新規で造形します。
腰左右の6連装ガトリング砲や2連装ロケット弾も設定に合わせて造形しています。ガトリング砲は『ザ・ラストレッドショルダー』版より一回り大きく、2連装ロケット弾は丸みを帯びた形状となっています。同じタイプの装備でも戦地によって大きさや形状が異なっているのは、アストラギウス銀河のいたるところでATの製造がされているからでしょうか。遠い銀河系に思いを馳せながら、作業をするのも楽しいものです。
劇中でリーマン機に破壊されてメカが剥き出しになったキリコ機の右腕も製作します。グレゴルー機のレンズガードや履帯等の製作も外せません。
ひと通り追加パーツを造形したら、複製業者であるRCベルグにレジン複製をお願いしました。
●レジンパーツの取り扱いについて
RCベルグに依頼後、2週間ほどでテストショットがあがってきました。
プラモデルとは異なり、レジンという材質でできています。レジンキットの製作もポイントを押さえれば、難しい作業はありません。ただ、レジンキットには生産時にシリコンの型を使用するのですが、この際、パーツと型を離れやすくするために離型剤が使用されており、これがパーツの表面に付着しています。
そこで、まずは離型剤を落としてしまいましょう。泡タイプのキッチンクリーナーを吹きかけて数分置いた後に、更に歯ブラシで擦ります。最後に水洗いして、乾燥させます。しっかり離型剤を落としておかないと、せっかく塗装したところが剥がれてしまったりするので、念入りに作業します。
離型剤を落とした後は、パーツを整形しつつ説明書に従って組み込んでいきます。ウェーブのキット専用に作った改造パーツなので、特に難しいことはないと思います。その際、レジンパーツの接着にはプラモデル用の接着剤は使用できないので、瞬間接着剤を使用してください。
また、シリコン型で成型する特性上、パーツが歪んでしまっていることもありますが、ドライヤーやお湯につけて温めると簡単に矯正することができます。
●キットの組み立てについて
基となるウェーブのキットは完成度が高いので、手をいれる箇所というのは多くないのですが、ここからは完成したキリコ機と途中写真を紹介しつつ、工作ポイントを紹介してきます。
頭部のアンテナは0.8ミリスプリング、0.5ミリ真鍮線の組み合せに置き換えてシャープにします。
また、頭部のレンズ部分は印象を決める重要な部分です。メインカメラは奥にクリアブルーで塗った1.5ミリ、外側に3.5ミリのウェーブの「Hアイズ」をはめ込み2重レンズとしました。他のレンズ部には、最近100円ショップで販売されている「カラーUVレジン」を使用しました。ただ、レッドとブルーを使用したのですが色味が足りなかったので、マジックインキを少し添加して、色を濃くしています。
このレジンは太陽等の紫外線に当てると硬化するタイプのものですので、失敗しても何度でもやり直すことができます。
肩アーマーは塗装後に組立できるように穴の一部を切欠き、表面はラッカーパテを筆でペタペタと塗りつけて鋳造表現をします。整形時に消えてしまったリベットモールドは、1ミリ径の鉛球で再現します。
拳パーツの丸モールドは一度削り落として、穴を開けて2ミリの鉛球を埋めています。脚部ターボユニットのバーニアはリューターの丸ビットでフチを薄く加工しています。
背中のミッションパックとは丸ごとレジンパーツに交換しています。チェーン等の金属パーツを精密ヤットコを使って接続していきます。細かい作業となりますが、ジャラジャラと動く自然な感じになりました。
●武装について
各機の武装ですが、『野望のルーツ』劇中のサンサ戦の確認をすると、グレゴルー機もGAT-22 ヘビィマシンガンを使用しています。設定集によるとHRAT-23ハンドロケットランチャーの武装のようですが、あれだけの乱戦ですので色々な武器を使用したのかもしれません。
……というわけで、キットのままだと武器が足りません。……ので、ウェポンランナーだけを部品請求しようかと思いましたが、プラモデルのテストショットが手元にありましたので、今回はそこから流用しています。
また、バイマン機が持つソリッドシューターの照準はシリコンで型をとって、クリアレジンに置き換えました。
塗装は、ガイアノーツの「ボトムズカラー」で基本塗装したあと、油彩絵具でウォッシングし、最後にフラットクリアーでコートしてツヤを整えています。
ではここからはいよいよ他のメンバーの機体も紹介してきます。
●グレゴルー機
●バイマン機
●ムーザ機
●ガレージキットとして!
今回製作したパーツはモデラーズアットワークにて本日、4月1日より「サンサ戦改造パーツ」として販売します。また、 ウェーブさんの通販サイト「ビージェイ」 でも注文可能となっていますので、よろしくお願いいたします!
カラーリングデータ
- グリーン…AT-01・グリーン(G)+072番・ミディアムブルー
- ライトグリーン…AT-02・ライトグリーン(G)+311番・グレーFS36622
- レッド…AT-12・ボルドー(G)+327番・レッドFS11136
- ブルーグレー…AT-03・ブルーグレー(G)+72番・ミディアムブルー
- パープルグレー…73番・エアクラフトグレー+327番・レッドFS11136
- ダークパープル…AT-12ボルドー(G)+72番・ミディアムブルー
DATA
1/35 サンサ戦 改造パーツ
- レジン製改造パーツ
- 発売日:4月1日より販売開始
- 価格:9,800円(税抜)
- 原型製作:市野裕己(ノリモータース)
- 発売元:モデラーズアットワーク
- 販売元:エー・ティー・エス株式会社
※別途ウェーブ「スコープドッグ ターボカスタム[ザ・ラストレッドショルダー版]4機セット」が必要となります。
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