2023年9月9日より開催!!かつてない体験型展覧会――日本の巨大ロボット群像

更新日:2023年6月28日 11:47

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文●五十嵐浩司(アニメーション研究家)

日本が世界中に誇るべき物があるとすれば、私はその筆頭として「巨大ロボット」を挙げたい。それだけ、巨大ロボットというテーマは日本の漫画文化、映像文化、玩具文化に大きな影響を与えているのだ。

本展覧会は、そんな巨大ロボットの群れが時代ごとにもたらしたデザインと映像表現に着目し、「巨大ロボットを見て、知って、体験する」ことを主眼としている。

それでは、そのコンテンツの一部をご覧いただこう。

 

 

巨大ロボットのメカニズム

1972年12月にスタートした『マジンガーZ』は、操縦者が頭部で巨大ロボットを操縦するアイディアが何よりも革命的であった。これにより、巨大ロボットと操縦者の一体感が生まれ、巨大ロボットは忠実なしもべから操縦者そのもののパワーの象徴となる。

『マジンガーZ』が放送中の1974年には合体を盛り込んだ『ゲッターロボ』が登場。3機のマシンが合体フォーメーションを変えることで、3類のロボットへ変化する。単に3体のロボットが現れるだけでなく、スタイルや機能がまったく異なることで、合体に意味をもたせたのである。

さらに翌年、1975年には『勇者ライディーン』の放送が開始された。ライディーンは飛行形態であるゴッドバードへ変形する。ゴッドバードへの変形は、シンプルな手順ながらも大胆なシルエット変化や演出により、インパクトのある映像に仕上げられていた。

▲兜甲児が乗ったホバーパイルダーがマジンガーZにドッキングする。不滅の力を備えた巨大ロボットに人の心が宿る瞬間でもある。

 

▲『ゲッターロボ』より、ゲッター1のチェンジ・プロセス。メタモルフォーゼの段階を丁寧に描いている。

 

▲勇者ライディーンの基本設定資料。1975年当時としては非常に線が多く、立体化を意識したデザインの先駆となった。

 

ロボットの大きさを体感できる

『宇宙の戦士』に登場する機動歩兵や『太陽の牙ダグラム』のダグラムの頭部、『ルパン三世』のラムダ、『メガゾーン23』のガーランドなどを1/1サイズのパネルや立体物などで表現して、巨大ロボットが実際に存在したら……という感覚を体験できる。

また、あわせて『機動戦士ガンダム』の第1話をテキストにして、映像で演出された巨大感を構造的に学ぶコーナーも設けられている。

▲1/1機動歩兵のパネル用図面。

 

▲床面を利用してガンダムを1/1サイズで展示。第1話で横たわったガンダムに登るアムロを体感できる(画像はイメージです)。

 

▲1/1ダグラムの頭部パネル製作用図面。

 

内部透視図の歴史

『超時空要塞マクロス』や『ファイブスター物語』などの諸作で描かれ続けた巨大ロボットの内部透視図。その歴史を映像と立体物で振り返る。時代によって変化していくリアリティポイントの様などに注目してほしい。

▲宮武一貴氏によるコン・バトラーVの透視図。

 

▲田中精美氏によるバルキリーの透視図。

 

メカニックデザイナー宮武一貴氏による圧巻の巨大絵画を展示

日本のメカニックデザイナーの重鎮である宮武一貴氏が、本展覧会のために巨大絵画を描き下ろした。デビューから50年を経てもなお、圧倒的な筆力と表現力は健在である。その全貌をぜひ、会場で目撃していただきたい。

▲宮武氏の巨大絵画製作途中のショット。

 

さて、この「日本の巨大ロボット群像」は今回紹介した他にも、まだまだ驚きの企画が満載となっている。今後の情報に注目してほしい。

「日本の巨大ロボット群像」2023年9月9日より、福岡県の福岡市美術館でスタート。2024年2月には神奈川県の横須賀美術館での巡回が決定している。

このまたとないチャンスに日本の誇る巨大ロボットの栄光の記録を体験せよ!!

 

DATA

日本の巨大ロボット群像-巨大ロボットアニメ、そのデザインと映像表現-

  • 会期:福岡市美術館 2023年9月9日~11月12日
  • 横須賀美術館 2024年2月10日~4月7日 ※以降、京都(2024年夏)など追加巡回を調整中
  • 企画協力:廣田恵介、タルカス(五十嵐浩司)

 

福岡会場チケット取扱い

チケットはARTNEチケットオンライン(https://artne.jp/tickets)、チケットぴあ(Pコード:686-520)、ローソンチケット(Lコード:83534)にて販売中。
またチケットぴあ限定のお得な図録付きチケットは6月30日(金)10時~数量限定販売される。

 

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